2011年11月1日火曜日

奈良の贅沢

 例によって今朝、母の施設へ近鉄ニュース11月号を持参した。
大乗院庭園
 入所者の皆さんと一緒に読んでいる中で、目に付いた写真から、「そう言えば大乗院庭園には行っていないなあ」と思い至った。
 奈良公園から奈良町にかけては数十年にわたって散策してきたが、なにしろ国宝・重文がごろごろという地であるだけに、「また今度覗けばいいか」と後回しにしたままであった場所がまだまだ残っていることにふと気がついた。
大乗院庭園
 そんな訳で、丁度昼から奈良に出掛ける用があったので、大乗院庭園をぶらぶらすることにした。
 すぐ近くで正倉院展もあり、見事な秋空の下行楽客で賑わっていた奈良公園一帯であったが、予想どおりというか、この庭園にはほとんど人がおらず、気儘な散歩が楽しめた。

庭園のカワラヒワ

 出てから何げなく看板を見て、すぐ近所の福智院も同様に「この次の散歩に残しておこう」としたままであったことを思い出し発作的に拝観した。
 すると、周辺のウルトラ級の観光寺院と違い、お茶と飴玉を頂いてこれもゆったりと奥様の説明付きで落ち着いたお参りがかなって、短時間ではあったが、贅沢な時間を味わった。
 非常にさわやかなお寺だった。

福智院の地蔵さん

 それにしても、大乗院は言うまでもなく興福寺の門跡寺院。
 そして、今回知ったのだが福智院は元は大乗院の地蔵堂であったらしい。
 それぞれ辛うじて残ったからいいものの、明治の廃仏毀釈には背筋の寒くなるのを覚えた。

荒池
 大混雑の正倉院展のすぐ隣にあるこの静寂と控えめな歴史。
 奈良公園は贅沢極まりない。

2 件のコメント:

  1.  そうなんです、新薬師寺からの帰り道、いつでも見れるわ、と思いつつ素通りしていました。今度、見に行きます。無料やしね。

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  2.  ひげ親父さん 建物の中から無料で庭園が十分見渡せますが、庭園を散歩するのは100円必要です。そして予想外だったのは、その領収書のスタンプが「奈良ホテル」となっていたことでした。

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