5月3日がやってきた。昨年2024年5月2日木曜日にこのブログで『5月3日というと』として書いた記事を再録する。新しい記事を書くのを手抜きするものではなく、ますます重要な内容だと思うので再録する。「去年読んだよ」といわずに再確認してほしい。
1946年11月3日に公布された日本国憲法が施行されたのが1947年5月3日。この5月3日は日本国憲法の喜寿(※今年は78)のお祝いの日だが主人公は近年満身創痍の感がある。
それらについては多くの人々が語るだろうから、今年私は少し角度を変えて「赤報隊事件」について書く。
書くと言っても微妙な問題でもあるので、小林よしのり、有田芳生 共著『統一協会問題の闇』(扶桑社新書)第3章 教団の武装化路線と権力中枢への侵略・・で有田氏が語られている(と記述されている)ことの紹介(つまり引用)である。よって、後は各自で考えていただきたい。
🔳 今から37年前(※今年は38)の1987年5月3日憲法記念日の夜、朝日新聞阪神支局が襲われ、小尻記者が散弾銃で殺害され、犬飼記者が重傷を負った。
5月6日、共同通信と時事通信に「赤報隊一同」と名乗る犯行声明が届き、1月に朝日新聞東京本社を銃撃したことを明らかにするとともに、「すべての朝日社員に死刑を言いわたす」「反日分子には極刑あるのみである」とその声明は宣告した。
9月24日には朝日新聞名古屋本社の単身者寮が散弾銃で銃撃され、そのときの犯行声明では「反日朝日は50年前にかえれ」と記されていた。
その後も、朝日新聞静岡支局に爆発物を仕掛けるなど、赤報隊事件は1990年まで続いたが、犯人は検挙されず2003年までに一連のすべての事件の公訴時効が成立した。
犯行声明に着目した警察は、犯人を右翼、あるいは新右翼と見て捜査していたが、実は同時に別の「線」も見ていた。それが統一協会と国際勝共連合だった。
1987年当時、朝日新聞や朝日ジャーナルは霊感商法を追及するキャンペーンを張り、教団側は朝日新聞を批判する大量のビラを駅前で撒いたり、すでに戦争状態に突入していた。
阪神支局が襲撃された3日後の5月6日午前、朝日新聞東京本社に散弾銃の使用済みの薬莢2個と脅迫状が同封された封筒が届き、脅迫状には「とういつきょうかいの わるくちをいうやつは みなごろしだ」と書かれていた。
同封されていた薬莢は阪神支局銃撃で使われたものと同じレミントン社製で、口径も散弾の大きさも同じものだった。実際の犯行に使用された銃弾は米国製で、脅迫状に同封されていたのは日本国内でライセンス生産されたものだった。
重要なことは、銃撃に使用されたものがレミントン社製と報道されるより前にこの脅迫状は投函されていた。また消印は統一協会本部のある場所である渋谷局だった。
有田氏が持っている警視庁公安部の赤報隊事件の捜査資料には、統一教会の信者52人の名簿があり、本籍、現住所、勤務先などが記載され、何人かには、「勝共」「非合法」「軍事組織」と書いてあった。
さらには、「元自衛隊員」「統一協会軍事組織」とか、「統一協会軍事組織所属」「山の中で射撃訓練」とまで書いてあった。
有田氏は、彼らは輸入された空気散弾銃を所持しているか、禁輸後も輸入され続けた単発の空気銃を所持しているのではないかと睨んでいる。🔳
別のページの空気銃については以下の記述がある。
🔳 実は、統一協会(韓国?)はオウム真理教と同じように「武器」を製造していた。 「統一グループ」のなかに「鋭和散弾銃」という製造部門を持ち、後に「統一重工業」に社名を変えた。さらに1968年にはこの会社の製造した「鋭和BBB(ビースリー)」という空気散弾銃を、日本の勝共連合と密接な関係にある「幸世物産」が2500丁輸入していた。🔳
この件での後藤田正晴警察庁長官の国会答弁(国会議事録)
🔳 幸世物産と勝共連合というのは極めて密接な関係がございます。・・2500丁の空気散弾銃が輸入をせられた。・・・問題は、こういう銃砲刀剣類所持等取締法の対象になる銃砲というものは、狩猟の用具にするとか、・・競技の用とか、それぞれ目的が決まっているわけですね。その目的に照らしてこの空気銃が果たして適正なものかという点に私どもは疑問を抱いたわけでございます。・・・したがって、第2回目以降は輸入を禁止するということで処置をしたわけでございます。
ところが今度は、輸入業者のほうは、猟具で駄目なら、それじゃ競技用でどうだ、こういうことを私のほうに言ってきた。・・しかし空気散弾銃の競技というものはどこにもないじゃないかということで、・・この空気散弾銃を認める意思はございません。🔳
有田氏 🔳 ところが今度は、統一協会の銃器メーカー「鋭和散弾銃」は、単発の空気銃を製造し、名前を「鋭和BBB」から「鋭和3B」に変えて、1970年から1975年にかけて1万5700丁輸入された。幸世物産は統一産業に名前を変えていた。
これは、一般的な空気銃の3倍以上の威力(殺傷能力)があり、・・全国に直営店をつくり、信者向けに販売されていた。🔳
昨年の5月2日の記事の再録はこれで終り、前述の有田芳生氏の著書のあとがきから若干補筆しておく。
🔳 安倍晋三元総理銃撃事件をきっかけに、テレビへの出演が増えた。2022年7月18日に「羽鳥慎一モーニングショー」に出たとき、この「体験」の話をした(※10年後に有田氏が複数の警視庁幹部(元職と現職)に「なぜ摘発できなかったんですか?」と聞いたところ、即座に「政治の力ですよ」と言われたということ)。
司会者もコメンテーターも「凍りついた」とあちこちで報じられた。実は、翌日もこの番組に出演を依頼されていたが、「明日の報道はなくなりました」と伝えられ、テレビ朝日への出演はこれが最後になった。しばらくして別の局の番組に呼ばれたとき、「政治の力」は言わないでくださいねと念を押された。🔳
上記のとおり、統一協会問題は過去の問題でもなく裁判所にお任せしておくべき問題でもない。
自民党や「ゆ」党の政治家の中には今も陰で統一協会を守ろうとしている者が少なくない。
当の朝日新聞をはじめとするマスメディアも以上のような有り様だ。
5月3日にはどうかこの問題を語り合っていただきたい。