低山登山にも弱音を吐いている私には、大仏殿から法華堂までのこのなだらかな坂道?が「登山」の限界みたいに感じられる。
法華堂の堂内には本尊の不空羂索観音像を中心に合計10体(国宝、奈良時代)の仏像がところ狭しと立ち並んでいる。
ここの好いところは畳敷きの大きな縁台のような拝観?スペースがあることで、ここに静かに座ってしばし心を空にできることである。
大仏殿とは別に拝観料がいるためか、何時もおおむね静かで空気が落ち着いている。
ただ先日はいつもと違って幼稚園の遠足があったので、例によって静かに座りながらも、仏たちよりも幼児たちの動きを見ていた。
見ていると、先生が正面の観音さんの合掌している手の間に水晶玉があると説明し、幼児たちは次々に「アッ見えた」「見えた」と言い出した。
実はこのお堂は平成22年(2010)から25年(2013)にかけて大規模な修理事業が行われ、その際照明もLEDに変更されたのだが、私の経験ではそれ以降水晶玉は見えなくなった。
そして今回も、いろいろ角度を変えて眺めたりしたがやはり見えなかった。
野暮は言うまい、幼児たちは見たのである。
幼児たちが出てから堂守の方に、「見えなくなった大人の負けですわ」と言って笑いあった。
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