考えようによっては贅沢であるが、昨夕は妻と一緒に、ちょっと法華寺の「蓮華会式」まで夕涼みに行ってきた。
駐車場も拝観も全て無料になっており、おまけに奈良県指定文化財である光月亭でゆっくりと「小豆粥」の接待まで受けて来た。あまりのサービスに少し恐縮してしまうほどである。法華寺は、総国分寺である東大寺とペアである総国分尼寺で、聖武天皇、光明皇后発願の門跡寺院として1300年近い歴史がある国宝や重文だらけのお寺である。
そういうお寺が、観光行事に流されることもなく、やたら閉鎖的な行事にもせず、ほどほどの参加者を迎えて庶民的な燈籠行事と茅の輪行事を中心とした法要を行なっているところが素晴らしい。
「お寺で茅の輪?」と思わなくもないが、そもそも明治の神仏分離令が無茶であったので、神仏混淆の姿こそが長いこの国の歴史を貫く一般的な意識だったのだと思う。
虎模様の斑入り茅萱 の茅の輪 |
奈良県が、「記紀編纂1300年プロジェクト」のような構想を打ち上げているが、それが記紀の記述内容の無批判な肯定と明治的皇国史観の復活に手を貸すことにならないかと心配する。
そういえば、法華寺は、葛城や三輪や蘇我や物部の歴史を消し去り、万世一系の神話(記紀)を創設した陰の実力者・藤原不比等の屋敷跡であった。
やたらコマーシャリズムに流されず(近鉄ニュースに載ってない)、写真で見る限り近所の檀家さんと、観光客でないような外人さんが写っている、まさに「ほどほどの参加者が」というところが良いですね。弁英和尚の奮起を望む!
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