2019年8月25日日曜日

一見にしかず

 ジーソミアなんて私は知らなかった。申し訳ないが大多数の国民もそうではなかったか。そんな影の薄い協定が破棄されたからと言って、口を揃えて「韓国はけしからん」と物知り顔で語る日本のマスコミは、戦争突入を煽って扇動した「戦前の教訓」を忘れていないだろうか。

   ジーソミア締結当時の韓国マスコミの写真がフェースブックにアップされている。
 この協定は悪評高いパク政権が韓国国民に一切秘密裏に締結されたもので、そんな非民主主義的なことは正しくないと、韓国のマスコミは「肯定的に報道はしないという抗議の意思」を込めて、揃ってカメラを下において(写真付きで報道しないという意思を込めて)抗議したものだ。
 どちらの国のジャーナリズムがより健全なのだろうか。

 ジーソミアでいうと、ソウルは境界線から最短30㎞(大阪ー神戸間ほど)の場所にある。戦争になれば大層なミサイルでなくとも一瞬にして100万人が死亡する。そういう地理上に約70年首都を構えてきたのが韓国である。
 「ジーソミアを破棄したら韓国自身が困るだろう」は外交音痴の寝言ではないだろうか。

 安倍内閣はつい先日まで「安全保障貿易管理の厳密な手続きをしただけだ」と言っていたのに、ジーソミア破棄を受けて今般は「日韓請求権協定に違反する・・・約束をまず守ってもらいたい」と、実は先に徴用工問題で報復制裁をしたこと、この間までの説明は嘘であったことを公言した。

 その徴用工問題については先日このブログで記述した。個人請求権が消滅していないことは明らかだから安倍首相の今般の「韓国は約束を守れ」も嘘である。安倍内閣は嘘で「世論」を作っている。
 韓国内の司法の問題を外交で対応せず、政経分離の原則も投げ捨てて「ホワイト国除外」という報復制裁に打って出た安倍政権に第一ボタンの掛け違いがあるのは明白だ。

 今大切なことはただ一つ、冷静になれ、扇動に乗るな!だと思う。
 外交の王道に戻るべきだろう。


 韓国のムン大統領は、ある意味一番日本批判をして国内の熱狂的支持を受けやすい(同じ条件下の安倍首相ならきっとそうしたであろう)日本統治からの解放を記念する815日の光復節式典で、日本のマスコミ陣の予想を裏切って、歴史認識問題をめぐる日本批判を抑え、「日本が対話と協力の道に出れば、我々は喜んで手をつなぐ」と関係改善を呼びかけた。

本来、こういうものが外交であり政治なのだろう。しかもその内容は「高位級の人物が日本を訪問し、発表前に内容を知らせていた」と言われている。
ところが、安倍政権は全く何の反応も見せずにこれを無視をした。

「問題が解決するよりも混乱する方が国内を扇動しやすい」「まさかジーソミアは破棄などようしないだろう」とたかをくくった判断だったのだろう。
与党にはほんとうの意味で政治家がいなくなった。忖度せず国の未来を見据える高級官僚もいなくなった。安倍政権を亡国の政権と呼べば言い過ぎだろうか。私はほんとうにそう考えて心配する。

そして私は今、暴支膺懲(ぼうしようちょう)(「 暴戻(ぼうれい)支那(しな)ヲ膺懲(ようちょう)ス」「 暴虐な支那(中国)を懲らしめよ」)のようなスローガンに熱狂した挙句があの侵略戦争と敗戦だったという歴史を思い起こしている。

2 件のコメント:

  1. 安倍さんには、国内外で日々おこる情勢についての分析能力も解決能力も期待できず、恥ずかしいかぎりです。ケンタでした。

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  2.  韓国の法務大臣候補のスキャンダルが韓国のマスコミによって追及されていることを、上から目線で日本のマスコミがあげつらっているが、大統領側近といえども追及する韓国マスコミの方が、安倍政権に忖度して提灯記事しか書かない日本のマスコミよりもよほど立派なように私には見えます。

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