2015年1月7日水曜日

十日戎が好き

  毎年恒例の風物詩のようなことになるが『十日戎』が近づいてきた。
  戎っさん(蛭子神)は耳が遠いので、正面から拝んだだけでは願いは聞き入れてもらえない。
 どこの誰がどういうお詣りにきてお賽銭を投げたかが戎っさんには判らない。
 だから正面でお詣りした後、鎮座まします座所に近い裏に廻って、裏口をドンドンと叩いて「どこそこの誰でっせ○○をよろしくお願いしまっせ」と大声をあげてお詣りしなければ値打ちがないとは大阪人の常識。
 大阪の今宮戎には裏に2枚の大きな銅鑼のようなものがあるので、そこをドンドンと叩く。
 私の知る限り奈良の奈良町の戎っさんにも京都祇園の戎っさんにもそのために叩く場所が用意されていた。
 ところが戎神社の総本山みたいな西宮の西宮戎にはその裏口がないので驚いた。だから何か戎っさんにお詣りした気がしなかった。
 それから、今宮以外の多くの戎っさんでは福笹がビニール製であったり、最初から吉兆付きで有料であったりした。
 で、やっぱり、ちょっと混雑が過ぎるが今宮の戎っさんが一番十日戎らしいと思っている。
 今宮では、先ず福笹をただでもらう。それをもって吉兆をつけてもらいに行く。これでこそ「商売繁盛で笹持って来い」になる。
 現職の頃は「私等の商売が繁盛するということは世の中全体で見れば不幸なことやから戎っさんにはお詣りしない」という人も少なくなかったが、我が家では『大阪のしきたりのひとつ』としてほとんど欠かしたことがなかった。
 余談だが姪が福娘になったこともある。
 と言いながら、私は近年、今宮戎のあまりの混雑を避けて京都祇園の戎っさんにお詣りしている。そして八坂の戎っさんとハシゴをしたのち木屋町あたりで一杯飲んで「ああ今年もええ正月やった」と夫婦で思うことにしている。
 
  今日のところは、「商売繁盛の秘訣は神頼みよりも賃上げで消費者の懐を暖めることだ」と目をむいて正論を吐かずに笑っていただきたい。

 おまけで、お正月に使用した祝箸の写真を添付しておきます。下から上に向かって入れる関西風の祝箸です。




 追記 : 宵戎に行ってきました。祇園でロシア料理を食べて帰ってきました。

0 件のコメント:

コメントを投稿