2025年6月18日水曜日

40年ぶりの大改革

    G7の中でなぜ日本だけ賃金が低下しているのだろう。その結果国内の購買力が低下し経済成長も止まってしまったのだろう。
 単純化はできないが、労働法制の改悪と、それと一体となった労働組合組織率の低下、そして労働戦線の体制内的統一(連合)などに大いに問題があったと私は見ている。
 そのうちの労働法制に目を向けると、労働者派遣法が問題だった。派遣先の大きな会社が実質的に仕事の命令をしているのに雇用責任は派遣元でよいと・・・表向きは言っていないが・・・実際にはそれで不安定雇用が急拡大した。

 現在、東京では労働基準法の『改革』が議論されているが、例によってマスメディアは「政局」は報じるが、こういう地味な話は報じない。
 その労基法改革では、デロゲーション(逸脱)が幅広く導入されようとしている。
 企業別労働組合をすべて御用組合とは言わないが、労使の合意という形を整えれば「最低労働基準の底を破ってもよい」という話だ。
 御用組合どころか形式的に「過半数代表者」を選びさえすれば、労働の最低基準、最低保障からデロゲーションしてしまう。
 このほかにも、「労働者」という概念の判断基準も検討されている。
 先にも述べたが、パート労働だとか派遣労働という脱法行為を労働法制は追認してきた歴史がある。「そういう働かせ方は憲法の精神にも反する」とぴしゃりと是正させるのでなく「そういう労働、雇用が実際にあるからそれに見合った制度にしよう」という論は非常に危険だ。それは歴史が教えている。
 このほかにも労働時間、休日等々が検討されている。いわゆる過労死に繋がる長時間連続労働などは前進面が出てくるかもしれないが、そういう宣伝に迷うことも危険だ。
 この動きにどうか注目してほしい。

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