2012年8月21日火曜日

ペットではないのです

  もう30年近く前になるが長男が小さかった頃に「あらいぐまラスカル」のアニメが流行り、その影響であらいぐまが「カワユ~イ」とペットにされ、そしてお決まりのとおり飼育に手を焼いた挙句そっと捨てられ、今、国宝の指定もなんのその、京都や奈良の寺社仏閣がその被害にあっているという。

  国宝や重文ではないが泉南の友人の旧家でも天井裏で狸やイタチが夜な夜な集会を開催していたのを、半年ぐらいのイタチゴッコの末どうにか駆除できたらしい。
  総じて、経済成長神話に基づいて自然環境を破壊してきた現代人が逆襲されているの図とでも言えるかも。

  「先生、子リスたちがイタチを攻撃しています!」という小林朋道氏著の楽しい本があり思い出したが、昔は都市の町家にもいっぱいイタチがいた。
  さすがに鶏を家で飼っている家は都市ではそんなに多くはなかったが、鶏小屋の周囲には必ずイタチ除けにアワビの貝殻が幾つも吊るされていた。(小学校の鶏小屋ももちろん)
  ちなみに義母は(少し意外だったが)「鶏を襲ってきたのはイタチやのうて狐やった」そうである。(昭和初期までの生駒谷の話)
  そんな記憶からすると、いわゆるニュータウンの自然は公園と街路樹以外はある種貧弱で、近頃はイタチをほとんど見かけなくなっていた。

  そんな折、ニュータウンではないが、義母のお世話になっている施設の駐車場の奥で、写真のとおり偶然イタチを発見した。
  近くには草原、溝、水田、畑、ため池があり、遠くないあたりに古い人家のある場所だ。そして、観察していると、どうも施設のゴミ箱(残飯)を覗っているようだった。
  イタチと聞くと拒否反応が起こるかも知れないが、先入観なしで写真を見てみると、これはまったく可愛いペットと変わらない。事実、イタチ科のフェレットなどは臭腺を取ったうえで立派なペットになっている。
  イタチっ屁を掛けられるのも嫌だし、というよりもあまりに警戒心が強くすばしっこいので少し離れた自動車の窓ガラス越しに撮ったものだが、義母はすぐ裏手に出没しているこのペットの写真を「可愛いなあ」「可愛いなあ」と非常に気に入ってくれた。

  24日(金)追記
  一番下の写真をA4に印刷し「私は庭のイタチです」とテロップを入れ、お茶などをこぼしてもいいようにポケットファイルに密封して義母のところに持って行ってもらったら、妻が言うには、義母が私のことを「こんなんを作るのはボケないためにええこっちゃ」と心配してくれてた・・・というものだった。親というものはいいものである。

5 件のコメント:

  1. あのすばやい動きのイタチを良くぞ撮られたものです!貴重な映像をなんと3枚も!大阪市内の我が家の裏庭にも出没していますがアッイタチ!というやいなや走り去っていきます。

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  2. !ほんとうに大阪市内の住宅街の道路をサッと横切るのを見ます。雀などと同じように人家の周辺を好むのでしょう。
     実際には動きが速くてアッアッアッと言ったときには隠れていますから、写真を見て初めて「可愛いなあ」と思います。

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  3. 米朝落語の「こぶ弁慶」の前段で大津の宿の客引き女の描写で「白粉を鼻の頭だけにポンポン叩くさかいに石灰蔵から出てきたイタチみたいな顔をして・・・・」というセリフがありますが納得しました。正直、イタチのこんな見事な写真を見た記憶は有りません。有難うございます。

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  4. !スノウさん、落語にそんな描写があるのですか。いつもながらの博識にハハー。
     そこで、このイタチですが、第一印象は「もしかしてテンかオコジョ#$%??(まさかそんなはずはないし)」といった感じでした。小さい頃見ていたイタチはもっともっと大きかったように思いました。今回のは45センチほどでした。しかし本などでは標準どおりのようです。
     そして、私も写真があまりに可愛いので、ほかのペット類かと悩みました。これも本などで照合しました。
     そういえば、スノウさん同様、イタチの「顔」なんて、考えてみれば初めてしげしげと眺めることが出来ました。イタチを再認識したのは私もまったく同じです。

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  5. 大阪市の「立売堀」の地名を私はタテウリボリと読んでいましたが「イタチボリ」と読むのですね。地名の語源は知りませんが昔から大阪の街のド真ん中にたくさんの「イタチ」がいたのでしょうか

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