2013年4月19日金曜日

叫び

  小学校1年の参観日に「コメ作り」の流れを紙芝居風に絵に描いて発表したことを思い出した。
  田植えの場面を描くのに困って、悩んだ挙句、真ん中に田圃を描いて、周囲の人々を正面向きのまま、左右の人々は左右に90度寝かせて、手前の人は頭を下にして描いた。
  『佐原真の仕事3「美術の考古学」:岩波書店』を読むと、これは「幼児の多視点画・展開描法」というものらしく、ヨーロッパの旧石器時代から、古代エジプト、メソポタミア、ギリシャ、そして我が国の縄文、弥生の絵にしばしば見られるものらしい。
  だから当時の私の絵画の能力は、よくいって縄文土器か銅鐸の絵画レベルだったのだろう。

銅鐸の絵
左や上の鹿は半回転している
  この本では「子供の絵の発達段階」についても述べられているが、美術教育の研究者(らしい)トムリンソン、ローエンフェルド、東山明、大谷恵子、東山直美等の諸氏(申し訳ないが門外漢のため諸氏のことは全く存じ上げないが)は、何れも「2歳ぐらいは『なぐり書きの時期』」だと規定されている。

  話はここからが本題となる。
  写真は、2歳前の夏ちゃんが「お父さん」を描いたものである。
 お母さんが、「お爺ちゃんが一番喜ぶだろう」からと額に入れて持ってきてくれた。
  それでお爺ちゃんは確信した。「これはもう写実主義を突き抜けてムンクに並んだ!」と。
 もちろん我が家の特等席に飾ってある。

9 件のコメント:

  1.  2歳前の夏ちゃんの作品、私もこれは本物だと思います。我が家にも5歳と3歳の孫がいますので、夏ちゃんのレベルがどんなに優れているかよくわかります。楽しみですね。お爺ちゃんの嬉しさも十分伝わりました。
     

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  2.  ムンクはこの頃「イヤ!」という言葉の使いどころを知りました。
     で、「イヤ!」と言われて悲しいやら嬉しいやら・・・・和道おっさん、コメントありがとうございます。

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  3. 心にグッと迫る芸術作品ですね☆彡これからが楽しみですね

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  4.   開いた瞬間、絵を見て米粒を書いてあると思いました。古代の絵や幼児期の絵のことは興味がありませんが、パパを描ききった夏ちゃんの集中力は驚きです。今度はお爺ちゃんがモデルで描いてもらい、お宝にすると言うのはどうでしょうか?頼んでみたら?それとも既に頼んだ後ですかな?

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  5. 世の中のどんな想い人に振られるより孫に「イヤ!」と言われることほど悲しいことはない、とは旧友の恨み言でした。最善の方法は深追いせず、無関心を装うことだそうです。

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  6. yukuriさん、茅渟の海さん、ひげ親父さん、コメントありがとうございます。
     今、夏ちゃんを膝の上に乗せて、キーボードを取り合いして書いています。
     この絵は「なぐり書き」ではありません。夏ちゃんは画面を見てはっきりと「お父ちゃんや」と言います。
     そして、私がコメントを書こうとすると、マウスをとって自分の絵のところに戻します。
     私の病は相当重症です。

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  7.  自分のブログとコメントを読み返しましたが、茅渟の海さんの「米粒を書いてある」とのコメントは面白すぎです。ブログの本文が喰われた感じです。

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  8. ムンクと見るか、米粒と見るか、難しいところです。幼児の心に神宿る、ではありませんが幼児の特殊能力の存在は広く知られたところですが、でも、まぁ~、和道おっさんを含めて爺バカの範疇だと思います。すみません、まだ爺バカになれない者のひがみです。

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  9.  米粒に神を見たのは老人性の幻覚に違いありません。反省。

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