「極楽トンボ」。広辞苑によれば「うわついたのんき者をののしっていう語」とあり、大阪ことば事典を見ると「艶双蝶紋日(いろくらべちょうのもんび)」の台詞にもあるらしい。
しかし、そもトンボは、多くの銅鐸の表面に登場し、記紀は、雄略天皇がアブに刺されそうになったのをトンボが食べたからとか、神武天皇が丘の上から眺めた地形がトンボの交尾の姿に似ていたからとかと言って、この国のことを「秋津=トンボの古語」を冠して秋津洲・蜻蛉洲(あきつしま)と呼んだりしているし、トンボ(赤トンボ)が山の上から秋の田圃に降りてきて害虫を食べてくれるさまを見て、弥生の人々が「田の神」「神の使い」と理解したであろうことは十分納得させられることである。
だとすると、このようにある種神聖視されているトンボが、ある種の蔑称である「極楽トンボ」という語に使われているのは何故だろう。
泉麻人著「東京少年昆虫図鑑」(新潮OH文庫)の「オハグロトンボの伝説」の中に、「カミサマトンボ、ホトケトンボなどの呼び名がある」「捕まえるとバチが当るという言い伝えがある」とあるから、ちょっとこのハグロトンボには他とは違うイメージがあるようだが、それでも、ある種の蔑称に転化した理由はわからない。
あえて想像すれば、フワフワと、トンボであってトンボでないような、このハグロトンボの浮世離れをした飛びかたこそが、神聖トンボ王国の中の「うわついたのんき者」に見えたのではなかったか。ご存知の方は教えて欲しい。
昔少年は、ヤンマとオハグロだけは今でも採りたい衝動に駆られてしまう。
明らかなことは、東日本の状況の向こうで、このようなテーマに悩んでいる者のことを、人は極楽トンボと呼ぶことである。
7.28右の写真を追加
某テレビ局が開催している「鳥人間コンテスト」審査委員長をされていた東教授の話によると、全飛行生物の中で「トンボ」の飛行性能が最高で特に、急停止、ホバリングの技術は抜群だという事でした。子供の頃の鬼ヤンマは憧れの的でしたね、せめてシオカラぐらいはと、我が家のベランダにビオトーブらしきものを作ったのですが、まだ来訪はありません。
返信削除ひげ親父さん ビオトープって実際には難しそうですね。
返信削除水が澱むと蚊が発生するし、水道水では水生動物が育たないし、どのようにされているのかブログででも御教示ください。