2013年2月4日月曜日

戌亥の隅にどっさりこ

  2月3日、日曜、晴れ、節分。
  お祭りを見ると、祖先たちが何を恐れ、何を願い、どう祈ったのかが何となく理解できるときがある。
  立派な書物よりもよく解るときがある。
  そんな雰囲気が好きで、久しぶりに手向山八幡宮の御田植祭に行ってきた。
  さすが寺社仏閣がひしめく奈良。
 近鉄ニュースが各地の節分の行事をズラーッと並べている内には入っていない。このなんともいえない規模の小ささがたまらない。
  鼓と鉦をボンボン、カンカンと鳴らして世話役のような人々が謡いを謡うのだが、これが、「ええ加減にしなさい!」と言いたいほど下手なのも味がある。(鼓もポンポンではない)
  要するに能楽の形式で農耕儀礼をなぞりながらお祈りが進んでいく。
  クライマックス(と私が勝手に言う)は子供が扮した牛が「も~~~」と啼くところ。(上の写真)

  そして翁は、例えば「西の田に種を蒔こうぞ」と言って種をまく。
  その種である豆が私のところまで飛んできた。
  いわゆる豆まきの豆ではそんな気にもならないが、これはチョッとありがたい気になった。

  時間があったので、鬼(がごぜ)で有名な元興寺に廻ってみた。
  火気厳禁の国宝の境内で、そこまで燃やすか!というほどの柴灯大護摩供と火渡り秘供があった。
  やわな足の裏のため心配だったが、原発撤廃!、原発撤廃!と祈りながら火渡りに挑戦した。参加者が多くて私が渡るときにはほぼ完璧に冷えていた。フクシマもこうあってほしい。

  講堂跡かなんかの土檀の上で東北チャリティーの屋台が出ていたので、丸椅子に座ってカレーを食べていたら、その土檀の前に何かの供養塔のようなものがあったらしく、山伏の一行が法螺貝と錫杖を鳴らしながらやってきて、まるで壇上の私に向かって一斉に般若心経を唱えだしたので跳びあがった。(おいおい私はまだ佛になってないぞ!)これには本当にびっくりした。

  夜はもちろん、イワシを焼いて、恵方を向いて海苔巻をほおばって、イワシの頭をヒイラギに刺して表に掲げた。
  そして、大きな声で豆をまいたのは言うまでもない。我が家の慣わしにより、「鬼は外」「福は内」「戌亥(いぬい)の隅にどっさりこ」と大声をあげた。明日は春である。

5 件のコメント:

  1.  そういえば何年か前に来た時もこの男の子が牛になっていた。
     まだ小学校低学年までだったように思う。
     だから恥ずかしくて「も~~」と大きな声が出なかった。
     で、今年は、大人達に進歩はなかったが、この子の「も~~」は立派だった。善き哉、善き哉。

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  2. このブログでこの季節にはこんな民俗行事があるのかと楽みにしています。これからも期待しています。

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  3.  yukuriさん コメントありがとうございます。
     私は我が家の近辺のことしか書けませんから、民俗行事というほど大層なものではありません。
     ところで、貴家では豆まきはどの様にされたのでしょう。よかったら教えてください。

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  4. 我が家で豆まきをすると私が外に追われるかも

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  5.  コメントありがとうございます。返す言葉がありません。わっはっは
     でもね。来年はみんな自分の家で豆まきをしませんか?
     だってね。身近な習俗を見捨てておいて、伝統芸能を否定する誰かさんを笑うことができなくないですか。
     そこまで言うと大袈裟すぎますか。
     妻はいつも「お父さんの話は結論が大袈裟やねん」とバカにしております。

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