楽しい秋宵(しゅうしょう)だった。
OB会の20周年事業の中の一つの交歓会。
早い話が居酒屋の2階を借り切っての宴会だが、ただ、「ただの飲み会」には終わらせたくない、ゆっくり歓談もしてもらいながらも少し楽しい企画はできないものかと、無い頭を絞って臨んでみた。
一つめは写真のとおりの「鏡開き」。
拍子木に合わせて「よいしょっ よいしょっ よいしょっ」と菰樽?を開いてもらって、ひっくり返すと「薬玉」風にお祝いのメッセージが出るように準備をしたが、先ずは「おおっ!!」っと驚いていただいた。
これでいっぺんに「祝賀会モード」に突入した。(つもり?)
「20年の歩み」やスピーチの後、二つめは、詩吟「名槍日本号」。
結婚式には謡曲「高砂」があるように、これも目出度い席での祝吟の定番なのだが、近頃では、そんなことも庶民の共通認識からは消えてしまっている。
だから、知らない者にとっては外国の歌曲を聞いているようなものとなるので、漢詩とその意味や、日本号という槍のいわれを配付した。
その上で、こんな吟じ方があるのかないのか知らないが、場を華やかに彩るために3人で歌いつないだ。
その雰囲気にみんなもノッテくれて、真ん中の黒田節のところは自然と大きな合唱になった。
私自身は詩吟を全く習ってもいないものだったのだが、事前に「こんな企画はどうやろう」と妻に相談すると、「Tさん以外は詩吟の上手い下手など判らない人たちばかりだろうから、平気な顔をしてやってみたら」と的確なアドバイスで尻を押された。
三つめは、世話人各位等からは「絶対にスベッテ失敗するで」と冷ややかに無視されていた「風に吹かれて」。
もちろん、ボブ・ディランのノーベル賞という話題での緊急企画。
忌野清志郎などいろんな訳詞を考えたが、ここはボブ・ディランの原詩を採用した。
メロディーは比較的簡単なのだが、「聞いたこともない」という人も多いだろうし、さらに英語で歌うとなると・・・・
そこで、詩の直訳とともに、英語にカタカナで耳に聞こえたとおりのルビを振った。
「終わり良ければ総て良し」とも言われるので、全くついていけない人には、最後の「ジアンサ マイフレン / イズブローインザウィン ジアンサ イズ / ブロインザウィン」だけでも歌って!とお願いした。
1番を2回歌ったのだが、その結果は・・・
大阪の繁華街広しといえども、居酒屋の2階で最低でも60歳以上のシニアが「風に吹かれて」を大合唱して盛り上がっているのは絶対にここだけだろうと確信した。ほんとうに見事な大合唱になって準備したこちらがその”出来過ぎ”に驚いた。
カラオケ以降、いろんな宴会でも合唱することが少なくなったが、これがハマったときの楽しさはカラオケの比ではない。若い人々に「元祖宴会」の素晴らしさを伝承したいものだが如何だろう。
最後は、青春の香り漂う恒例の我が「会の歌」(原名「学園広場」)・・・これはほんとうに自然に肩組み合って、フィナーレに相応しい合唱となった。
そして、拍子木の音も甲高く、「大阪締め」で祝賀会は無事終了した。
楽しい秋宵(しゅうしょう)だった。
「ダンドリ八分」とまではいかなかったが、ダンドリに費やした精神的な「人日」はそれなりに感じてもらえるに違いないと信じてよかった。
酒席から風に吹かれて秋の宵
本文には載せきれなかったが、写真撮影のUさん、楽器伴奏のHさん、詩吟のTさんKさん、裏方全般の世話人各位等々多くの方々の協力で成功したのは言うまでもない。その後「よかったね」というメッセージがスマホに何本も入ってきた。
返信削除「この歌知らんかった」というIさんに大長老のYさんが、「金妻Ⅰの主題歌がPPMの歌う〈風に吹かれて〉で、よく流れていたもんや」と教えてくれた。
返信削除私は、謹厳実直の大長老のYさんが「金妻を観てたんや」と腰を抜かさんばかりに驚いた。
昭和58年、私の記憶にはなかった。
Yさんの好きな歌手は「雨音はショパンの調べ」の小林麻美です。そういえば奥さんの若い頃にどこか似ているような。
返信削除ひげ親父さん、Yさんのことは意外や意外、そうでしたか。
返信削除近頃学者先生から「これまでの民主主義的な運動は基本的に動員主義だった」「シールズ等の若い運動に未来がある」的な発言が寄せられているが、私はあまりモノゴトを単純に性格付けしない方が良いと思っている。
返信削除なのでFBにこのブログを紹介して、「1960年代、70年代に青春を過ごしたシニアは〈風に吹かれて〉を歌えるのだぞ。どうだ若者!」と書いてみた。
長谷やん氏は詩吟もできるんやと(*_*; 鏡開きすごいアイデア賞モンです。法被姿のご両人も息の合った役者でした。現役時代と違う能力・多才ですね!準備も大変でしたでしょうが参加者は大満足去ったのでは。お疲れ様
返信削除アイデアも技術も枯渇してヘロヘロですが、何歳になっても挑戦する精神を忘れたらあかんと自分に鞭打っています。
返信削除yukuriさんも次の機会に何かチャレンジをお願いします。
詩吟ですが、Oさんと準備していたのですが、急遽病欠でKさんにお願いしたところ、気持ちよく代役をOKしてくれました。一丁片肌を脱いでやるわ!というか、義を見てせざるは勇無きなり!というか、意気に感ず!というか、嬉しいことです。
歳をとっても「しないための言い訳」をしないことが大切だと再確認したところです。