2015年4月12日日曜日

入園式

  孫の‟こども園”の入園式に行ってきた。
 私の息子や娘たちのときは、産休明けの保育園には当然に入園式などなく、その後の入学式も卒業式にも私は殆んど行かなかったから、いま‟リタイアした祖父”という特権を噛み締めている。
 いや、保育園の卒園式と娘の何かの卒業式には出た記憶があるが遠い昔になった。
 3歳児といっても3歳1か月と3歳11か月ではその差は大きく、中にはほとんど泣きどおしの子もいた。
 私の娘も3月生まれで毎学年一番ちびっこだったから、その泣きとおす子が気にかかった。
 そんな3歳児の周囲を御来賓の方々が取り囲み、泣きどおしの子たちの頭の上を君が代が粛々と斉唱された。
 窓際のトットちゃんではないけれど、この国はいま形式や権威がいやに重んじられ「長い物には巻かれろ」という同調圧力が強まっているようだ。そんな雰囲気を感じたのは気のせいだろうか。
 私なら、指人形ぐらいを隠し持って行き、二言三言のお祝いを人形に喋らせようか。
 だが、主催者にも来賓にもそんな雰囲気の人は一人もいなかった。
 もう「3歳児に相応しい入園式にしよう」などと言うと、異教徒、国賊になってしまう世の中になってしまっているのだろうか。
 養老孟司氏に言わせれば、この国は一元論の、ある意味一神教の世界になりつつあるようだ。氏はそれを「バカの壁」と言っている。
 
  それはさておき、主役の子どもたちは立ち上がったり、後ろを向いたり、寝転んだりで、まるで空虚な形式を笑うかのように自然で自由であった。じっとしていなかったという点では孫も五十歩百歩で、時々後方のお祖父ちゃんとピースを交わし合った。がんばれ園児たち。

 孫の入園祝いにはもちろん‟ぶたまん”をプレゼントした。

 3歳児というのは向かう1年間に4歳になる子どもたちである。
 つまり4年前、3.11フクシマ原発事故直後の子どもたちである。
 あの時、まだこの世に生まれていなかった子がいっぱしのお喋りをし、字を読んだり歌を歌ったり、おしゃまな言い方で大人に対抗したりするようになっている。
 一方フクシマ原発は、正確な事故の全容さえ未だ判らず、汚染水は垂れ流したまま、中学校や高校の修学期間を超えてなお避難先から帰郷の目途もたっていない。
 そうしておいて、東日本大震災復興予算の補助金が2012・2013年度でも3億3千万円献金として自民党に還流した。
 良識ある人々なら誰でもこれを不正義と言うだろう。
 鬼子母神ではないけれど、自分の孫は可愛いが、意識がそこで止まっておれば半人前の高齢者でしかないということにならないか。
 だから孫の成長に目をそばめながら、もう一働きしなければと思う。
 今日は統一地方選挙前半の投票日だ。後悔のない行動をとろう。

7 件のコメント:

  1.  入園祝いが551の‟ぶたまん”というのはほんとうの話です。
     4月4日の記事のとおりです。

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  2. なっちゃんご入園おめでとうございます
    ブログを読ませて頂くようになり 文章やお写真で
    日々ご成長されているのを 嬉しく 自分の孫のように
    喜んでおります

    今日は選挙 自治会長の主人は八時迄 選挙立会人で公民館へ
    あっ もうすぐ終わりです  
    熱いお茶でも  おちゃけの方が良いかな (笑)


    長谷やんじいちゃん ばあちゃん 万歳 ( ^)o(^ )

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  3.  過分な祝意をありがとうございます。
     今日は曾祖母ちゃんのホームに来てくれました。
     ほんとうはホームの子猫と遊びたかったのですが、廊下を大きな音をたてて歩き回り、あちこちから「元気やねえ」と声をかけられていました。
     ありがたいことに大勢の方の曾孫扱いです。
     祖父ちゃんは「このまま大きくならないでくれ」と思っているのですが・・・・・。

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  4.  長谷やん、三歳児の孫の入園式へのじいちゃんの思いが、その孫の誕生と同じ時期に発生した福島原発事故の避難者への思いに発展し、さらにその避難者への復興予算が自民党への献金に還流されているということへの怒りに転化され、最後の選挙という投票行動に結びつく。見事な展開の記事ですね。
     ただ孫を愛でるだけの私の記事との根本的な違いが思い知らされます。
     これからも楽しくて、考えさせられるブログを楽しみにしています。

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  5.  和道さん、深読みしすぎです。徹頭徹尾「爺ばか日誌」です。
     コメントありがとうございます。

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  6. そうです、そうです、徹底的な「爺ばか日誌」です!
    とやっかみ半分で言っておこう。

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  7.  ひげ親父さん、「爺婆が元気なうちに孫と遊ばせてくれよ!」と息子に懇請してみては?

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