12月はお餅つきの季節である。
昔、親に聞いた話では、戦前の大阪市内では「ちんつき(賃搗き?)」が普通であったらしいが、私が中学生であった昭和30年代の堺の中心街でも同様で、「もち米と賃料」を払うと家の前で道具一式を持参した数人が、そのあたり数軒分のお餅を搗いてくれるのだった。
ただ『まだ戦後』という時代であったから、例えば1升5合のもち米が1升分のお餅になったのかも知れない。(このあたりのことは正確には知らない。)
そして、漁師の息子など体力のある同級生はそのアルバイトに雇われて稼いでいて、なんとなく彼らが大人に見えたものだった。
という「見ていた側」の都会の子であったから、私はお餅つきの経験を持っていなかった。
それが祖父母世代が農家出身である妻と結婚をして、毎年妻の実家でお餅つきをするようになり、義父が亡くなってからはその道具一式を私達夫婦が預かった。
そして、知らない間に『お餅つきを知っている貴重な古老』に分類されるようになっていた。
地域によっては不祝儀でもお餅を搗くらしいが、ごく普通にはお餅つきは目出度い行事である。
昨年、実母がお世話になっていた老人施設でお餅つきがあったが、「お餅つきは目出度いなあ」と実母は喜んでいたし、みんな楽しそうであった。また、はるか昔のお餅つきの思い出がよみがえったように手を動かしておられる方もいた。
そして私が持参した子供用の杵を手に持って喜んでもらったが、正直に言って子供用の杵でも重たすぎたし、中には振り回しそうにされる方もいて大変だった。
~そして1年が経過した。
そして先日、「去年は杵を持って来ていただいて写真が撮れてみんな喜んでいたなあ。」という話になり、話の勢いで「それなら今年はもっと軽いのを作りますわ。」とダンドリ君のパパは答えてしまった。
で、ホームセンター巡りをしていろんな材料を検討したが、結局、ものすごく簡単な発泡スチロールがあったので結果としてはあっけないくらいイージーな作品(エア餅つきと撮影用の杵)になった。
でも許してもらえるだろう。
この杵のせいで、一瞬の大笑いと、かすかな記憶が数日残れば嬉しいのだが。
介護の現場を見ていると「福祉のための消費税」という主張が如何に嘘っぱちかと言うことがよく判る。
結局、日本共産党が言うように、財源の問題と言うよりは政治姿勢の問題で、税の応能負担等を徹底すれば消費税に頼らない福祉国家が可能だと思えてくる。
良い介護とはつまるところスタッフの数と心の余裕だと思う。
いつの間にこの国は「人件費は悪」と言うような品格を欠く国になったのだろう。
孫がやってきて、この杵で見事なエア餅つきをしてくれた。
この子が大きくなるまでに、原発のない暖かい福祉国家をつくりたいものだ。
関電前に手作りのプラスターでほぼ毎週参加されておられるのに頭が下がります。願うだけでなくこれからも時間を作って参加しようと思います。
返信削除十三に「請来軒」(ちんらいけん)という焼き肉屋さんがあり「請」を「ちん」と読むんだと知りました。餅搗きを請け負う、という事からも「賃」よりも「請」が正解でしょうね。
返信削除私の中学の同級生も子供の頃からちん搗きのアルバイトをしていました。後に近代の相撲部から社会人相撲で活躍し、のちに、「ちゃんこ屋」を経営しました。その友もあっけなく亡くなって、10数年、先月の同窓会で皆で思い出話に耽りました。
!ひげ親父さんの指摘に驚いて広辞苑を開けると、そもそも「ちんつき」が出てこない。
返信削除牧村史陽編大阪ことば事典にも新日本大歳時記にも年中行事事典にも出てこない。
あれほど有名な天下周知の落語のネタであるのに他の古語辞典にも出てこないことには、ひげ親父さんの指摘以上にびっくりした。ほんとうに驚いた。
ただ、長谷川幸延著大阪歳時記に「賃搗き」という件があり、ネットの中に「ちんつき屋」という商売が、イベント屋、縁日屋として生きながらえて(復活して?)いたのでホッとしたが、今後は「死語事典」に当るしかないのだろうか。
善さんですか?寺です。こちらで合ってますか?先日メモを頂いていましたが、家のパソコンがSleipnir Startで明らかに他人のブログしか出てこなかったのです。Gooleにして見れました。
返信削除!じそん さん ありがとうございます。
返信削除早速ですが、そのSleipnir Start って何ですか?
つまり、Google に設定していない方にはアクセスできないのですか。
全く知識がなく行き当たりばったりの経験主義でブログを始めたものですから、よかったら解説をお願いします。反省!
グーグルのようなインターネットの検索エンジンです。ですから、google以外の検索エンジンを使っている方だとこのサイトを見つけられないかもしれません。
返信削除!ありがとうございます。
返信削除それは yamashirodayori の検索だけですか。
それとも http://yamashirokihachi.blogspot.com もそうですか。
家のパソコンでは直接 yamashirodayori の検索が出来ませんでした。アドレスに直接打ち込んだら検索できます。
返信削除息子のスマートフォンや iPadがgoogleで検索できたので、家のパソコンでまず、「google}を検索して、そこに「yamashirodayori」を打ち込んで検索できました。
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