2014年11月5日水曜日

カジノ以上のギャンブルかも

「アベノミクスは日本を壊す」と
舌鋒スルドイ浜矩子同大院教授
※印は教授の指摘
  近くの駅前に大きなイオンショッピングモールが開業して5年になる。
 おかげで、それまであった近隣の中規模スーパーは次々に廃業していった。
 その勝ち組であるはずのイオンモールの中がシャッター通りになりつつある。嘘のようなほんとうの話である。

 9月の世帯当たり消費支出が前年同月比△5.6%と消費者の収入が減っているのだから当然かもしれないが、進行しつつある日本経済の未来に暗澹となる。
 4~6月期のGDPは年率△7.1%。家計消費は△19.5%。安倍首相が言い訳に使った名目総雇用者所得も実質総雇用者所得では大幅に減っている。
 世界トップクラスの「豊かな経済社会ニッポン」で相対的貧困率が16%に及び、それはデンマークの3倍以上となっている。※
 OECDのデータで『就労していないひとり親世帯の貧困率50.4%に対し就労しているひとり親世帯の貧困率が50.9%』ということは、日本の非正規雇用問題が人権問題のレベルであることを示している。
 いま再確認が必要なことは、デフレ問題は経済の成長力の不足が原因ではなく、分配がきちんとできていないことなのだ。※
 それでも政府はアベノミクスを自慢し、メディアはそれを垂れ流す。4日の夕刊の株価を報じる見出しを見よ。それは景気の偽装ではないか。
 実質賃金が14か月連続マイナス、その下げ幅拡大(毎月勤労統計)でも好景気だと???

 塩崎厚労相は年金財源の国内外の株式投資率を各12%から25%に引き上げた。計50%。
 黒田日銀総裁は長期国債の買い入れを年30兆円増の80兆円に拡大するなど、更なる金融緩和で円安、株高を演出した。実態の伴わないマネーゲーム以外の何ものでもない。
 その日本株式市場のシェアの6割以上はハゲタカファンド等外国人投資家だから(日経)、どこかで彼らは売り抜く。当たり前だ。
 かつての米国サブプライムローンのように、実体のないマネーゲームが永久に続くはずがない。そんなことは株をしている人々はみんな解っている。
 もちろんそのとき株は暴落する。そして、年金財源は大損をする。
 誰もがその前に売り抜けようと考えているのだろうが、誰もが損をしないことは絶対にありえない。絶対にありえない。
 大臣が辞任しようが総裁が更迭されようが失ったお金は帰ってこない。
 泣くのは年金受給者と被雇用者、つまり庶民である。
 そんな風になりたくはないが必ずそうなる。

 この国にカジノは要らない。
 なぜなら、国民生活全部がギャンブルに賭けられているのだから。
 どんなギャンブラーもこれほどえげつなくスリリングなギャンブルを見たことはないだろう。

 このブログ記事が「取り越し苦労」であったという方に私は賭けたいのだが、そのためには沖縄をはじめとする地方選挙で自民党を落とし共産党を伸ばし、「安倍内閣とアベノミクスでは選挙は戦えない」と彼らに思い知らせることが大切だ。
 この方法はカジノよりも堅実で現実的だ。

5 件のコメント:

  1. イオングループの増殖に恐怖さえ感じます。先日もいつも利用する大丸ピーコックのレシートを見ると「イオンマーケット」のプリントがありました。資本主義というのは「ほどほど」というのが無いのですね、増え続けていかなければ潰れるという強迫観念で突っ走るのでしょう、その後には荒涼たる荒れ野が広がるばかり、ということでしょう。

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  2.  「ほどほどということが無い」との指摘に賛成です。
     「我が亡きあとに洪水よ来たれ」です。
     それに対して日本共産党は「資本主義のルールを守れ」ですから、時代遅れの反共主義の頭では世の中についていけないでしょう。

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  3. ここの議論とは討論が噛み合わないと思いますが、自民党支持者が全てギャンブル好きとは思いません。日本共産党支持する者にもギャンブル好きな人もいると思います。しかし、言えることは、何を行っても真剣に真理やら伝統をを追求し、努力する人にギャンブル好きな人は少ないと思います。資本主義のルールは弱肉強食ですから、伝統とか詫寂を言えない社会構造が当たり前になっているといます。

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  4.  カジノやギャンブル、歓楽業を如何に考えどうしていくべきかという課題は、別途議論したいと思います。
     私は単純な清廉潔白主義者ではありません。
     なお、和道おっさんの http://wadou.seesaa.net/ というブログが先行的に問題を提起されていて、大いに参考になります。
     この記事のメーンテーマは日本経済です。
     ほんとうは我々庶民が考えている以上に経済のグローバル化は進んでいる。その本質は「国家」というものさえ破壊しかねないほど恐ろしいものだ。アベノミクスはそれを知ってか知らずか、一時代前のトリクルダウン論に立っている。そして庶民も・・究極のところトリクルダウンを信じている。トリクルダウン以外の方法での雇用や正規雇用、賃金、社会保障の展望を確信していない。そのままでいいのか・・というのが私の思いです。
     いまこそ、日本経済の展望について語りあいませんか。

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  5. YAHOOニュースでジャーナリスト山田順氏の論文(10月8日)を見た。
     氏の主張は、グローバル経済の下では経済は基軸通貨であるドルで検討しなければ正確には判らない。
     例えばアベノミクスの中で唯一といえる「株価の上昇」という問題でも、ドルで見れば日本の株価は下落している。それを「株価は上がった」というのは間違っているという。
     その外に株価の変動、GDP、一人当たりGDP等をドルで比較している氏の主張は説得力がある。
     答えは、アベノミクスの下で日本経済はドルベースで見れば明らかに衰退を続けている。
     異次元の金融緩和策等で日本は富を失っている。
     共産党を支持しようがしよまいが、真面目にこの国を思うものはアベノミクスを止めさせなければならないと私は思う。

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