2013年2月15日金曜日

戌亥の隅にどっさりこ 考

  息子と娘が帰ってきた日の夕飯時に節分の話になったが、どちらも豆まき、イワシ、恵方巻の行事はきっちりしたらしい。
  イワシも恵方巻も多分にスーパーの戦略めいてもいるが、二家族とも立春前日・年越しの行事として粛々と行なったと言っている。それでよい。
  その際、例の「鬼は外、福は内、戌亥の隅にどっさりこ」と我が家に言い伝えられてきた掛声について、「その意味は何やろう」と私が言ったところ、妻が「戌亥というのは蔵の方角やから大事なん違う?」「私は今までそう(大事な方角と)考えて納得していた。」と意見を述べた。
  義父や義母の実家や親戚は元々が農家であったため、妻に言わせれば戌亥蔵=つまり「蔵は戌亥(北西)に建てる」というのが文句なしの常識だったという。
  ということで、いろんな本をあたってみたところ、平安末期には主に丑寅の鬼門を強調する陰陽道と、戌亥の神門を強調する陰陽道があったらしい。
  そしてその神門は、鬼門の考え同様悪霊のひそむ地であるとともに、同時に福徳の訪れる方角とも考えられていたとあった。
  屋敷の設計としても北西に蔵をもっていくのはなるほど合理的であり、神門の思想=戌亥蔵の思想は農家や商家の常識として広がっていったのではないだろうか。
  そして蔵のことであるから、悪霊の方角というよりも福徳の方角という認識が凌駕していき、より濃厚に広まったのでは・・・。
  と、なると、鬼門に向かって「鬼は外」、恵方に向かって「福は内」、その最後に「戌亥の隅にどっさりこ」で万歳!、万歳!、万歳!・・・ではなかろうか。
  ちっぽけではあるが、こんな『大阪地方における鬼やらいの掛声について』とでもいうような民俗学に関わる結論を、我が家族数人だけで結論付けて納得してお酒を飲んだ。
  外泊で帰って来ていた、90を超えた義母が「そうやろうなあ」と言うので間違いなさそうだ。
  って・・・・・、ちょっと強引すぎかも。
 「ホンマでっか!?」という程度に読んでいただければ幸いです。

2 件のコメント:

  1. 「戌亥の隅にどっさりこ」は始めて聞きました。
    ただ「鬼は外」だけしか言わないにはお宮さん(神道系)に多いと聞いていますが・・厄払いのみ・・
    仏教系では「福は内」だけで「鬼は外」は言わないお寺が多く吉野の金峯山蔵王堂は「福は内、鬼も内」。鬼子母神ではおまつりしているのは「鬼」なので「鬼は内、福は内」と「鬼」を先に言っていると聞いています。涅槃経の中では幸福の女神「吉祥天」と不幸の女神の「黒闇天」は姉妹で幸福と不幸は裏表という仏教思想が入っていると聞きました。
    「戌亥の隅は・・」は来年の節分までの宿題にしておきます「鬼が笑う」と思いますが・・

    返信削除
  2.  いつもながらの???コメントに話が広がったり深まったりで喜んでおります。
     そうですか。スノウ家では「戌亥の隅・・」は言いませんか。
     どなたか、「父母や祖父母から聞いている。」というお方はおられませんか。おられたらコメントをお願いします。
     もし、チョッと意味のある『呪文』なら、来年はみんなで「戌亥の隅にどっさりこ」って叫びませんか。
     えっ それこそ鬼が笑っている?

    返信削除