2012年6月5日火曜日

季節をいただく

  湯木貞一氏の「吉兆味ばなし」を読ませていただくと、その冒頭に「春は春らしく」と出てくるように「季節感こそ最高の味付け」「季節感のない料理ほどつまらぬものはない」ように思われる。

   そんな境地には遠く遠く及ばないが、私もできるだけ「そうありたい」と気持ちの底のほうでは思っている。
  そこで、“この季節”を感じさせる「ノビル」と「豆ご飯」の体験についてご報告する。

  私の場合は、「ノビル」はほんの一瞬お湯をくぐらせた程度に塩茹でしただけで、酢味噌を一寸だけ付けて齧っている。
  茹がきすぎると香りも辛味も飛んでしまう。
  それが嫌な人は山菜など食べない方がよい。
  「山菜はアクをしっかり抜いて食べましょう」と書いてある本があるが「あほかいな」と思っている。
  ノビルは文句なく冷酒に合う。春から初夏の味である。口の中にぱあ~っと季節が膨らむ。満足感は文字にし難い。
  この素晴らしい味が、近所の有名スーパーには置かれていない。心の中で「ウフフ」と嘲笑っている。

  次に春を代表する豆ご飯だが、こちらは湯木貞一氏に聞かれたら「邪道である」と一喝されるかも知れないが、「ツタンカーメン豆」の豆ご飯が楽しい。

炊きたて
  真偽のほどは知らないが、ツタンカーメンのミイラとともに掘り出された豆のその子孫とも言われる??? こういう楽しい嘘?は良い。
  そして、ファラオの呪いのせいかどうかは知らないが、炊きたてはただの(えんどう)豆ご飯の体を成しているが、4~8時間保温をしておくと手品のように桜色の赤ご飯に変身する。
  朝のうちから夕飯の仕掛けをして、この不思議な豆ご飯を夕餉に目で味わう。・・・時代に応じた遊び心だと湯木翁も許してくださらないか。
  「ノビル」と「ツタンカーメン豆ご飯」、・・・我が夫婦は結構気に入っている。
  どちらもこの季節だけのもの、遊び心の好きな昔青年にもお勧めしたい。 
4時間後
8時間後
  閑話休題  友人は私のブログの『数』を見て「まめやな~」と冷やかす。多分に「内容はもひとつやけど」「ひまやなあ」という気持ちが含まれていることは承知。
  しかし、妻が近所で「ノビル」を採ってきて、「さあ、これでブログを一話書いてみたら」とノルマを課せられ尻を叩かれている?ことなどは誰も知らない。ああ。

7 件のコメント:

  1. 先日、隠居所の「たまねぎ」が「猿?」によってが全滅させられてしまいましたが、その時相談した地元の人から「たまねぎ」を戴きました。加えてブログに書かれている「ツタンカーメン豆」も戴きました。帰って早速豆御飯を炊いてみましたが「赤く」ならず「おかしいな?」と家で言い合っていました。豆のさやは赤っぽく、剥く時爪は赤くなりましたが、そうですか・・・8時間もそれも「保温」しておくのでしたか・・・口が卑しい者ですから直ぐ食べてしまい残りは「冷凍」にしてしまいました。それと、戴いた「奥さん」からは確か「クレオパトラ豆」と聞いたのですが・・。
    卵とじにもしましたが勿論赤くなりませんでした。でもどちらも美味しかったです。

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  2. !ネットで検索してみると確かに「クレオパトラ豆」ともあるので驚きました。古代エジプトで栽培されていたのならクレオパトラも食べていたかもしれませんが、「言ったもん勝ち」でしょうか。
     どこまでが真実かはわかりませんが、ガーデニングの店が「ツタンカーメンの墓から英の考古学者ハワードカーターが発見した神秘のエンドウ豆」と銘打って『ツタンカーメンの豆』として種を通信販売しています。
     スノウさん、今秋に種まきは如何でしょう。

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  3. これは 赤えんどう豆です。ふつうのえんどうより
    小さめでした。 手は赤くなりませんでした。保温でより赤くなりました。  みつまめに寒天と一緒に入っている茶色の豆、確か赤えんどうでは。  クレオパトラ豆と言うのですか。それで美しくなったんですね?    豆収穫できたら知らせてください。食べて より美しく なりたいです。

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  4. !堺愛好者さん コメントありがとうございます。
     一番上の写真と炊きたての写真のとおり、この段階では豆粒の色は緑ですね。それが保温+時間の経過で豆とご飯がピンクになるのだから不思議ですね。
     種苗屋さんの通信販売の文句を見ますと「赤えんどうの一種で紫えんどうです」と書いてあります。
     三千数百年後の我々を悩ませる呪いの豆ですね。
     猫の額のような庭でこれを栽培しようとすると夏野菜が植えられなくなる(植え付けが遅れる)ので悩みます。

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  5. 先日、実山椒が安かったので大量に買い、ブログでアク抜きの仕方を見たとおり、しっかりやりました。結果は、牛肉の山椒煮を作りましたが、いくら入れてもあの舌が一寸痺れる、位の味が出ません。過ぎたるは及ばざる、、、。
     「みつかん」私は「豆かん」と呼んでいましたが、寒天と一緒に入っているあの少し硬い独特の触感の豆、赤えんどうですか!「ささげ」と同じものではないのかな~。

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  6. !①我が家では実山椒のアク抜きは一切しません。洗って冷凍しておき、料理のたびにそのまま使用します。もちろんピリッと痺れます。へえ~アクを抜くんですかあ?と言った驚きです。
     ②みつまめの豆の素性を考えたこともありませんでしたが、堺愛好者さんのおっしゃるとおり赤エンドウなのでしょう。毎年収穫しているササゲとは全く異なることは確かです。

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  7. のびるの酢味噌和え懐かしい!さっと茹でると野の香りがして。島ラッキョウよりやさしくて

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