その地味な木が何の木かと考えた。スマホでパチリで答えの出るアプリは入れていないから、記憶を基にいろんな本をめくってみた。
メジャーな木ではないようでなかなか見つからなく、勘としてはエンジュに近いのではないかと当たりをつけてさらに追跡して、それが『イタチハギ』別名クロバナエンジュであることを知った。
この花を「鼬(イタチ)の尻尾」と見ての命名だ。それが的確かどうかは分からないが、そう言われればだんだんそのように見えてくる。
なかなか判明しなかったのは、丈夫さゆえに道路の側壁などに緑化植物として植えるため輸入されたものだったのだが、その丈夫さが仇となり、今では「侵略的外来種ワースト100」に含まれて、一部の県では「要注意外来生物」として駆除されているというから、人間というのはエエカゲンなものである。
イタチハギには罪はない。冤罪事件で悪者にされ、イタチの尻尾と蔑まれ、果ては駆除されるというのだから、世の中の不条理を噛み締めていることだろう。
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