2012年12月10日月曜日

炭の薫りと母の思い出

  脱原発のために意固地になって節電をしているのではないが、先日から火鉢を楽しんでいる。
  もう何年間も本格的な使用はなく、私の無駄遣いの典型として妻からののしられ続けてきた火鉢であるが、原発と全く無関係でかつエコであるところが気分が好い。
  地球温暖化=CO2の上でも、元々樹木が吸収したCO2が出ただけと言われている。
  我が家がよくバーベキューをするものだから、「屑炭でよかったら」と近所のお茶の先生からいただいた炭なもので、マングローブ炭なんかと全く違って好い薫りもする。
  外泊の義母も、「炭はええなあ」と喜んでくれた。
  私達の親の世代の常識を私達の世代が知らないことも多い(知っている方も少なくない)が・・・
  炭焼きもそうで、母は「炭なんか買うたことがない」という。そして・・・、
      田圃のネキに穴を掘りますねん。
      山からクヌギの木を切ってきてロの字型に組みますねん。
      それをすりぬか(籾殻)で覆って煙突を立てて土を被せますねん。
      火を点けて、後は煙の色を見て消しますねん。
      燃えすぎたり、まだやったり、炭焼きは難しかった。・・・・と述懐した。
  戦前の生駒谷の農村風景だ。
  炭はお客さんのときにだけ使う特別「高級な」ものだった。

  今、薪等を採らないために里山が荒れているのだと聞く。
  そのために猿や猪が里の田畑を荒らすのだとも。
  軟弱な私は、戦前の生活へ戻ろうなどと言う主張をする気はないが、私達はもう少しこの半世紀ほどの間に忘れてきた「忘れ物」を思い出してもいいのではないだろうか。
  それは生活習慣だけでなく・・・、
  ・・・インフレ策だ、規制緩和だ、果ては改憲だ、核武装だ的な発言がまかり通っている。
  戦後民主主義と一歩一歩積み上げられてきた福祉の思想がほんとうに「忘れ物」になろうとしている。
  偏狭なナショナリズムや右翼的思想は、未来が確信できない青年層のやけっぱち思想に支えられているようだ。
  つまるところ、今こそ労働政策の出番だと私は思っている。
  青年に職があり、真面目に働けば明日は少しずつよくなる社会であるべきだ。
  維新の最低賃金制の見直し公約などは言語道断である。

4 件のコメント:

  1. 長谷やんさんのいつもながらのほのぼのとした更新記事に癒されながら読んでいます。失われつつある日本の原風景に私も郷愁を感じています。
     そんな中、当方、年末年始は日ごろお世話になっているお寺から頼まれて、報恩講という御門徒の家々をめぐって親鸞聖人の遺徳を偲ぶ行事に追われています。田舎の村々に今も続くこれも日本の原風景のひとつです。形式だけでなく、聖人の教えもしっかりと引き継がれるように頑張りたいと思っています。

    返信削除
  2.  先日従姉との電話での話で、ミカン畑に猪が入りミカンを食べられその被害が相当あり被害を減らすためにミカン畑の周囲を電線で囲み電流を流し侵入を防ぐようにしていると、その装置に何十万かの金がかかると嘆いていました、消毒,摘果等の作業を殆ど一人でこなしている彼女の苦労はいかばかりかと思いやられます。
     昨今就職氷河期と言われていますが先日,これまで大企業中心に就活していた学生達が中小企業にも関心を持つようになったとテレビで報じていました。これはこれで結構なことだと思いますが就職してしまえば終わりと言うことでは決してなく,就職してから安心して働き,結婚し子供を育て将来を子供達に託せるようならなければとと思います。
     ところで先日は読売が本日は朝日が
    各党の議席獲得数を予想していますが、これは正常な投票活動の妨げになるとは彼等は考えないのでしょうかどうおもわれますか?

    返信削除
  3.  和道おっさん ありがとうございます。
     文字どおりの師走という風景が浮んできます。
     言葉だけなのですが、報恩講という言葉にも懐かしい響きがあります。
     茅渟の海さん ありがとうございます。
     これは「淡口問答」のスノウさんのコメントで学んだことですが、新聞社が購読料以外の莫大な広告料で成立っている大企業(商売)であることを忘れてはならないように思います。
     何れも大企業のパシリのような政党だけをピックアップして当落を予想し、それ以外の政党への投票が無駄=死票であると誘導して、結局自らもその一員である大企業本位の政治を願っているのですね。
     厚労省課長補佐のビラの配布行為が有罪とされ、こんな露骨な公選法の精神蹂躙がまかり通っていることはもっと批判されてしかるべきでしょう。

    返信削除
  4. 全国紙の調査でも今回は「期日前投票」が軒並み、ダウンしているとの事、私の同級生が言う通り「本当に何処に誰に投票すればよいか分かりません 」は本当のようです。大新聞に騙されへんで、自分の目を信じましょう。

    返信削除