安倍首相が「脱却したい」「否定したい」という戦後レジームとは、要するに「戦後民主主義体制」のことだろう。彼にはそれが、「押し付けられた体制」「ポツダム民主主義」に見えているらしい。
そのことが‟さもありなん”と思わせることが国会であった。
カジノ法案を巡る宮本岳志衆議院議員の「なぜ賭博が刑法で禁じられているのか」との問いに、法務省は、「賭博行為は、勤労その他正当な原因によらず、単なる偶然の事情により財物を獲得しようと他人と相争うもので、国民の射幸心を助長し、勤労の美風を害するばかりでなく、副次的は犯罪を誘発し、さらに国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれすらあることから、社会の風俗を害する行為として処罰することとされている」と答弁した。
この答弁の背景には昭和25年11月22日最高裁大法廷判決があり、「賭博行為は・・・勤労その他正当な原因によるのでなく、単なる偶然の事情により財物の獲得を僥倖(ぎょうこう)せんと相争うがごときは、国民をして怠惰浪費の弊風(へいふう)を生ぜしめ、健康で文化的な社会の基礎をなす勤労の美風(憲法27条1項参照)を害するばかりでなく、はなはだしきは暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪を誘発し、または国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらあるのである」と断じている。(以上のことは宮本議員のFBで知った)
近頃の風潮からすると「青臭い理想論」に思えるかもしれないが、この国のある種青春時代の直球勝負の正論であり、その時代の同種の正論(労働法も)が戦後民主主義の礎を築いたのだ。
だから、不労所得者の利益を代弁する安倍首相がカジノ法案を推進し、戦後レジームからの脱却を叫ぶのも全て符号は合っている。
内田樹氏は、パチンコのようなものは裏町の景品交換所で半ば後ろめたく換金する程度がよいという趣旨のことを言っているが、私もおおむね賛成である。
世の中「白か黒か」で割り切れないことぐらいこの歳になると判っている。
しかし、ベースには青臭いほどの正論を踏まえておかないと、ホンネばかりでは人間は下品になる。
戦後レジーム万歳!
カジノで日本が繁栄することは絶対ありません。観光立国のため必要と言うのは、観光の本質を歪め儲けや体裁で粉飾しているだけの事にほかなりません。下品な人間が作った下品な発想は、下品な国を作ります。私は、広大な宇宙の一員の宇宙人として真理を探究して、今後も生きていきたいと思っています。
返信削除バラやんのおっしゃる通り、カジノで国民が繁栄することはないでしょう。
返信削除その上に、冷静に分析すると、ごく一部の儲かっているように見えるカジノも日本では実現しないという、非常にリアルな分析記事があります。ご一読ください。
下のアドレスをなぞって白黒反転させたうえでクリックすると表示されると思います。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/inoueshin/20141113-00040689/