伝統行事の多くが中国にルーツを持つ日本という国の中で、鯉のぼりだけは中国にはないというのも面白い。
お祭りのときに神社に立てられる大きな縦長の旗は神が降臨する憑代(よりしろ)だが、これこそが鯉のぼりのルーツらしい。それでも「登龍門」、鯉の滝登りという中国の伝説に拠っているのでやっぱり中国文化からは離れられない。
粽(ちまき)は(中国の)戦国時代屈原(くつげん)が汨羅(べきら)の淵に身を沈めたという故事が人口に膾炙しているが、江南の民族が日常食としていた粽を供えたと考える方が素直だろう。
ショウブやヨモギは前漢の頃から辟邪・辟病の仙薬(万能薬)であり、ショウブ酒、ショウブ湯となったことは容易に想像できる。日本でも中世までは宮中でヨモギ人形を飾ったが、これが武者人形の一つのルーツだといわれている。
わが家ではショウブ湯から出るときに一本抜いて鉢巻にすることとなっている。辟病だ。
要するに全体としては古い中国の文化=つまりは道教の文化の上に立っているのにそれに気づかないのは天動説の論者と変わらない。
その種の古くからの日本の「行事」を馬鹿にしながら、やれバレンタインデーだ、ハロウィンだ、クリスマスだと騒ぐ国民のなんと多いことか。
小学生の頃だったかな 乳守温泉(銭湯)に行ったら 湯船にショウブが束になって何本か浮いていた。あたまに巻くなどの知識は持ち合わせてなく。束をかきよせてバラバラにして湯船いっぱいに拡げ 番台のおっちゃんに「なにすんのや」と、どやされたかなぁ 幸岳人
返信削除幸岳人さん、愉快な思い出話をありがとうございます。
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