2012年4月7日土曜日

寂しい滝桜

   樹齢1000年以上の紅枝垂桜の古木、国の天然記念物、福島・三春の『滝桜』を見に行ってきた。
 えっ 何かおかしいですか?
 その子孫樹はオーストリアをはじめ国内外に広がり、我が家から歩いて3分の所にも麗々しい説明板付きで植わっている。だから『三春の滝桜』である。
 しかし、植えっ放しで手入れをしていないものだから、なんとも痛々しい。
 当初は上段の棚を覆ってさらに上空から咲き誇っていたものが、結局、二周りも三周りも小さく貧相になっている。

 もちろんお花見客もおらず、国内外の子孫樹の中で一番可哀相な木ではないだろうか。
 しかし子孫樹よ。親は放射能に耐えて、1000年余の命の中で一番悲しい時代を見つめているよ。
 歳時記に、桜咲きらんまんとしてさびしかる・・細見綾子を見つけた。

 私のちっぽけな経験からすると、関東のお花見は関西とは比べものにならないほど盛り上がっているように思う。頭にネクタイを巻いて踊るような下品さも好もしい。???
 だから現代版お花見の由来は、内裏や公家の花見の宴や秀吉の有名な花見ではなく、直接的なルーツは江戸に桜を植え花見を奨励した吉宗にあると感じている。
 お花見は世界中で、ブラジルにおける日系社会を除いては日本列島だけの庶民文化(白幡洋三郎氏指摘)らしい。結構なことである。
 今日は、義母の施設でもお花見である。楽しい行事は最大のリハビリだと思う。雨の降らないことを祈るのみ。

4 件のコメント:

  1. 当麻のボタン2012年4月7日 8:06

    さみしい桜、さくらは別れの花です。我が家ではマリが産後の静養に一月滞在して、今日帰ります。小さな女の子で結香(ゆうか)といいます。一カ月で800g、と6㎝成長ました。明日からまた静かな生活です。
     センダンの実の話面白かった。僕も子供のころ食べました、別にうまくはありませんが食べられますし毒でもありません。夏には蝉がとまります。多分樹液が甘いのでしょう。

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  2. !当麻のボタンさん コメントありがとうございます。
     お孫さんが増えたのですね。明日からは静かでしょうが、ちょっと寂しいのと違うでしょうか。特に御祖母ちゃんは。
     さて、「センダン(おうち)の実は毒ではない。」との由、文献や学会の定説をばっさり斬って捨てる経験則。愉快で飛びつきたいがちょっと逡巡しています。
     そして、「桜は別れの花」・・できれば、もう少し解説をお願いします。解説=コメントは長くなってもOKです。

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  3. 今朝の「毎日-余録」に記録映画「三春の滝桜」を撮った今泉文子さんの事が載っていました。その中で、「福島第1原発では今も綱渡りのような事故処理が続く。それを尻目に政府は大飯原発の再稼働に向け帳尻合わせに奔走している」という内容が。本当に自民並みに堕落した政権です!
     それと、昨日、ちぬの海さんとお会いした時、「いつ福島に行かれたのか?」と聞いて来られ、ブログ内容から「お家の近所では」という事で一件落着しました。
     そして、ついでで申し訳ありません。當麻のボタンさん、おめでとうございます。

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  4. !茅渟の海さん 徒歩3分で「三春の滝桜」を見てきた報告でした。すみません。
     昨日の朝日夕刊には『新宿御苑お花見。アルコール禁止。入場者の持ち物検査』が載っていました。
     異なる価値観・感性の共存は『言うは易く行うは難し』でしょうか。
     「観桜の宴エリア」と「長屋の花見エリア」の棲み分けは賛成ですが、近頃のこの国は包容力が縮小しているように感じます。爆弾テロでもあるまいに。

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