2015年2月1日日曜日

高浜原発から100kmもない

この円は約86km
  「今頃何を言うておるのか」とお叱りを受けると思うが、私の地理の感覚は落第点だったと今頃気が付いた。
 私だけかも知れないが、「関西電力は京阪神の都会のお客のために、田舎の福井県民の横っ面を札束で叩いて原発を押し付けた」と漠然と思っていた。
 しかし高浜原発で見ると、「地元」の福井県知事は約86km(地図上の円)離れた県庁で「同意文書」にハンコを押していたのだが、それに対して、京都府知事も滋賀県知事ももっと近いところにいて「地元ではない」と言われているのだった。
この外の円は100km
  さらに大阪府知事も福井県知事とほぼ同じ距離にいて、兵庫県知事も奈良県知事もあまり変わらず約94kmのところにいる。
 つまり福井の原発は近畿こそ危険だということだ。(西高東低の冬季だとしたら・・・、福井知事は高みの見物とまでは言わないが・・・)
 にもかかわらず、少なくない京阪神の人々は福井県知事より原発の近くにいながら、より危険な風下にいながら、「福井は可哀相やなあ」と漠然と思っていなかっただろうか。
 そんなことに今頃気が付いた頓馬な関西人が私だけならいいが。

 フクシマの地図は2011年12月現在、高さ1mでの放射線量で、濃い色から8~、4~、2~、1~、0.5~、0.25~、0.125~(マイクロシーベルト/時)。
 これを高浜と京阪神に当てはめると軒並み『1μSv/h以上』に当てはまる。大阪市なら白河と同じような距離だろうか。

 滋賀県の作成した大飯原発のシミュレーション(拡散予測)では、富田林・河内長野まで安定ヨウ素剤の服用が必要な濃度になる。
 
 福井の地方選挙で原発が議論されていることに違和感がないように、京阪神の地方選挙で原発が争点になっていなくても違和感がない。・・これって何かおかしくないですか。
 否、語られなければならないと思う。
 福井の原発銀座は、北陸の遠い地のことではない。・・・・(地理の読めない男の猛省)
 

5 件のコメント:

  1.  福井市と大阪市がほぼ同じ距離ってご存知でした?
     福井市周辺より南河内の方が危険ってご存知でした?
     

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  2. 福島の原発事故を身近な場所(南河内)として、地理的に置き換える、という発想はした事がなかったです。概念的にはさまざまにその危険性を訴えてはきましたが。いや、改めてその危険性を再認識しました。

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  3.  変な話ですが「ほんとうに原発が安全なら大阪湾湾岸に建てたらいいのであって危険だからこそ「遠い」福井に建てたんだろう」というような批判をしてきましたが、その大前提は「大阪府よりも遠い遠い福井」という観念がありました。
     今から考えると関電の大作戦は大成功だったのでしょう。京阪神に対しては「遠い福井」だと思いこませ、福井の越前(嶺北)に対しては「遠い敦賀(嶺南)のこと」と言ってきたに違いありません。
     沖縄に基地を押し付けた論理とよく似ています。
     「敦賀の原発は近畿の課題だ」という声を広げたいと思います。

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  4.  テレビニュースが「関電が稼働40年の原発の延長を検討」と報じています。
     私は彼らの後ろに「我が亡きあとに洪水よ来たれ」と吹き出しを付けたいと思います。

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  5.  原子力規制委員会は12日、高浜3,4号機再稼働の前提である『新規制基準「適合」』を決定しました。
     近畿では、「近畿の高浜」を訴えたいと思います。

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