2013年3月28日木曜日

奈良一番桜

  奈良市内で午後に受講したい講座があった。
  天気予報は午後から雨と報じている。
  しかし考えようによってはこれは吉報「花曇り」かも知れないと考え直し、急遽おにぎりを握り、だし巻き卵を焼き、冷蔵庫からなんやかんやと缶ビールを引っ張り出して、少し早い目に奈良公園に行ってみた。

  近頃は腹の立つニュースが多い。
  娯楽番組も、同じようなお笑い芸人を雛段に並べて「ええかげんにせい」と言いたいものばかり。
  そんな中での奈良公園散策は最高の神経の休養だと思う。
  外国人を含む県外と思しき行楽客が鹿に追われて大声を出している図は平和なものである。
  今日は中国語も韓国語もロシア語も飛び交っていた。この地には尖閣も竹島も四島もない。
  奈良公園で外交交渉をすれば穏やかに話が進みそうな夢を見る。
  小さい子が鹿せんべいをバサッと取られた時には横から取り返してやり、大の大人がバサッと取られた時には「こちらの負けでんな」と笑って話しかけ、公園のベンチでビールとお弁当を広げた。
  ご 同輩と話をすると、「奈良公園はトイレが綺麗し数も多いのでここへ来ますねん」とのことで共鳴。あ~あ。

  奈良国立博物館の向いという一等地にあるが、周りがあまりに有名すぎる大仏殿や春日大社のため、日ごろは閑古鳥の鳴いている氷室神社が、一年で一番賑っているのは奈良一番桜のためである。
  一番桜とは奈良で一番早くに咲くとの理由による。
  京都丸山公園の枝垂桜はあまりに有名だが、あの周辺はいわゆる花見の場所取りと安物の商業主義で俗っぽいことこの上ない。
  それに比べると、ここの枝垂桜は神社の境内ということもあって品が良い。
  俗っぽい花見もよいが(いや結構好きだが)こういう花見も悪くない。
  奈良公園の染井吉野はまだまだこれからである。
  ストレスに疲れたお方はここでの休養をお勧めする。

5 件のコメント:

  1.  先日ニュースで京都の寺(寺の名前はわすれてしまいました。)で梅と桜が同時に咲いたことを報じていました、同時に咲くのは30年ぶりだとか観光客が写真を取りに大勢来てくれますとの住職の話でした。
     花見と言うほどのことでもなけれども散歩がてらに通りかかった際見頃に咲いていました、平日の午前ことなので見物客は犬を連れた散歩中とおぼしきお年寄りが何人か足を止めて眺めていましたが、花を愛でて俳句の1つでも読む風流もなく、ただ美しいと思いながら通り過ぎてきました。
    今度コンビニで弁当を買ってゆっくり見に行くことにでもしようかな。

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  2.  コブシやモクレン、それにベニスモモも派手やかに咲いていますが、サクラの満開は、世の大勢に誘導されているようで癪ですがやはりいいものですね。
     満開の期間が短いため、現職サラリーマン時代はほとんど味わうこともありませんでした。
     その分、十分楽しみたいと思います。

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  3.  茅渟の海さんのおっしゃる通り、わが町でも満開の梅と満開の桜が一緒のところがあります。これって30年ぶりなのですか。
     地上には冬鳥であるツグミがいます。そして空中を夏鳥であるツバメが飛んでいます。
     例年の状況を思い出しませんので「ごく当たり前の出来事」なのかもしれませんが、もしかして30年ぶり?

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  4. コンクリートジャングルのわが街でも桜とモモが同時に咲いて珍しいなと思っていたところです。それと椿と雪柳も咲きそろい春を実感しています。

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  5.  花桃と桜はよく重なり「八重桜だ」と勘違いしている方も少なくありません。
     本当にいっぺんに咲き競っています。
     この季節に感動を覚えない方は、立心偏に亡ぶの方々でしょう。そんな先進国ってありでしょうか。

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