大神神社で新酵母の清酒奉告祭 |
「名前だけのお酒を贈りたくないので・・・」とのこと。
「嗜好の極みであるお酒に絶対的なランク付けなどない」が持論の私にはこれは辛い。
それに私には自覚はないが、他人は私のことを「変なもの好き」と陰口をたたいている。
「ええ~っと、この香りは、麹香というか吟醸香というか果実香というか・・・」というような薀蓄を知らないわけではないが、そういうしたり顔が嫌いな私がなんとお答えすればよいものか・・・・。
さて、原始的な酒から現在の清酒の祖先になる諸白(もろはく)という醸造法が誕生した地は奈良である。
それ故、三輪の枕詞は「うま酒」で、大神(おおみわ)神社の摂社「活日(いくひ)神社は杜氏の神様で、全国の酒屋の軒先を飾るのは「三輪明神・しるしの杉玉」となっている。
いただいたお酒は、その大神神社の「神花(しんか)」とされている境内の笹百合(ささゆり)から採取された新しい酵母菌で造られたお酒で、新聞でも大きく取り上げられたものである。
新種の酵母菌の名前は「山乃かみ酵母※」で、お酒は、天理市の稲田酒造の「純米・黒松・稲天(いなてん)」という。
で、妻と二人で味わった。
「淡麗と言ってしまえないほど味があるな」「辛口らしいがアルコールらしさはないな」「今日の料理に合うけどもっと濃い料理ならどうやろう」・・・・で、だんだん味が判らないほどいただいた。
これ見よがしに「どうだ!これが地酒だ」と言っていないところがいい。
お酒を忘れて料理が美味しくすすむのがいい。
それでいて「物足りない」感がない。
私の返事は「このお酒、私は好きです」と、これだけで許してもらおう。
私なら、自信をもって贈答品にする。
高いレベルでバランスがよい。マイナス点が見当たらない。私にしては誉めすぎか。
※ 新聞記事によると「山乃かみ」とは、三輪山麓から酒造りの道具のレプリカ(これ自身が祭器)が出土した「山の神祭祀遺跡」にちなんで名付けられた由。
この御返事ブログに対して御礼の電話があった。
返信削除「それなら大きな顔をしてこのお酒を勧める」とのこと。
責任重大で恥ずかしいけれど、ありがとうございます。