2011年11月28日月曜日

庭先の天使

 晩秋の家の周りには蟷螂(カマキリ)がじっと止まっていたりして、それはそれで楽しい世界がある。

 そんな時に、金柑(キンカン)の木の近くで見つけたのは右の写真の揚羽蝶の蛹。
 カラスアゲハかクロアゲハかオナガアゲハかは知識不足で解らない。
 明らかなことは「緑の蛹と茶色の蛹は背景の環境による」という保護色論は当たっていないということ。この蛹は汚れた茶色の簾に付いていた。
 それにしても、このケッタイで、とぼけたスタイルは造物主が「屋外の女王」になる前に与えた試練だろうか。・・・・みにくいアヒルの子?
 
 此の頃の子供たちはバーチャルリアリティーの世界の怪獣や虫に夢中らしいが、こんなに可愛いリアルそのものの昆虫を知らないなら可哀相である。

 それはさておき、原発問題を見るにつけ、科学技術の進歩に人間の倫理観等の成長が追いついていないこと、むしろ後退局面を感じさせることが現代社会の問題ではなかろうか。
 昨夜の大阪のニュースを見てもそう思う。
 ちょっとでも自分より得をしているように見える者にムカつく現象。
 公務員、教員、この後考えられるのは年金受給者、生活保護受給者、私学に行っている家庭・・・、仮想敵国は次々に登場するが、決して真犯人には到着しないという現象。
 そして社会のひずみの原因が挙げて彼ら公務員や教員等にあるという憎悪のアジテーションの合唱に加わることに野球の応援団のような擬似連帯を感じる。そういう社会が生れているように思う。

 とまれ、本題に戻ると、他者を思いやる情緒のようなものは、バーチャルリアリティーの虫を好んでも育つことはない。孫たちをリアルな虫に触れさせることが地球を救う道であろう。
 そう考えると、この揚羽の蛹が天使に見えてきませんか。

2 件のコメント:

  1. 中島岳志さんのツィートに「リア充」とい言葉が出てきます。リアル―現実生活に充足している人を妬ましく思う人々、バーチャル族から見ての見方、と云う意味らしいです。いずれにしても、格差社会を作りだし、99%の下層階級をある処に持っていこうとする企み、バーチャルでない処が恐ろしい!
     それはそうと、私は、世界中で「かまきり」が一番恐ろしいのです。この写真の、振り向いた時の顔の恐ろしさ、バーチャルだろうと、リアルだろうと一切受け付けません!よろしく!

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  2. 度々紹介した「虫捕る子だけが生き残る」という本も第1章の第2が「虫好きにだって嫌いな生き物はいる」で、その理由は論理的に説明できないと言ってウルトラ虫好きの面々がそれぞれクモ、ザリガニ、カエルなどを「ぞっとする」と書いているのは愉快です。
     私はムカデが得意ではありません。武田のムカデ衆のムカデの旗指物や伊達の兜の前立て等は論理的には理解できても感覚的には好きになれません。

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