2015年4月7日火曜日

開発でよくなるという幻想

  地方自治体の選挙になると無駄な大型開発政策を訴え、その波及効果で街がよくなるというような幻想を振りまく政党があるが、カジノを造って経済再生という維新の党はその典型だろう。
 梅田から関空まで5分間時間短縮するために2500億円かけて地下鉄なにわ筋線を造る、カジノのために地下鉄、JR、京阪の各線を延長する等は日本国中で失敗してきた大型開発と莫大な赤字自治体問題の二番煎じでしかない。
 クリスタ長堀(長堀地下街)、OCATや湊町リバープレース、堀江、三越伊勢丹、あべのハルカス、等々等々・・・、大阪の庶民の購買力以上の開発は屍類類の街を造ってきた。
 経済力とバランスのとれた開発こそが地域経済再生の道であることは自明のことだ。
 購買力以上の開発は街の殺し合いでしかないという赤子でも解る理屈が、メディアはあえて無視をして大手を振って反対的に論じている。
 共産党の言うように、中小企業支援、雇用条件の改善こそが地方再生の道だと私は思う。
 世界に誇れる大阪のモノづくりの中小企業を応援し、そこに正規雇用で働く労働者が商店街で買い物をしたり一杯飲んだりする。そういうのが街ではないですか。
 経済破たんしたロシアからやってきたロシア人が日本の勤労者の住環境や生活ぶりを見て「信じられない」と驚いた話は米原万理氏の著書によく登場する。GDPと幸福度は別のものなのだ。
 大企業の繁栄失くして庶民の生活向上はあり得ない・・というドグマからの発想の転換が大切だ。
 カジノでいえば106億8000万円すった大王製紙前会長が「ジリジリと焼け焦がれるような感覚がたまらない。このヒリヒリ感がギャンブルの恐ろしさなのだ」と言っているが、カジノが賭博依存症患者を産み、患者を増やし続けることで成り立つ産業であることを証明する発言だ。
 安倍内閣と橋下市政で大阪はヒリヒリ感でおかしくなっている。
 上方文化を生んだこの地が、森喜朗元総理の言い放ったとおり「たん壺」になるのは許しがたいと私は思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿