2022年12月5日月曜日

荒野に希望の灯

   12月4日、今から3年前のこの日、中村哲さんがアフガンで銃撃され死亡した。
 だからというわけではないが、私は劇場版『荒野に希望の灯をともす』を観に行ってきた。
 知っている話ばかりでも、心が洗われる感じがした。ワクチン接種後の副反応を押して出かけてよかった。

 改めて感じたことを書くと、中村哲さんはクリスチャンだったが、アフガンの復興のためにと、学校とモスクを建設した。映画で観ても非常に立派な建物だった。
 モスクは、ムスリムの心のよりどころであるとともに、いわば大きなコミュニティーセンターなのだ。
 自分たちの村をどうしていくかは村人が相談し合ってこそホンモノになるのだと思う。そのための「場」なのだった。

 日本人を含む先進国の人々は、それ以外の国々を「遅れた国」といい、「こういうことが正しい答えだ」と「押し付ける」が、そんなことが上手くいかなかったことは中東でもアフリカでも証明済みだろう。答えはアフガンのその地域にあった。

 現在、私はプーチンによるウクライナ侵略の悲惨な状況をニュースで見ている。
 日本国内で平和裏にプーチン批判の声をあげていても時に虚しくなる。
 しかし、アフガンは大旱魃で飢饉の時代に、アメリカと有志連合による空爆を受けていた。
 その下でも中村哲さんは、灌漑工事を「虚しい」とは言っていなかった。
 クリスチャンである中村哲さんが天台宗でよく語られる「一隅を照らす」という言葉が好きだというのも心に響く。

 今、日蓮の教えを自称する人々の政党が「反撃能力」という言葉を使いながら「敵基地先制攻撃能力」のために軍拡・軍事費倍増政治の片棒を担っている。
 なんというこの落差、中村哲さんに共鳴するだけにふつふつと怒りが湧いてくる。

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