大和路は春爛漫である。
私は、安倍首相が憲法改正や海外派兵の所業を強めることに反比例するように、天皇や皇后・皇太子が護憲や戦争の反省を度々口にしていることを素直に評価している。
そのことは折々のブログの記事にもしてきた。
うがった見方をすれば、英国型王制で将来の安定を願っている宮内庁は、安倍首相のすすめる戦前レジュームへの回帰を嫌い、安倍首相に担がれて則を超えた場合、安倍退陣後に一緒に国民の支持が大きく減退すると心配しているように見える。
ではあるが、日本の皇室が英国王室と決定的に異なるところは、連綿と続いているという古代史からの天皇制の神話を今なおベースにしているというところだろう。
他府県の新聞に掲載されているかどうかは知らないが、朝日新聞奈良版は、4月3日に天皇、皇后が秋篠宮夫妻随行の下、神武天皇山稜や橿原神宮を参拝したことを報じていた。
その理由は、日本書紀が記すところの神武天皇が亡くなってから2600年の式年祭があったからである。
因みに、生誕は紀元前711年で享年127歳の話である。
さすがに、戦争に国民を総動員するうえで大きな役割を果たした昭和15年の紀元2600年の奉祝行事の再現はなかったが、式年祭が神話としてではなく歴史ということで執り行われたのである。
3月20日に書いたとおり、先日亡くなった上田正昭先生は「神話は神話として学びつつ、史実と峻別する」ことの大切さを訴えられていた。賛成だ。
大和路の春は奥が深いだけに情緒と同時に理性が大切だ。
昭和15年の様に大騒ぎにならなかったのは良いことだが、「紀元前584年に初代天皇が亡くなった」という神話が生きている現状を「おかしなことだ」という声が小さいのも良くないことではないでしょうか。
返信削除それは古代史に対する理解不足ではなくて、近現代史の軽視だと思うのです。
ほんとに2600年なんて信じてやってるのでしょうか・・・・。
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