2016年2月13日土曜日

コミュニティー意識

 前の記事で「自治会活動の大切な仕事はコミュニティー意識を高めることだ」という本が教訓的であることを紹介したが、そういうことなどに関わって友人たちと一杯やりながら語り合った。
 共通して語られたのはマンションの管理組合役員としての苦労話だった。
 そのひとつは、分譲マンションに本人が住んでおらず賃貸をしているケースで、実際の居住者はマンションの長期的な保守や維持管理に全く関心がないどころか、日本語も通じない中でどのようにコミュニティー意識を持ってもらうかということだった。
 もうひとつは、これはマンションであるかないかに拘わらず起こる問題だが、住民同士のトラブルの調整で、1階の営業と2階の騒音というようなものである。これは先日NHKの「朝いち」でもやっていたが、微妙かつ深刻な問題である。
 管理会社を入れていない管理組合や一般的な自治会ならより深刻だ。

 ところで、朝日新聞がシリーズで追いかけている自治会は、どちらかというと古い閉鎖的な自治会で、それを批判して退会するとゴミ収集などの自治体行政の対応が適正になされないというようなことに力点があるようだが、都市部の自治会では役員などの負担は一切嫌だというように加入しない住民の増えていることの方に問題点があるように思う。 
 つまり、人間が生活するうえでは、税を支払って自治体で対応させるべき問題と同時に、どうしても住民どおしのコミュニティーとして話し合いで解決しなければならない課題があることが理解できていない住民がいることであろう。

 生まれた時から貨幣経済と高度な分業システムという人工的な環境で育ち、それ故に自分自身を守るためには電気が止まったら電力会社にクレームをつけ、水が止まったら水道局にクレームをつけ、ゴミがたまったら自治体にクレームをつける。そういう対応こそが唯一正しい対応だというふうに飼いならされてきており、学校教育は受験教育が中心で、体育会系クラブ活動は縦の指示命令という現代人には、自分たちで話し合って解決しなければならない課題があることすらが理解できないという、そういう住民が増えてきていないだろうか。
 そういうことは、職場にあっても労働組合未加入者の増加という形で表れている。

 終の棲家と思って一世一代の買い物をしてマイホームと思ってもそういうトラブルがあると辛いだろう。
 大阪府知事はマンションの空き部屋でホテル業をすることを推進して自慢しているが、終の棲家という配慮やコミュニティー意識の醸成という感覚を欠いている。
 結局、前の記事でも今回の記事でも解決策らしい解決策はよう書いていない。
 私なども、地域の親睦行事というようなものにもっと長ける必要があるように反省した。

3 件のコメント:

  1.  地域の親睦行事は、地域のコミュニティー意識を高める上で必須のものだと思います。私は地域の親睦行事と思って、退職後地域に溶け込むことも考え、神社の役員、男の料理教室、登山同好会などに参加させてもらっています。しかし、この中で「神社の役員」は別格です。地域のコミュニティー意識は長い伝統行事に裏打ちされ、とても強い影響力があります。長谷やんのブログにも書かれているとおり、思想、宗教、寄付金、行政、教育、安全保障、等々色々な課題があります。色々な疑問点を議論することは大切なことだと思いますが、その結果は「解散、やめよう。」になる可能性が大きいと思います。以前は、神社の大祭の日は小学校は半ドン、寄付は半強制でしたが、現在は当たり前ですが、大祭は祝日、寄付は任意となっています。
     知人から「あんなうるさい神社の役員よう受けたねえ。」と言われますが、「楽しいこともある。」と心で思いながら気楽にやらさして貰っています。

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  2.  非常に地に足のついたコメントだと感心しています。
     私には竹を割ったような回答はありません。ケースバイケースで、ああでもないこうでもないと話すことが大切なんだと思います。

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  3. バラやんのコメント、今の私には非常に染み入ります。

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