2012年10月9日火曜日

秋の使者

  眩しさが勝ってかえって彩りの少なかった夏が終わり、どことなく秋らしさを感じさせる生き物が目につくようになった。

  瑠璃立羽蝶(ルリタテハ)は市街地で見られる蝶の中では一番美しいように私は思う。
  ただ、立羽蝶の名のとおり止まっているときは羽の表を閉じて立てている。
  このときに見える羽、つまり羽の裏は見事に地味な樹木のような保護色で、その差は正に「あっぱれ」と言いたい。

  褄黒豹紋蝶(ツマグロヒョウモン)は虫や鳥には珍しく♂よりも♀のほうが美しい。
  ただその理由が「毒蝶に擬態」と言われているから、チョット驚きつつ何となく納得したりする。
  「綺麗な蝶には毒があるわよ」と美魔女が鼻で笑っている感じがする。
  強烈な個性の彼岸花の横で藤袴(フジバカマ)が咲き始めた。
  山上憶良の秋の七草の歌のおかげで、そして源氏物語のおかげで秋の野草の代表選手というイメージが定着しているし、おまけにレッドリストにまで登場しているものだから、「はかなく」「可憐な」等の常套句を目にするが、現実にはほんとうに「どうと言うことのない」花である。
  それでも、毎年の開花を楽しみに待っているのは、そういう既成概念に乗っかる楽しさとでも言おうか、「今年の花もどうと言う事はなかったなあ」というマゾヒズムだろうか。

2 件のコメント:

  1. 万博公園では、藤袴を根付かせようと何回もトライしていますがダメなようです。桔梗、女郎花、尾花、などは毎年咲くのですが。

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  2. !何故か理由が思い当たらないが根付かないということもよくあることで、我が家では「増えすぎないように」と、日当たりの悪い木の陰で放ったらかし状態以上に邪険に扱っていますが毎年咲いています。
     今朝から「秋の使者」が増えました。金木犀がいっぺんに芳香を振り撒き始めました。
     いま、窓の外でイソヒヨドリが美声を聞かせてくれています。

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