2015年1月24日土曜日

東京メディアは嗤う

  秘密のケンミンショーというテレビ番組がある。22日も気楽に馬鹿笑いしながら見ていたが、なにしろ誇張がひどい。
 特に大阪は誇張し甲斐があるようで度々ドギツク編集されて登場する。
 基本的には読売テレビ制作ではあるが東京メディアの目線で、全国の視聴率を意識した意図的なバラエティー番組として針小棒大に制作されている。
 そして、この大阪の「県民性」なるものは、ケンミンショーに限らず他のテレビ番組でも同様のパターンで繰り返しこれでもかと放送されている。

 心理学の世界では、例えば「血液診断」遊びで「A型の人は真面目です」と繰り返されると、A型の人は自分は真面目だと信じ、それに沿った行動をとることが定説になっている。バーナム効果と呼ばれている。
 私は、この種の断定的に県民性を語るテレビ番組の氾濫がバーナム効果を発揮し、少なくない大阪人をして「俺らは大阪人やからこうせなあかん」的に洗脳?されていることが多いと思っている。
 特に大阪人には、「ノリのよい大阪人」なるものがステレオタイプで誇張されているから、こういうタイプにノリ遅れることは「大阪人」としてはセンスが悪いことだ、「大阪人」としての能力が劣っていると思われはしないかとの強迫観念でそれが迫られている。

  実は「こうせなあかん」大阪の県民性と言っても実は至って薄っぺらなもので、東京メディアが心の中では嘲笑しながら「それは反東京ですね」「反権威ですね」とおだてる?言葉に心地よさを感じて、結果的には社会や政治の問題についても不真面目な選択をすることを「大阪人」の長所だと誤解している。そして、そういう「大阪人」に帰属していることで安心する。
  この「反権威的」という言葉が社会や政治の問題にまで色濃く反映して(マインドコントロールされて)いる点が、この県民性なる問題での他県と大阪の大きな違いになっている。
 関西ローカルのテレビに露出していることだけが特徴の「維新の党」が庶民的で改革者のように見えて一定の得票を得ている理由もここにある。
 兵庫県のかの県議も「西宮維新の会」と名乗ったことだけで当選したと言われている。
 (流れとしては急速に化けの皮がはがれて凋落しつつある。)
 それだけに皮肉なことだが、橋下氏が安倍政権に尻尾を振って「大阪都構想」なるものの住民投票を東京の裏取引で認めてもらったことは、誇張されてきた大阪「県民性」に最も背反する軽蔑すべき行動に見えることだろう。
 「策士策に溺れる」とはこういうことだ。
 東京に尻尾を振って助けてもらった橋下氏は墓穴を掘ったのではないか。
 うどん屋の釜で、湯ばっかりや。

3 件のコメント:

  1. 同感です。大阪人は、相手がピストルを撃つ真似をすると「う~っ」と言って倒れる、というような事をテレビで云いますが私の周りでそんな人は見たことも聞いたこともありません。と同時に、そうでない事に不安を覚える大阪人がいる、という事も信じがたいことです。

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  2.  ひげ親父さんは無茶苦茶な誇張に同感だとおっしゃったのでしょうが、私は大阪人のバーナム効果を無視できないと思っています。言い換えればテレビというメディアの影響力を過小評価してはならないと考えています。現実をリアルに分析したうえで対抗策を立てないと勝てないというのは孫子の兵法の核心でしょう。

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  3.  ひげ親父さんは「そんな奴おらんやろう」と書かれましたが、私は「う~ん!」と倒れる人を何人も知っています。酒席で人気者の後輩たちの中にもいます。少し違ったところでは、東京に行った折、電車の中で知って泉州弁で大声で話す人や、「東京のうどんは不味くて食べられへん」というようなことを周囲に大声で聞かせる人もいます。これらも、ある種のバーナム効果の一種だと思います。
     そして私は、そういう意識に支えられて存在する維新の「支持」に対して、上手く切り返すことも大切だと思っています。

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