今は昔の昔話になるが、世の中では昭和30年代から事務作業の機械化・合理化が進み、その当初はキーを打鍵することで紙テープに符号化された数字を穿孔(穴あけ)し、その紙テープ(鑽孔(さんこう)テープ)をホストコンピューターへ送って電子計算機に読み取らせることでデータの処理をするものだった。
その穿孔の打鍵作業をパンチともいい、その作業者をキーパンチャーと呼んだ。
私も従としてそうした作業に従事したことがあり、当時の機械は性能がよくなかったため、1日かけて打ち込んだ紙テープがダメになったときなどはがっくりきたものだった。
この作業従事者に発生したのがキーパンチャー病・腱鞘炎・頸肩腕症候群という職業病で、パンチャー以外の職種も含めて社会的に大きな問題となった。
問題は労働組合や患者団体・支援団体が大きく取り上げる中で、労働時間や作業環境、そして機械そのものが改善される等によって徐々に改善されていった。そのうちに、そもそも紙テープの打鍵作業というものが無くなり、磁気テープの時代を経て大型コンピューターの端末機で直接入力作業をするようになって、これらの事柄も昔話になっていった。
先日、友人が腕が痛いので医者に診て貰ったらテニス肘ですと言われたと言っていたが、要するに腱・筋の炎症・微断裂で、「腕を使うな」と言われたとこぼしていた。
その時、私も棚等のモノを握って取り出すのが痛いので、肉離れを放置していたからだろうと話したが、指に魚の骨が刺さったうえに腰も痛いので、腕も含めて整形外科で3箇所のX線を撮ってもらって診断をしてもらったら、私も上腕骨外上顆炎つまりテニス肘だと診断された。
自分では農作業か日曜大工の時に無理をしたのかなと思っていたが、それよりも振り返ってみると典型的なOA機器病に思えた。
というのも、ひょんなことから3時間の講演を引き受けたため、そのレジメと原稿を寒い冬の間中、ああでもないこうでもないと第1稿から第6稿ぐらいまで、結構集中してキーを叩いて作っていたからである。
紺屋の白袴と言ったところだろうか。
こうしてこの話を格好よく締めようと思ったが・・・、
しかし医師は、退行性変性・・・・早い話が「つまりお歳ですね」と断言した。嗚呼。
そして、医師は「湿布薬を出しときますが要は腕を使わないことです」「リハビリめいたことは悪化させます」とピシャリ。
といっても腕や指を使用しないで日常生活を送れる訳もなく、一向に改善しないので、今では医師の指導で肘のサポーターを装着している。
サポーターというものは初めて使用したが、なるほど初体験とはこういうものか。
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