2024年9月6日金曜日

ムーミンから

    先日、見るともなくテレビを見ていたら、テレビはフィンランドのムーミンの作者トーベ・ヤンソンについて語っていた。
 ちょうど子育ての時代とズレていたのかもしれないが、ムーミンのことは知らないわけではなかったが特段興味もなく過ごしてきたから、その放送も聞き流していたのだが、その中でトーベ・ヤンソンはフィンランドの隣国のスウェーデン語系であったからいろんな苦労があったという説明があり、ハテ?と興味が湧いた。陸続きのヨーロッパでは多言語や隣国語なんて問題なかったのではなかったのでは?

 ただ、いわゆるヨーロッパ語族の大海の中にポカっと浮かんだフィンランド語とハンガリー語はウラル語系で、ざっといえばアジアの言語であったから、フィンランド人はフィンランド語に強烈な自意識があったのだろうか。
 余談ながら、今では俗説とまで言われているのだが、荒っぽい話でフィンランドのフィンやハンガリーのハンはフン族(匈奴)ということで、西へ大移動したアジア人の末裔だという俗説があったが、私などはけっこうスケールの大きなロマンのように感じていたものだ。(今は否定されている)

 そんなことで少し調べてみると、大陸から離れた孤島の民族には疎いことになるが、陸続きのヨーロッパ諸国の歴史は領土を巡って「侵略」と「侵略された」歴史の積み重ねであって、隣国というのは常にその相手であった(アジアでも大陸とはそういうものだった)。
 さらに、私の勉強不足をさらす話だが、フィンランドは第二次世界大戦の敗戦国であったことを知らなかった。
 第二次世界大戦ではソ連に攻め込まれ、それゆえドイツと組んで戦ったのだから、独、伊、日とは別にヨーロッパ諸国の中でもう一つの敗戦国であった。

 というようなことは私の後付けだが、フィンランドにおける隣国スェーデン語系のトーベ・ヤンソンに対する世間の目は相当微妙なものであったかもしれない。
 これはもう少し勉強してみるのも面白いと本屋に向かい立ち読みをしたが、フィンランドの歴史、その周辺のヨーロッパの歴史は膨大すぎるので、尻尾を巻いて本を書架に戻して帰ってきた。

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