2013年4月17日水曜日

菫の花筵

  今年、家の前の歩道に突然スミレの群落が出現したので驚いたが、近所の田圃にそれ以上にびっくりするようなスミレの「花むしろ」を見つけた。
スミレの花むしろ。全景はこれの20倍以上。
  写真を撮りながら田圃のお向かいの小父さんに聞くと、「たまに草だけ刈りにきやはる休耕田です」ということだ。
  このスミレというもの・・・・見事に美しい典型的な虫媒花中の虫媒花らしい花にもかかわらず実を結ぶことが少ないらしい。その代りに閉鎖花といって初夏の頃から花びらのない蕾を作り自家受粉して実をつけるという。
  モノの本によると、その実には蟻の大好物のエライオソームというものが付いており、蟻がその実を運んでくれることになっている。そう言えば、確かに、歩道橋のてっぺんのアスファルトの切れ目などからスミレが咲いていたりして、「どうしてこんなところに?」と不思議であったことが多々あった。
 というよりも、そう言えば、今年、家の前に突然出現した群落の場所は、私が草引きをしたときに大きな蟻の巣のあった場所だった。私がそうして大規模に土を混ぜ返した場所だった。思い返せば感動的に納得できる解説である。
  こんな見事なメカニズムを考えると、単純な進化論を疑いたくなり(というほど最新の進化論を知っているわけではないが)、スミレ一族が会議を開き、「進歩への冒険(春先の虫媒花)と、保険としての閉鎖花という二段戦略を選択し、その上に蟻を利用しての確実性の高い新世界の開拓」をかんかんがくがくの議論の末、満場一致採用したと信じたくなる。
  この話を妻にしてみたが、草花をよく知っている妻でさえ「スミレの閉鎖花」は知らなかった。
  植物の生態は奥が深い。

東大寺天皇殿紫鷺苔
  東大寺の天皇殿特別拝観があったとき、お庭の枝垂桜も素晴らしかったが、ここも一面の「スミレの花むしろ」・・・と一瞬思ったが、説明書きでは「紫鷺苔(ムラサキサギゴケ)」らしい。屋内からのため詳細に見ることができなくて残念だった。
  帰ってみると、渡辺一枝著「草の絵本」(講談社カルチャーブックス)には載っていた。
  というように、知っている方は昔からご存知だったのだろうが、私は初めて知った草花である。
  ほんとうに草花は園芸品種でなくても奥が深いと痛感させられる。

8 件のコメント:

  1.  スミレの群落のために周囲の草刈りをしました。結構な広さで腰は痛いは眩暈はするは(高血圧の薬のため)で、バテました。
     ところで、この時期の草刈りでは、雑草の種が雨あられのように顔をめがけて弾けます。ものすごいものです。
     結局、草刈りをしているようで実は雑草の種蒔きをしてやっているようです。
     そんな人間を草たちが笑っているに違いありません。

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  2.  あと半月もすると箕面の萱野付近の田んぼがレンゲ畑になります。箕面市が助成しているとかで結構見に来る人もあります。昔、中学校の校庭のレンゲの花にミツバチが来るのを待ち構え、学生帽で叩き落とし、お尻の針を引き抜き、根元の袋のようなものを「ハチミツの袋や」と食べたことがありますが、よく考えたらハチの針の根元だから毒袋だったのかも。

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  3.  天王寺の赤松種苗店でレンゲの種をいっぱい買ってきて家の周辺に蒔いたことがありますが、あまりに雑だったのかレンゲ畑は出現しませんでした。
     さて、ミツバチのハラワタ?はそれはそうと甘かったのでしょうか?
     私はハチノスを鶴橋で食べますが、これは全く甘くはありません。

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  4.  !絨毯でなくむしろですか、色々な表現がありますね花むしろの表現は恥ずかしながら知りませんでした。先日通院途上に民家のブロック塀と道路の隙間からすみれが花を咲かせていました、写真の花の色よりももっと青かったように思いますがカメラを通じてのことですのでなんとも言えませんが、小さくてとても可憐でした。月に一度の通院ですので、その都度景色が変わったりするのを目の当たりにすることが多く寂しい思いや残念な気持ちがします、これも時代の流れなんでしょうね?昔ながらの田園風景が無くなるのを寂しいと思うのは年のせいかな?

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  5. レンゲ畑も少なくなり、レンゲの蜂蜜も希少になってきているようです。かつて、養蜂業者は花を追って南から北へと移動したそうですが、先日、和歌山の南部で聞いたところでは、今はトレーラーに蜂を積んで、夏に本州から北海道へ移動するとのことです。

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  6.  茅渟の海さん、おっしゃるとおりスミレ色よりも非常に白い品種です。野生種でもいろんな色があるようです。
     確かに、これらの会話も「年のせい」かも知れませんが、人間は自然をもっともっと恐れ敬わなければならないと思います。
     mykazekさん、遺伝子組み換えの種で、化学肥料、農薬、大気汚染、河川汚染まみれの植物の花から汲み上げた蜂蜜やローヤルゼリーを健康食品だと言ってありがたがっているのは、もしかしたらチョッと怖いことかもしれませんね。

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    1. スミレの花はあれっと思う隙間に咲きます。種を植えていない所に。以前に種が取りたくて、
      部屋に新聞紙を敷き 蕾が割れ(みつまたに)だんだんと皮がめくれ、皮が下に下にいき、種がだんだん出て二列に並んで時を待ちます。そしてスミレの茎が少し揺れます。そしたら種が飛びます。以外に遠く飛びます。 新聞紙よりも遠くに。  それであれっと思う所に咲いているのです。  時間があれば実験を。  自然の凄さにびっくりしました。

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  7.  堺愛好者さん こんばんは。 貴重なスミレの種の採集方法を教えていただきありがとうございます。知らないことばかりです。読んでいて楽しいです。
     そして、その内容よりも、貴方がそういういろんなものごとに、実際に挑戦されていることに驚いて尊敬しています。
     体調不良とお聞きして案じておりますが、気分晴らしにこれからもコメントをお願いします。

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