今日は宵戎!
奈良公園周辺にはえべっさんが三つある。
一番歴史の古いのが大和一宮(やまといちのみや)率川(いさがわ)神社のえべっさん、
二つ目が、なら町の花街にあって、ちょっと有名な南市(みなみいち)のえべっさん、
そして春日大社のえべっさんであり、その内の前二社が十日戎ではなく五日戎なので、1月5日に初詣を兼ねてえべっさんを巡ってきた。
率川神社では、本社である大神(おおみわ)神社の巫女さんが「祓い給え・清め給え・幸(さきわ)い給え・・・」と一人一人に丁寧なお祓いをしてくれた。
それを近くの神職の方にカメラを渡して撮影していただいた。恐縮、恐縮。と、まあ、そういうことが許される程度に境内は混雑していなかった。
南市恵美須は社前に鈴が二つ下がっていて、そこで順番に鈴を鳴らして二礼二拍手一礼してお詣りするというのんびりした方式なので、順番を待つ列がズラーとなら町に連なり数十分待ちというものだった。
その途中で粕汁の振舞いもあった。
なので、こちらは賑やかで華やいでいた。
そしてお詣りの後、吉兆の付いた福笹をいただき、お社の裏に廻ってドンドンドンと叩いて、二人の孫の安寧をお願いした。
大阪の今宮戎のような、大音量のスピーカーが「商売繁盛で笹持ってこい」と繰り返す強烈なお祭り気分には欠けるが、情趣に富んだ五日戎だった。
春日大社のえべっさんは飾りつけはされていたが十日戎前の静けさだった。ここのすぐ隣には夫婦大黒社があり、ここは恋の水占いの若い女性で賑わっていた。
えべっさんは耳が遠いからお社の裏をドンドンドンと叩いて大声で頼みごとをせなあかん!とは昔からの(大阪、京都、奈良の)言い伝えである。
強い神、怖い神は世に多いが、身体(神体?)にハンディを持つ少し弱い神というのは珍しい。なので、その分懐が深いに違いないと勝手に解釈している。
えべっさんと同じハンディも持つ孫の今後の大きな手術が成功するようお願いした。
偉そうなことを言えば私はご利益があるとか罰が当たるという信仰はあまり好きでなく、今まではただただ報恩感謝で神仏にお詣りしてきたつもりだが、今は素朴に孫のご加護を本気でお祈りしている。
信仰の堕落かも知れないが許してほしい。
なお、正面からのお詣りだけでなく、裏に廻ってドンドン叩いてお願いするえべっさんのしきたりは、非常に神さまとの距離が短く、ある種のスキンシップみたいで私は好きだ。
吉兆のことは12月31日の「祝箸」の記事で触れた。
吉兆の付いた福笹は孫の夏ちゃんが欲しいというのであげた。
叩く音(ね)も艶あり花街の初戎
9日、大阪市内に出たがえべっさんには行かなかった。今年のえべっさんは5日で済んだ。
返信削除高津神社に行くと「高津の富」のイベントや屋台がいっぱい出ていて大賑わいだった。
花見か夏のBBQみたいにビニールシートを敷いて酒盛りしている人も多かった。
みんな「何か楽しいこと」を求めているようだった。
当方も集まりの後酒盛りをしたが、難しい話ばかりで気分が落ち込んだ。
これではイカン!と反省。