ツヅレサセコオロギは「聞きなし」ですぐわかる。
本には「肩刺せ 裾刺せ 綴れ刺せ」と聞きなすと書いてある。
衣服などの「綴れ」を補修(綴くろい)して秋冬に備える様にと鳴いていると・・・。
私は亡くなった母親から、「肩刺せ 裾刺せ 寒さが来るぞ」と聞きなすと教わってきた。
「肩刺せ 裾刺せ 綴れ刺せ 肩刺せ 裾刺せ 寒さが来るぞ」と続けると、より一層声に近づく感じがする。
「肩刺せ 裾刺せ もうすぐ冬だ」という土地もあるそうだから、「寒さが来るぞ」も広く聞きなされていたのだろう。
だいぶ以前にこの話をしたときに、薩摩出身の方は「肩刺せ 裾刺せ おさんどんの尻刺せ」だったと語ってくれた。ちょっとエッチなユーモアだったのだろうか。それとも「夜なべで針仕事をするおさんどん(女中さん)が疲れて眠くなるのを叱る」文句なのだろうか。
「母さんの歌」などと一緒に、こんな聞きなしも遠からず死語辞典行かもしれない。
ツヅレサセコオロギの聞きなしについて、「私は親からこう聞いてきた」というような記憶があればコメントが欲しいものだ。
それにしても、熱中症注意報を聞きながら「寒さが来るぞ」もないものだ。それだけ地球がおかしくなってきているのかも。
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