太陽の黄経300度というと春分点(0度)の60度前になるから冬真っ盛りとなるが、先人はそれをズバリ大寒と言った。こういう知恵に私は只々ひれ伏すだけだ。
その寒い日(20日・大寒)に少し時間が空き、孫の凜ちゃんの体調もよさそうだったので、東大寺病院近くの大仏殿に凜ちゃんを抱いて走って行った。
目的は大仏様の『初・鼻の穴くぐり』で、遠足や修学旅行のシーズンオフの今が狙い目だと考えた次第。
「初」というのは「今年初」というのではなく、「生まれて初めて」の「初」。
そこは予想どおり空いていた。シーズンにはズラーっと子どもたちが順番待ちなのに。読みどおり・・・だった。
で、写真のとおり凜ちゃんは生まれて初めての『鼻の穴くぐり』を行った。
この柱の穴は30㎝×37㎝で大仏様の鼻の穴と同じ大きさだといわれている。が真偽は不知。
帰ってから妻が「怖がれへんかった?」と尋ねたが、凜ちゃんはいつも机の下で遊んでいるように馴染んでいた。
そしてくぐり抜けた時に周囲の人から祝福された。
記念すべき大寒になった。
2016年4月24日の記事に書いたとおり、東大寺の職員に聞くと「この穴は鬼門除け」という。柱は大仏様の背中側の丑寅(北東)にある。
なお、東海道中膝栗毛では京都・方広寺の柱くぐりに弥次さん喜多さんが臨んでいる。
柱の穴のほんとうの理由は判らない。
しかし、この列島の人々はこの種の穴があるとくぐりたくなるのである。
それは一般に、胎内くぐりと言われるが、生まれ変わり(再生・復活)の儀式・信仰である。・・・と私は解している。
この儀式で凜ちゃんに無病息災を願うのは大仏様にもハードルが高すぎるかもしれないので、原点に返って今日までの成長を毘盧遮那仏に感謝しておいた。
着ぶくれて毘盧遮那仏の鼻の穴
テレビ大阪の「ニッポン行きたい人応援団」なる番組。日本の文化が好きすぎる人を番組が招待するという趣向で今回は、ポーランドの13歳の少女、日本のお寺が大好きで奈良の東大寺を訪れ、鼻の穴くぐりに挑戦し見事抜け出て大喜びをしていました。凛くんのさして怖がる風もなく「こんなのへっちゃらや」という感じが微笑ましい。でも信貴山の胎内めぐりは真っ暗闇ですからもう少し大きくなってからにして下さいね。
返信削除孫への応援になるコメントをありがとうございます。孫にしたら「閉所恐怖」などほど遠い空間の向こうにお母さんがいるのですからへっちゃらだったと思います。
返信削除この鼻の穴くぐりは何回か書きましたが、私は、比較的すいているときには外国人観光客を手招きしてくぐらせます。楽しい想い出が一つ加わるに違いないからです。99%ジェスチャーで、グレートブッダ、ノーズ、ホール、イ―コール、ラッキーと言います。