2015年4月20日月曜日

謎でない石像

  テレビでアイドル系?のアナウンサー「水卜(みうら)アナ」が出ていてハッとしたのは、そのルックスやスタイルや色香ではなく、水卜という苗字についてハッとした。
 若い頃、同級生に占部(うらべ)君がいたが、水卜が「水占(みうら・みなうら)」であることは明らかで、陰陽道さかんな平安時代かそれ以前かは知らないが、その種の起源を持つ家系なのだろう。
 「水占」というキーワードで詩経をもって万葉集を解説した白川 静さんの話を立命館土曜講座で聴いた話が蘇る。
 その受講以降、私は飛鳥の「岡の酒船石」を水占の舞台だと考えるようになっている。

 さて、飛鳥の本やパンフレットを読むと、やたらに「謎の石造物」という文字が踊っているが、古代中国の思想、あるいは古い道教である「鬼道」や「神道」を考えると全く謎でも何でもないように私は考えている。

飛鳥の亀形石造物
  いわゆる猿石の類も、済州島を含む朝鮮半島の人面石、トルハルバン(石爺)の親戚であるのは一目で明らかだろう。それが「謎の・・・」という域で止まっているのは、安物の民族主義が邪魔をしているためだと私は思っている。
 お偉い神職の方も僧職の方も、神道や仏教の土台が大陸土俗の道教だと認めたくないだけだろう。
 病・死や不作や災難が邪神の侵入によるものだと考えられていた時代、飛鳥のミヤコにその侵入を阻止する注連縄や鳥居的なもののと同じ思考で、僻邪の神々にその防衛を託したのだと考えるのが素直な解釈ではなかろうか。
 一言でいえば、猿石たちは賽ノ神である。
 あまりにありきたりのこの解釈にどうして人々は賛同せず「謎の・・・」としたがる?
 
 現在、奈良大学博物館に飛鳥の石造物の精巧なレプリカが揃っている。
 ホンモノは正面からしか見られないが、ここでなら「えっ、背中にこんな彫刻が!」というものまで観察できる。

 ただ、「こんな下半身丸出しのニコニコ顔で邪神をほんとうに防げたのか?」と尋ねられると私の説も自信がなくなる。
 宴会場(苑池)の単なるオブジェだったのかも・・などと。

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