2018年7月31日火曜日

住吉の夏越の祓

 夏越の祓というと水無月が圧倒的だが、大阪の夏祭りを締めくくる住吉大社の住吉祭は文月(七月)末で、夏越祓神事とも呼ばれ、大阪中の「お祓い」「お清め」といわれている。
 小さい頃、その神輿渡御の行先である堺の宿院頓宮近くに住んでいたので、この祭りには特別の郷愁がある。

 6月下旬のブログにも書いたが、夏越の祓では「茅の輪くぐり」がつきもので、通常「水無月の~夏越の祓・・」という和歌を詠んで茅の輪をくぐるものだが、ここ住吉では「住吉の夏越 の祓する人は千年 (ちとせ) のよはひのぶといふなり」となっている。


   先週から孫の凜ちゃんが熱を出し、昨日も一日中看護であったので記事はこれで置いておく。
 
 住吉祭とは関係ないがペアのタマムシの写真を貼付しておく。

2018年7月30日月曜日

テロップよりも蝉しぐれ

 嵐去りテロップよりも蝉しぐれ
   日曜日の朝、少し風が残っていたがクマゼミが一斉に鳴き出した。
 「通り過ぎたようやな」と妻が呟いた。
 暴風警報解除のテロップが流れたのはそれから1時間以上後のことだった。
 生き物の予知能力にはいつもながら感心する。
 蝉しぐれを信じて家の周りの落ち葉の掃除を始めた。

 生き物の予知能力と書いてはみたが、気象学の進歩も素晴らしい。
 小笠原沖の台風がぐるっと回って紀伊半島に上陸して、東から西にわが街上空を通過するなど半信半疑だったが、ほんとうに未経験のことに遭遇した。

 1970年代、私は東京大手町の旧内務省庁舎にあった全労働本部にいた。労働省別館、竹橋庁舎ですぐ隣が気象庁だった。ここには全気象本部があり、親しく付き合っていただいた。
 地震があると担当職員が椅子なりベッドから飛び起きて「これは震度〇〇」と発表していた時代である。

 先日、中央気象台初代台長何某のことをNHKで観た。
 軍部が天気予報を独占するのに科学者として身を挺して抵抗し、暗殺一歩手前であった。
 その天気予報も1941年真珠湾攻撃の日から敗戦まで報道管制が敷かれ、その間、台風を知らされなかった庶民の犠牲も多数発生した(1942年周防灘台風など)。

 秘密保護法ができてしまった。自民党の改憲案には緊急事態法(戒厳令)がある。首相と首相官邸の虚偽答弁や資料改竄は周知になっている。
 天気予報のなかった時代を復活させてはならない。

2018年7月29日日曜日

途上国並みの醜聞

 いわゆる三面記事は好きではないが、国会でも山本太郎議員が取り上げたにも拘らず、大手メディアは異常にシーンとしている。
 大手メディアが異常に無視する裏には真実があるものだ。
 1970年前後に大手メディアが異常に部落解放同盟の暴力と利権に目をつぶったときもそうだった。
 日刊ゲンダイ頑張れ!
 こんな人物を総理大臣にしていて良いのか。
 裏社会を利用した安倍晋三とその事務所。


























   ふたつ三つ並ぶ夕餉の万願寺

    この国を変えよう! 嘘つき総理を弾劾しよう!
 ろうそくデモのダンドリ君の写真を貼付。
   ろうそくは韓国から取り寄せられたもの。小さいキャンドルは百均で購入した。
 昨日の写真参照。
 

2018年7月28日土曜日

ろうそくデモ

 私が青年時代1970年代、アメリカでは黒人がバスに乗れなかったり座れなかったりしていた。韓国は軍事独裁政権であった。
 そのアメリカではアフリカ系の前大統領が誕生し、韓国では前大統領が弾劾されている。
 その間、日本の民主主義はどれだけ成長しただろうか。

 韓国で前大統領を弾劾したパワーは『ろうそくデモ』『キャンドル革命』などと呼ばれている。
 毎週、夜にろうそくを手に市民が集まった。終盤のそれは全国で230万人といわれている。
 問題は蝋燭を持っていたかどうかではない。
 諦めることなく毎週集まる。
 若い家族連れや高齢者や普通の市民が主人公だ。
 交通整理やゴミ対策なども自分たちでする。
 商店はトイレを開放したりして協力する。
 そんな市民運動が隣国で成果を上げているのを、日本のマスコミはほとんど軽く扱った。

 7月27日は朝鮮戦争休戦65年目の日だった。
 朝鮮戦争は丸3年間で500万人の死者、1000万人の離散家族を産み出した。
 日本は戦争特需で復興経済の土台を作り、後の自衛隊、安保体制の基礎を作った。
 掃海の面では実際の戦争行為そのものにも参加した。

 その半島で、これからも紆余曲折はあろうが、南北板門店宣言が発表され、米朝会談が実現し、朝鮮戦争の終結や半島の非核化が日程に上っている。
 東アジアで最も危険な勢力は安倍政権といえるだろう。
 東アジアの平和創造の主人公にと声を上げたいものである。

   ということで、大阪靭公園のキャンドル集会に行ってきた。
 みんな先約があるとかで3名の参加になったが、日本の民主運動の当面の最大課題は市民と野党の共闘だと考えているから、それなりに満足して帰ってきた。

 手に持っているキャンドル(ろうそく)は韓国で使われていたそのもの。
 胸のランタンは百均で調達した。
 PEACEの人文字がどうなったかは今日は判らないが、わかり次第追記する。

   追記 毎日新聞です。

2018年7月27日金曜日

構造色

   たまたま点けたテレビで教えてもらったが、玉虫の翅の色は構造色というらしい。
 その特徴は、翅自体には特段の色はなく、非常に薄い膜が何層にも重なっていて、その微妙な光の反射であの「玉虫色」が生じているという。(注:玉虫の構造色はこういうことらしいが、構造色というものには多くのパターンがある)
 つまり、翅そのものには色はないから死亡しても退色したりしない・・・故に、玉虫厨子がある。
 例示すれば、CDやシャボン玉が虹色に見えるのと同じ理屈だという。

 写真のとおり、それは翅だけでなく胴も同じように光っている。

   炎昼の窓の外を飛び回っているのを見ていると楽しいが、クリオネみたいに飛び回るこの小さい昆虫を撮影するのは非常に難しい。
   ようやく撮れた写真なので、相当ボケているのは許していただこう。
   秋の田圃や果樹園にCDがぶら提げられたりする。鳥が嫌うから=鳥よけといわれている。
   しかし、鳥の中にも綺麗な構造色はいっぱいいるから、ほんとうに鳥は構造色が嫌いなのだろうか。
 それとも、人が動いているように錯覚するのだろうか。
 本にはいろいろ書かれているが、実際のところは判らない。

55㎜だとこの点がタマムシ
   上の3枚の写真は300㎜の望遠で撮影した上にトリミングで拡大した。
 ちなみに、55㎜の標準(広角ではない)で撮影したなら、左のとおり矢印の先の点である。

朝告げるクマゼミたちの正確さ

2018年7月26日木曜日

足りないのは誰か

 24日朝日朝刊は『通常国会 記者が振り返る』という記者座談会なる記事を書いた。
 「与党は議論に立ち入らなかった」「野党は質問力が足りなかった」的な、あまりにも”おきまりの”朝日的な記事だった。
 
 八つ当たりする気持ちはさらさらないが、私は、足らなかったのはマスコミのジャーナリズムではないかと考えている。
 第一に、国会の数の横暴を許した根源は昨年の総選挙にある。
 ここ数年の安倍政治の問答無用の数々を論じるのでなく、野党共闘を破壊した小池百合子、前原誠司、玉木らの希望の党の伸長こそが焦点の如く選挙報道を繰り返し、結局、与党の度重なる民主主義蹂躙を許した一端はマスコミにあると思う。

 第二に、特に安倍政権になってから強まった新聞やテレビに対する露骨な攻撃に身をひそめ、それどころか、世の常識でいえば”収賄”に触れるような権力者の酒席に侍り、結局社会の木鐸としての立場を投げ捨てたのはマスコミ自身であった。

 総理大臣が国会で嘘を言う、政府委員(官僚)がそれに合わせて嘘を言う、公文書さえ偽造する。それに対して与野党の間に立って”中立”的に報道するなどあり得なかったはずである。

   そんなことをいろいろ考えていた頃、NHK(関西熱視線)がカジノについて誠にへんちくりんな報道をした。
 写真上の円グラフを見ると、「無回答」と「どちらともいえない」が半数いて、あとの半数で「賛成」「反対」を論じているように見える。
 しかし、「反対42%」が「どちらとも34%」よりも小さくなっている。ええっ!

普通に作れば下の円のようにならないか。

 大NHK(BK)が円グラフを分度器と三角定規で作っているのだろうか。
 私ごときの人間でも、円グラフはエクセルやワードで簡単に作る。
 だから、まさか!とは思うが、どう考えても「凡ミス」とは考えづらい???
 高度な操作を加えないとしようとしてもできない円グラフである。怪!
 一番好意的に「忖度」すれば「反対」と「どちらとも」の文字の貼り付けを逆にしたのだろうが、普通ははっきりとした意見を対比するために下の写真のように作るものだろう。

 NHKは森友でスクープをした大阪の記者を報道から全く異なる部署に配置転換した。
 まさか猛暑対策で怪談話を報じたのでもないだろうが。へんちくりんな話だ。

 なお、記者座談会の記事に戻ると、「森友・加計問題の追及で気を吐いた野党は共産党だった。独自に文書を入手して政府を攻め立てた」とあるのは余りに当然の評価だろう。
 そのときメディアはどう論陣を張ったのかの反省をしてほしい。

   真夏日や血圧だけは好レベル
 体調は全般にしんどいが、降圧剤を服用しているとはいうものの、高温の日々の血圧は好レベル。そりゃあ血管も膨張します。

2018年7月25日水曜日

夏バテと少しだけ愉快な話

   連日体温以上の気温が続いているので少々夏バテ気味である。私の場合はまず腸にきてグタっとなる。
 で、家に引きこもっている。
 クーラーをかけて団扇で扇いでじっと耐えている。
 この団扇はそんな祖父ちゃんに力をくれる。
 団扇の裏側はもちろん『祓』である。(6月30日の記事参照)

 祓から話を飛ばすと、専門が神道、陰陽道、地理風水、古代史という戸矢学氏の本の中に、クスッと笑いたくなる指摘があった。

 崇神天皇の御代、宮中に祀られていた二神(天神(あまつかみ※)・天照(あまてらす)大神と、地祇(くにつかみ※)・倭の大国魂(おおくにたま)神)を天皇は畏れて宮の外に出した。
 天照大神は最終的に伊勢神宮に、大国魂神は大和坐大国魂(やまとにいますおおくにたま)神社(現大和(おおやまと)神社)に祀られた。
 で、時代は下るが、大和神社の神は戦艦大和の艦内にも祀られたが、戦艦はその役割を果たせず沈没した。
 本来の活躍を期待するならば、オオクニタマ神という地祇(くにつかみ)ではなく、スサノオ神などの天神(あまつかみ)を奉斎すべきであった・・・・・。(引用おわり)

 どうです。クスッと笑いませんでしたか。
 ※の地祇というのは元々日本列島のあちこちにいた人々の神々のこと。天神というのは地祇を征服(侵略)してきた天皇一族の神々。
 なお、本全体は緻密な構成であった。これはほんの脱線部分であるので念の為。
 国譲りをした地祇(くにつかみ)バンザイ!

   孫の顔貼った団扇の軽さかな

2018年7月24日火曜日

エナガに学ぶ

 このテーマはだいぶ減ってきたが、22日付け『朝日俳壇』高山れおな選にこういうのが載っていた。
   しゃぼん玉ひらがなだけのしゃざいぶん(新居浜市)上田由岐子
 聞くのも嫌な虐待死が題材だった。

   近頃朝夕にエナガの大群がやってくる。
 ただ1秒たりとも静かにしておらず、電線や木の枝を飛び回り、体を動かしている。
 体長14㎝、体重5.5g~9.5g、キクイタダキに次いで日本で2番目に小さい鳥である。
 この鳥の巣を実際には見たことはないが、本によると、巣にいる雛に、つがい(親)以外の鳥もエサを与え、子育てに参加することがあるという。

   弱い小さな鳥だから、忙しなく集団で行動し、子育ても集団で大切にするようだ。
 正確には「することもある」らしく、エナガの社会が高度福祉国家であるわけではないらしいが、それにしても本能レベルであったとしても種の保存のために凄いことをしている。

 スィースィースィースィーとけっこうウルサイが、可愛い小鳥である。
 以前に書いたが、シャワーで水撒きをしていると水浴のように飛び込んでくるときがある。

 名前の由来は、神社等の手水場の柄の長い杓子で、体の割に尾が長いから柄長という。

   もぎたてる熱きトマトの旨さ哉

2018年7月23日月曜日

康宗憲(カンジョンホン)氏の話を聞く

 1951年生れの在日韓国人2世。日本語しか話せない2世の学生に「国籍条項」が立ちはだかり、それならとソウル大学医学部に進学するも、朴正熙(パクチョンヒ)の非常戒厳令を批判する民主運動に参加し、「北朝鮮のスパイ」という冤罪で逮捕、拷問、死刑判決。

   日本からの救出運動もあり、13年の獄中生活を経て1988年に仮釈放、1989年帰日。
 50歳から大学院受験再スタートし、現在、大阪大学、同志社大学で非常勤講師。
 なお、2015年韓国大法院で無罪確定。
 その朝鮮半島の平和を語る言葉は優しい。

 22日に氏の『北東アジアの平和構築に向けて―朝鮮半島の非核平和と日本』という講演を聞いた。
 トランプ大統領や文在寅(ムン・ジェイン)大統領についても、非常に冷静でリアルな分析・評価だ。
 そして、それでも『板門店宣言』『米朝共同声明』を支持し、関係国が誠実に履行するよう市民が後押しをする重要性が述べられた。2時間に及ぶ講演の内容は到底ブログでは記載できない。

 韓国の民主化運動を「拝聴」しているだけで私たちはいいのだろうか。
 日本でキャンドル行動を拡げる必要がありはしないか。ずしんと考え込まされた真夏の半日だった。

2018年7月22日日曜日

勇気ある18人

 少し紋切型の話をすると日本の労働組合のナショナルセンターのうちの大きな二つは連合と全労連で、連合は昔の同盟と総評の中の大企業労組が中心で、中学校の教科書風に言えば御用組合が多く事実、原発を推進する勢力もパワーとしては少なくない。
 一方全労連は、主に元総評の中の民主的労働組合が多い。

 国家公務員の労働組合は主に省庁別に組織されており、多くは国公連合や国公労連に加盟している。
 多数は国公労連に結集し全労連に加盟しているが、少数は国公連合を通じて連合に加盟している。ここには省庁の中のいわゆる第二組合も参加している。
 全財務労働組合は国公労働運動の中では少数派である国公連合を通じて連合に加盟している労働組合である。以上が前説(まえせつ)であるが、そういう全財務労働組合の中において民主的で闘う労働組合のために努力を傾注してきた人々も少なくないことを忘れないでおきたい。前説おわり。

   7月19日、『財務局職場OB有志』18名が名を名乗って『森友疑惑、公文書改ざん糾弾!
・国民本位の財務局職場の再建を!(アピール)』を発表し、麻生財務相と近畿財務局長に送付した。
 18名はいずれも地方財務局で国有財産鑑定官等の職歴を持ち、全財務労働組合の本部や地方の役員経験を持っている。

 アピールでは、森友事件が、現場の生々しい声をもって首相と首相夫人が関与したために起こった事件であることを告発し、現役の職員に対して、「全体の奉仕者」として公平・公正・中立で民主的な財務行政のため努力するとともに、国民・市民と連帯して闘う労働組合の強化を訴えている。

 前説を思い起こせば、この18人の勇気には頭が下がる。
 そして、分野は違えど同じ公務労働のOBとして連帯のエールを送りたい。特に、官邸、財務相、本省幹部の圧力によって自ら命を絶った職員の『公務災害認定』には支援を惜しまないつもりだ。
 重ねていうが、公務労働とその労働組合運動OBの良識に敬意を表したい。
 18名ではないが、国公労働運動のOBたちがもっと発言・発信すれば未来が開ける気がするのだが。
 

2018年7月21日土曜日

キリギリスの威厳

   先日大阪からの帰宅途中にキリギリスがいたので手で捕った。数日、虫籠に胡瓜を入れて飼っておいた。
 残念ながら♀らしく鳴いてくれないので、孫の夏ちゃんのところに持っていっても「いらん」と言われてしまった。

 凜ちゃんのところには妻が持っていったが「テレビに夢中で見向きもしなかった」と言って帰ってきた。

   昔昆虫少年の祖父ちゃんは少し寂しいが、「凜ちゃんの虫捕りデビューはこれからや」と自分自身を慰めた。

 キリギリスは並みのバッタよりもどこかに威厳と根性がある。
 事実、私も妻も指先を噛まれた。
 大したものではないので、指を噛んできたその根性が可愛いと喜んでいる。

 義母のホームにも妻が持って行ったが母は興味を示さなかったらしい。
 スタッフが何?何?と興味を示したが、男女のスタッフの何人もがキリギリスというとへ~っという感じだったという。
 虫を飼って愛でるという日本文化は昆虫以前に絶滅しているようだ。

 鳴かないキリギリスは魅力が半減だが、それでもわが家に夏を運び込んでくれた。
 夫婦で写真を撮って遊んでから庭に逃がした。

   灼熱を上乗せをするきりぎりす

2018年7月20日金曜日

茗荷の子

 茗荷畑(植木鉢)が満開だ。
   ほんとうは花が咲く一歩手前で摘んで食べるのが良いのだが、風情があるので放っておいてある。
 冷奴にしても何にしても茗荷を添えて食べると夏~~!という感じがする。

 不思議なことにこの香りを蚊も好きなようで、茗荷畑には蚊が多い。
 それだけは鬱陶しい。

   忘れてしまいたいことが多いので河島英五は酒を飲んだが、私は茗荷を食べることにする。

 少々夏バテ気味である。



 ステテコに夏の香涼し茗荷の子

2018年7月19日木曜日

鈴愛

 朝ドラ主人公の名前は鈴愛と書いて「すずめ」という。
 前振りはただそれだけである。
 夏は餌が豊富にあるので野鳥の餌台(バードテーブル)は置かないが、冬に置いた餌台にはスズメがたくさんやってきた。
 「いったい何匹いるでしょう」というクイズになりそうなくらいの写真をブログにあげたところ、友人のMさんから水彩画にしたいと話があり、その後「ご馳走の争奪戦?可愛いです(^_^)v。」というコメント付きでその作品が送信されてきた。
 写真とはまた違った味があり、腹の底から感心している。


   ここ数日は毎日のようにイソヒヨドリが庭にやってくる。
 さえずりでもなく地鳴きでもなくカクカクカクカクとくちばしで音をたてている。求愛なのか親が子に何かを教えているのか・・・そんなような気がする。

 人間は溽暑にヘロヘロだが野鳥は夏も元気である。
 私も若い頃はそうだった。
 もう何年も潮の香を嗅いでいない。

   潮の香とポンポン船の日々恋し

2018年7月18日水曜日

経済の愛国主義

 若い頃夢見た未来社会は、労働生産性が上がると賃金が上がり労働時間が短縮され、人々は人生を充実させることができるだろうというものだった。

 実際、トヨタ自動車の三月期決算は、子会社も含めて連結内部留保は約20兆円となった。
 20兆円といってもイメージが具体化できなければ、毎日1000万円ずつ使っていくと、使い切るのに5480年かかる額であるから、縄文時代から使い始めてようやく最近使い終わる計算になる。

 この内部留保を賃上げに回して正社員の雇用を増やすならトヨタの車はもっと売れるようになるに違いない。ベンツやBMWかも知れないが、まあここはトヨタの高級車にしておこう。

 同じようなことは政府の財政政策でも言える気がする。
 法人税の減税をやめて社会保障の財源に回せば、国民の将来不安が取り除かれる。
 そういう人がトヨタの車を買うかもしれない。こういうのを経済の好循環と言うのだろう。
 こういう主張をほんとうの「愛国主義」というのではないだろうか。
 以前にFBで感心した何方かの指摘の受け売りだが、納得している。


米民主党オカシオコルテス氏
   結局、今風の言い方をすれば「格差の是正」だろう。
 日本の安倍晋三右翼政治を見ていると未来が暗く見えがちだが、少し目を世界に広げると、昨年「予想外に?」躍進したイギリス労働党コービン党首はMr.マルキシストと呼ばれ社会主義者を名乗っている。
 先日アメリカニューヨーク州第14選挙区で行われた民主党の予備選挙では、社会主義者バニー・サンダース派の28歳の女性オカシオコルテス氏が現職を破っている。
 未来社会は決して見捨てたものではない。

2018年7月17日火曜日

たぎつ

   万葉学者の上野誠先生の本によると、万葉言葉の「たぎつ」とは水が激流となって流れることをいう・・とあり、そういうところには神の力が顕れるので天皇は離宮を建てたと解説している。(吉野の宮滝?)
 この万葉言葉は99%死語になっているが「お湯が煮えたぎる」の「たぎる」に「化石的に残存」しているとも・・・。

撮影は田中龍作氏
マスコミはこのように「やってる感」を広報した
   目の前の温度計が37℃を指している部屋でこの記事を書いている上に、政府がお膳立てした広報記事を振りまくマスコミに、腹の中まで煮えたぎっている。

 例の安倍首相の被災地訪問記事である。
   悲惨な現地は避け、
   比較的余裕のある避難所を選定し、
 直前にエアコンが設置され、
 大勢のスタッフが事前に乗り込み、
 体育館の舞台上に報道陣を囲い込み、その目の前で選挙ポスターよろしく映像を撮らせたという。
 日常用語ではこういうのを「ヤラセ」という。
 フリージャーナリスト田中龍作氏が潜入してそういう事実を告発している。

   と、怒ってばかりだと健康に良くないので、孫の凜ちゃんの写真で団扇を作った。
 自分の顔の団扇に不思議そうな顔の凜ちゃんである。
 心の中だけ涼しくなった。

   水撒きを待ってましたと鳥の来て
 野鳥もヘロヘロなのだろう。私がシャワーのように樹々に水を掛けるとイソヒヨドリ等の野鳥が「待ってました」とばかりに飛び込んでくる。

2018年7月16日月曜日

6年越しの答 なら町の地蔵盆

   2012年7月26日に『なら町の地蔵盆』というのをこのブログに書き、「新暦7月にお盆だという東京風には今も馴染めない」し、同様に「なら町の地蔵盆も7月であるのはどうも・・・」という気持ちで文章を綴ったが、6年越しでその答えを聴く機会が突然やってきた。

 教えていただいた奈良大学史学科村上紀夫准教授によると、京都の地蔵盆の史料では、1655年没の鈴木正三の『反古集』や、1674年の『山城四季物語』、1676年の黒川道祐『日次紀事』等に「近頃始まった」旨見られるとおり、近世の「無仏世界※の地蔵信仰」が広まった京都で、町という共同体が地蔵信仰を担って定着していった。(※釈迦が入滅してから弥勒菩薩(みろくぼさつ)が出現するまでの世界。この間は地蔵菩薩が衆生を救うという)
 熊野比丘尼の絵解きなども大いにこの地蔵信仰を広めた。
 そして旧暦7月(新暦8月)のお盆の行事と絡んで旧暦7月(新暦8月)の地蔵菩薩の縁日24日に行われるようになり、滋賀、大阪、兵庫、福井に広がった。(近畿以外にはほとんどない)

 それに対して奈良(なら町や奈良市周辺)では、『大乗院寺社雑事記』に「毎月24日に地蔵法楽・地蔵講」とあり、興福寺大乗院門跡尋尊が1472年からなら町周辺の地蔵尊の霊験を書き留め、1478年には福智院地蔵堂修理のための勧進聖(善久をリーダーとする6人)を仰せつけ、その勧進聖が6万躰のお札を配って歩いた。特に福智院の地蔵について「此地蔵の腹内に春日大明神御作の地蔵奉納之云々」と、春日社、興福寺あげての布教が進んだ。時代的にも起源も京とは別に・・・
 そのうちに「毎月24日」が整理され、江戸時代には旧暦6月(新暦7月)が主たる地蔵法楽となった。

 以上のとおり、6年前に私が類推した「明治の旧暦から新暦への切り替え時になら町が新暦に乗った」ものではなく、元々ルーツの異なるなら町の地蔵盆はそもそも旧暦6月の行事だったのだ。
 その後の府県を超えた交流の中で、行事の形態はお互いに影響し合ってよく似たものになっていったが、重ねて言うが、京の町衆の行事と、奈良興福寺・春日社主導の行事は別物であったのだ。

 以上、全くもって現代社会の諸問題とはほとんど関係のない話であるが、6年間引っかかっていた小骨が取れたような気分になっている。

   宿題の憂鬱提げて地蔵盆
 8月24日の地蔵盆は夏休み最終盤の楽しい行事だが、夏休みの終了を告げる予鈴でもあった。

2018年7月15日日曜日

人差し指が親指に勝った

 伊藤千尋著『9条を活かす日本』という本の感想を、日本共産党大阪府委員会中村 正男副委員長がFBに載せていた。

  (中村)「人差し指が親指に勝った」――韓国の話です
 ある会議でSNSが話題になり、「韓国では、『人差し指が親指に勝った』という話がある」と、実は最近読んだ伊藤千尋『9条を活かす日本――15%が社会を変える』からの受け売りを話しました。
 ▼スマホの使い方です。若者は親指でササっと操作するが年配者は人差し指でチョンチョンと入力する。
 ▼ソウル市庁舎前のキャンドル集会(毎土曜日で最高170万人!)でも、その力になったのがインターネット。群衆の写真が発信され、「自分も参加しよう」と次々と増えていく。
 ▼そして選挙の際に若者と年配者のどちらがスマホで多く発信したかを調べると年配者が優っていたそうです。そこで「人差し指が親指に勝った」という話に。
 ▼「メディアが発信してくれない」ではなく、「自分らでメディアを動かそう」と。
 ▼伊藤さんは、日本の年配者もすぐに契約をと語る。使い方は若者に教わればいい。それで世代間交流もできると。これからという方の背中を押しましょう。(引用おわり)

 非常に教訓的な話だが、この話を一番聞いてほしい人々はFBなど読んでいない。ああ。


   私の住んでいる町はイオンのショッピングモールのすぐ隣に結構大きな近商ストアが潰れずに残っている。高齢者は近商ストアの規模が使い勝手が良いと好評だ。棲み分けだ。
 そこへ行ったとき、私より高齢の婦人が「ラインを始めたという連絡があった」という話を楽しく立ち話していた。へえ~ラインを?!と心の中で驚いたが、半分は納得した。

 というのも、妻もラインを始めており、無料でメールや通話を楽しんでいる。
 立ち上げは息子や娘が先生だったが、スタンプや面白い写真などは孫の夏ちゃんが先生である。スマホを持っていない夏ちゃんが何故知っているのかは謎である。
 で、妻の学んだことを私が伝達研修よろしく教えてもらっている。
 写真は「面白写真」だが、私も夏ちゃんの指導で一瞬にしてこれを作ることができた。
 妻が人差し指でSNSを活用する日も遠くないことだろう。
 世の人差し指、ガンバレ! でも、一番読んでほしい”人差し指”はこの文を読むこともない。
 オールドリベラリスト どうする。

   こうするねん孫に従うスマホかな

2018年7月14日土曜日

焼きが回った

   毎日のように出入りしている掃き出し窓(庭への出入口)すぐ横のガーデンストッカー(小さな物入)の奥に知らないうちにアシナガ蜂が巣を作っていた。
 そういえばよく蜂が飛んでいたが「巣作り候補地を探しているのか」と気に留めていなかった。
 それが私がストッカーを少し動かしたものだから蜂が飛び出してきて、そして前触れなく私の首を刺した。

 犯人特定のため後で写真を撮ったが、セグロアシナガバチのようだ(キアシ・・かも知れないが不知)。
 スズメバチの仲間であり、日本のアシナガバチの中では最大で、攻撃性がやや強いとある。毒性と痛みはスズメバチよりも強かったりするので注意ともある。

 この種の蜂には若い頃などに何度も刺されたことがあり、一時は腕がパンパンに張れたこともあったから、アナフラキシーショックを少し心配したが、幸いに重症ではなさそうだ。

   結果として巣も捨ててしまったが、こちらが蜂に向かっているのでもないのに刺されたのが少々ショックだった。昔昆虫少年も焼きが回ったものである。

 冒頭に書いたとおり、日頃から庭に出入りしていた場所である。孫たちも同様だ。そう考えると、孫たちでなく私で良かった。大難小難大難小難。

 アシナガバチは家屋周辺によく巣をつくる。
 人間にとっての害虫を食べるのでその面では益虫でもある。
 とはいっても自然は自然。共存共栄は言うほどは易くないと思いっきり知らされた。
 義母はこの幼虫を指でつまんでおやつみたいに食べたという。首を刺された後ではそんな気は起らなかった。

   きりぎりす昔どおりの歌い方

2018年7月13日金曜日

奈良時代の女性

 先日、小笠原好彦先生から主として考古学から見た「奈良時代の宮廷と女性官人の活動」という講義を受けた。
 律令制度のお手本の(唐ほか歴代)中国では後宮(こうきゅう)は宦官(かんがん)が取り仕切っていて、女性官人は官位さえ授けられなかった。
 それに対して日本(奈良時代)では宦官という制度を採り入れなかっただけでなく、畿内の5位以上の官人の娘や妹が女嬬(にょじゅう)、地方郡司の娘や妹が采女(うねめ)として女性がその職に就き、橘三千代の娘で藤原房前の室となった無漏女王(むろのひめみこ)などは従3位にも昇格した。普通に通勤して働いていたようだ。

 勉強不足の私などは、後宮というと徳川幕府の大奥のイメージだったが、詔勅(しょうちょく)等は、後宮の内侍司(ないしのつかさ)が中務省の男性官人とすり合わせて作成し、完成したなら各省に徹底(宣伝)したのは内侍司の女嬬100人であった。

   近頃、天皇退位問題などでは「伝統」の名の下に大手を振って「男尊女卑」が首相はじめ右寄りの人々から語られるし、シングルマザーの貧困など賃金や雇用制度の不均衡はいっこうに放置されたままだが、ほんとうの日本の歴史・伝統を見れば、この逞しさをこそ誇るべきではないだろうか。

 ところで、奈良公園を歩いていると修学旅行生と思われる集団とよくすれ違う。
 そして、奈良県に「熱中症の警報」が発令されている炎天下、ベストを着用した女子高校生の集団が汗だくだった。
 先生も生徒も「おかしい」と考えないのだろうか。
 真綿にくるまれたファシズムを想起してしまう。
 奈良時代人の意識は低く現代人の意識は高いなどというのも正確ではない。

 写真は国宝「平城宮木簡第1号」。孝謙太上天皇の女官「竹波命婦(つくばのみょうぶ)」が大膳職(だいぜんしき)に食材を要求している。竹波=筑波の采女で、命婦とは5位以上の女官のこと。

   空調の母は聖母月知らず

2018年7月12日木曜日

亡国の内閣

 オウム死刑囚の死刑執行や地震や豪雨のニュースを見て、平成7年の地下鉄サリン事件や阪神大震災をフラッシュバックのように思い出す。
 阪神大震災では今から考えると無茶を重ねて出勤すると、私の職業生活では未経験の出来事が次から次へと発生し、東京とも勿論兵庫とも連絡が取れない中で業務に没頭した。
 その日は給与支払い日であったから、その部署の職員も必死に対応した。
 しがない地方のノンキャリアだが皆んな真面目に献身した。

熊本日日新聞
   さて23年後の7月である。
 7月4日14時、台風でもないのに気象庁が東京と大阪で異例の記者会見で注意喚起。
 20時には大阪兵庫など3府県20万人に避難勧告。
 そのとき安倍総理、翌日の死刑執行を指示した法相、防衛相、復興相ら自民党約50人が宴会を行い楽し気にSNSにアップした。

 その後各地に大雨特別警報や避難勧告が発令。
 7月6日深夜には死者、行方不明者多数を含む被害のニュースが報じられた。
 7月7日10時、大雨に関する閣僚会議が開かれるも、12時前に総理は私邸に帰宅。午後は来客なし。
 7月8日8時、気象庁異例の記者会見から66時間後、政府はようやく災害対策本部を設置。総理は9時から20分間出席。
 7月9日、野党5党が災害対応最優先を総理に申し入れるも与党は拒否。
 7月10日には国会でカジノ法案審議を強行。土砂災害の担当大臣である国土交通相が張り付く事態。

 この内閣の危機管理能力はゼロである。何が国を守る!だ。
 23年前、しがない職員は寝食を忘れて取り組んだぞ。情けない。
 公明党の国土交通相も、仮に与党からの要請があったとしても「今は災害対応を優先させてくれ」というのが人の道、仏の道ではないのか。

   炎昼を知らず幼児入院す

2018年7月11日水曜日

それでも陽は上る

   日曜日、近所の方と「無事でよかったですね」と会話した。
 地震にしても豪雨にしても地図上では被災地とそう遠くない。しかし、その数キロで天と地ほどの違いが出ている。

 昔、住宅地を探したことがある。
 そんなとき、私の組めるローンで買える土地というのは限られていた。多くは急な崖を造成したような土地だった。
 あのとき購入していたら…と考え込む。

 それともう一つ、被災する年齢ということがある。
 社会一般の損害額の計算では、余命年数の短い高齢者の損害は少なくなる。
 しかし、若いときなら「よし再出発だ」となるところでも、歳をとってからのショックは大きい。
 この「損害額」を誰か公式にしてくれないものだろうか。

   なにしろ自然のパワーは怖ろしいし逞しい。
 豪雨が済んだら庭にヤブカンゾウ(?)が咲いていた。
 いつも言うのだが、この親類種が旅行先の高原で咲いていようものなら「高山植物だ」「ニッコウキスゲだろうか」などと注目されるが、平地で咲いていては見向きもされない。そんなものである。

   豪雨が止んだら、クチナシが「卯の花腐しならぬクチナシ腐し」になっていた。
 少しマシなのは1~2輪だったが、それでも周囲に芳香を放っていた。

 〽くちなしの花 は私の持ち歌ではなかったが、友人がよく歌っていたので門前の小僧よろしく私も歌える。
 確かに芳香といい、和的な白さといい歌詞に似合っている。

   豪雨過ぎ夏野菜達のすくすくと

2018年7月10日火曜日

アベはトランプの赤子(せきし)

米軍基地が一見身近ではない大阪周辺では鈍感になってしまうが、全国ではオスプレイをはじめとする米軍機が圧倒的優先的に頭上を飛び回り、事故を起こしてもすぐに再開し、日本政府は何も言えない。

 という構図を作っているのが安保条約に付随する日米地位協定で、大ベストセラー白井聡著『国体論』によると、その不平等性は、明白にアメリカの傀儡であり首都周辺の一部地域しか実効支配できていないアフガン政府の地位よりも低い。あのイラク政府よりも、もちろん韓国よりも・・・。

 つまり、国力やアメリカへの依存度で話にもならない弱小国でも持っている独立国の誇りのようなものが日本政府にはない。その理由を『国体論』は追及している。
 トランプが「あらゆる選択肢を排除しない」というと「全面的に支持する」といい、「金正恩と対話する」というと「支持」、「会談しないかも」というと「100%支持」、会談したら「支持」という安倍晋三は世界中の笑いものになっている。

 トランプとのゴルフの最中にバンカーで何回もスッテンコロリンしたことは本来は何ということもないが、あまりに有名な安倍晋三の対米従属ぶりを世界中から笑われることは日本国民として嬉しいことではない。

 一番重要なことは、このような植民地の(彼等流の言葉でいうなら)土人並み(あえてこういう差別的言葉を使うが)の扱いをされているのに、当の日本人の多数がそれを知らず、自分たちは先進国国民扱いされていると盲信していることではないだろうか。

   王様は裸との声五月闇


   民は避難し既に被災者も出ていた夜。法相は死刑執行を命じていた夜。5日の夜。
 王様たちは宴に酔いそれを楽し気にアップしていた。
 これについてはブログ記事何枚もの言いたいことがあるが・・・、
 一言いえば、恥を知りなさい!

2018年7月9日月曜日

オウム7人の死刑執行

   七月六日、オウムの麻原彰晃こと松本元代表ら七人の死刑執行というニュースを聞いて思い出したことがある。
坂本弁護士一家殺害事件の折り、坂本弁護士が既に公然とオウムと争っていたことや、事件現場にオウムのバッジが落ちていたにも拘らず神奈川県警は、国労弾圧事件や共産党幹部宅盗聴事件で警察を追及していた自由法曹団・坂本弁護士ゆえにだろう、異常に捜査をネグレクトした。この意図的なネグレクトがなかったなら後の大量の死者や被害者の発生が防げたのは間違いない。

また、山梨県上九一色村(かみくいしきむら)の共産党竹内村議は一貫してオウムの危険性と違法行為を追及し、松本サリン事件の折も「あれはオウムだ」と訴えていたが警察はその声を聞かなかった。その挙句が地下鉄サリン事件だった。
残念ながら結果は実らなかったが、このようにタブーなく真実のために闘い抜いた共産党員の奮闘は記憶しておきたい。

順不同で最後は松本サリン事件である。
私自身はけっこう新聞を読み、当時オウムを追っかけていた週刊誌の記事も読んでいたので「これはオウムだ」と考えた。
しかし、新聞テレビが洪水のように河野さんが怪しいという「証拠」を流すものだから、オウムはオウムとしてこれは「河野事件」かも知れないと半分以上信じてしまった。痛恨の記憶である。”マスコミ挙げての世論誘導は可能だ、現代人といえども人間は騙される”と心の底から反省した。
それゆえに、その後のニュースは「これは松本サリン事件」と同じ報道ではないのかと自問することにした。その折の羅針盤は赤旗になっている。

識者の声を聞くと、今回の死刑執行は井上嘉浩死刑囚の抹殺が目的ではないかという意見がある。
物的証拠の乏しいオウム事件では、その多くが証言に依っているが、そのまた多くが異常に井上証言に依っている。井上に対して司法取引に似た甘言又は洗脳で証言させ、事件のストーリーを仕立て上げた可能性が指摘されている。
その井上が「事実を明らかにしたい」と再審請求した途端に東京拘置所のオウム関連の死刑囚を全国にバラまき、そして今度の死刑執行というのではないかという。
この説を全面的に論評するだけの知識は私にはない。そのため、そういう意見があるという紹介に留めておく。しかし、検討してみる価値はあるようだ。

  豪雨一過熊蝉つれて油照り

   今日から怒涛のイクジイ週間が始まる。そして今日はミニコミ紙の原稿締切日。きっと最後の原稿がドドッとくるだろう。四の五の言っていられない。言い訳が通じる年齢ではない。・・・と気合を入れている。

2018年7月8日日曜日

自然災害に思う

   先日の大阪北部地震といい今般の歴史的豪雨といい、自然の力は想像を絶する。被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

 そういう現実を見ていて私は先日の、首都大学東京(東京都立大学)堀信行名誉教授(地理学)の講義を思い出した。

 タイムスパンは相当長いが、先生曰く「日本列島というのはロッキー山脈やアンデス山脈の頂上付近と変わらないんだ」と。
 要するにプレートの衝突で盛り上がった山脈の頂上付近なので、日本列島はたまたま下層が海の中で見えないだけだと。

 だから、こういう山脈に沿っては無数の活断層があり、平野というのも、地震や洪水で山から落ちてきた土砂が谷などに埋まっているのが平野なんだと。(河内平野や奈良盆地を例にして)

 そして、わが家の近くの木津川の話になり「なぜ木津川は木津川市で異常に北上しているか」と続けられた。
 土壌の調査では、木津川は元々奈良盆地へ流れていた。しかし、太平洋プレートの圧力で紀伊半島全体が押し上げられて、紀伊半島全体がシーソーのように南方が隆起したときに木津川は北上したのだと・・・。
 桁違いに恐ろしい力(パワー)の話である。

 先祖が日本列島に住み着いた宿命かも知れないが、とはいえ日本国は既にこれだけの「先進国」ではないか。
 迎撃ミサイルだカジノだなどと言わずに政治は生活基盤を充実させるのが肝要だろう。
 そして、誠実な学問の目で見直すならば、こんな火山列島に原発を造るなどというのは狂気の沙汰ではないだろうか。
 「あらゆる災害が想定内だ」というなら、この現実をなんと見る。

2018年7月7日土曜日

治郎吉もびっくり

   以下の記事は大門みきし参議院議員のFBを大いに参考にして記述する。
 江戸時代の窃盗犯、ねずみ小僧治郎吉(1797ー1832)は、汚職大名や悪徳商家から盗んだお金を貧しい庶民にばらまいた。その使途の「公益性」から庶民は「義賊」と言った。
 違法行為である賭博(とばく)が、なぜ「公営ギャンブル」にだけ認められているのか。その理由はねずみ小僧と同じだ。【法務省の「賭博が違法とされないための八要件」参照】
 私人が賭博場を開き、上がりを自分の懐に入れればただの犯罪だが、地方自治体などがおこなう「公営ギャンブル」は、賭博の上がりを住民サービスに使うから「公益性」があり、違法性が減じられるという理屈だ。

 しかし1967年、東京都知事に当選した美濃部亮吉さんは「使途が良ければ違法行為が許されるというものではない。ねずみ小僧も犯罪者に変わりはない」と主張。「公営ギャンブル」を倫理の観点からきびしく批判した。
 獄門(さらしくび)にあっても所得の再分配を果たし英雄気分でこの世を去ったであろうねずみ小僧治郎吉にすれば、まさかあとあと革新系の人に批判されるとは思わなかっただろう。

 それはさておき、ねずみ小僧以前の、ただの犯罪である民営賭博を認めようというのが、今回の「カジノ実施法」で、「公益性」のひとかけらもない。
 粗利益の七割がカジノ企業に、実態は株主配当として会長一族(ファミリー)にというのだからねずみ小僧もびっくり。

 それでも外国人観光客が増えて経済が活性化するという主張があるが、2011年から2016年の外国人観光客の伸びは、お手本のシンガポールが124%、それに対してカジノのない日本は386%(大阪は595%)となっている。

 こんなモラル崩壊の法案の担当大臣が公明党というのが情けない。「与党の中からブレーキをかける」という嘘も極まった。
 こんな悪法を押し通そうとする自民、公明、維新の人たちは、ねずみ小僧以下ではないだろうか。
 「一身の安堵を思わば、まず四表(しひょう)の静謐(せいひつ)を祈るべし〔自らの幸せのためにも、広く社会全体が平穏無事であるよう願い、そのような世の中になるために皆努力するべきだ〕」と申された日蓮上人も泣かれていないか。

2018年7月6日金曜日

上町筋の夏祭り

 大阪市内は夏祭りの真っ最中である。それは道路に立てられている「〇〇神社夏祭 氏子中」の幟で判る。
   上本町(六丁目)から馬場町までバスに乗って見ていると・・・、
 先ず上六の東北には東高津宮の幟が目についた。
 ここは元々父母や兄姉が戦前まで住んでいた街である。東高津宮の鳥居には寄進者の一人として父の名が残っている。
 上町筋の西側は生國魂神社の幟がずーと続く。
 生國魂神社は大阪中心部の神社でその氏地?で私は何回も勤務した経験がある。
 そして生國魂神社の氏地?と重なって高津宮の幟、北大江神社の幟が立つ。
 高津宮は落語「高津の富」で超有名。
 北大江神社は労働組合の事務所が氏地?にある。
 東側は玉造稲荷神社の幟。落語「東の旅」つまり浪速から伊勢参りの出発点。

 その日はバスを降りてから平和行進を歩いたが、天満橋を西へ土佐堀通を通るとエル・おおさかの東に坐摩(いかすり)神社の行宮がある。秀吉以前は此処が本宮であった。ここに鎮座石があるのでこの地を石町という。
 その後、天満の天神さんの天神祭りの神事で有名な鉾流橋まで行った。
 ここ天満の地での勤務経験もある。

 歴史的には「氏子中」や「氏地」というのは厳密にはおかしいかもしれないが、今では一般にその土地の神、その土地の子で通っている。
 ある日のある一瞬の見聞記だが、いったい大阪市内にはいくつ神社がありいくつ夏祭りがあるのだろう。
 7月末にその大阪の夏祭りの最後を締めるのは住吉さんであり、その行宮(御旅所)が堺のど真ん中にある。
 住吉を出発した神輿が大和川の川の中を練って堺に渡るのが復活したのは嬉しい。

 それで夏祭りは終わるが、翌日からあちこちで秋祭りが行われる。
 まあ一年中どこかの神社で祭があり、一神教の社会から見るとわれわれは異常なお祭り民族らしい。

2018年7月5日木曜日

憲法問題も面白い

 7月1日に書いたとおり、5月6月と木村草太氏の講演を2回受講した。
 2回目の講演の折りに『憲法の創造力』(NHK出版新書)を購入したが、この本が予想に反して(笑)非常に面白かった。
 目次を紹介する。
 はしがき―憲法を創る
 序 章 憲法とは何か?
 第一章 君が代不起立問題の視点―なぜ式典で国歌を斉唱するのか?
 第二章 一人一票だとどんな良いことがあるのか?
 第三章 最高裁判所は国民をナメているのか?―裁判員制度合憲の条件
 第四章 日本的多神教と政教分離
 第五章 生存権保障の三つのステップ―憲法25条1項を本気で考える
 第六章 公務員の政治的行為の何が悪いのか?―国民のシンライという偏見・差別
 終 章 憲法9条の創造力

   全体には非常に面白かったが「一人一票」で「一人別枠制も可」との論旨には大いに納得できなかった。このことについては別途書いてみたい。

 それ以外は、いわゆる違憲訴訟の原告団の主張にも(理論的な)批判が随所にあり刺激的だった。

 この本は購入して一読しておく価値があると思う。
 世の中には「通説」「大原則」と言われて疑うことを忘れていることがある。面白い。

2018年7月4日水曜日

私ひとりぐらい

 先日から体調が絶不調である。
 最高レベルの下痢が続いて床とトイレを往復している。
 悪寒、節々の痛みがあるから風邪が腸に来ているのかもしれない。
 絶不調である。

 今日は、『核兵器のない世界、非核の日本を! 国民平和大行進2018』に参加する予定だが、「しんどいなあ」という気がもたげてくる。そんなときには「私ひとりぐらい参加しなくても大勢に影響はないだろう」という言い訳が喉まで出かかる。
 それによく似た言葉は現役の労働組合役員のときによく聞いた。「歩くだけで核がなくなるとは思われへん」だ。

   ところが、ちょうど一年前の7月7日、ついに国連で核兵器禁止条約が採択されたのだ。
 超有名人や世界的権力者がそう言ったからそうなったのではない。文字どおり、ヒバクシャをはじめ、世界中の名もない人々の平和運動が世界を動かしたのだ。
JAPAN
 wish you were here
    そんな世界史的な出来事に私たちは参加することができたのだ。この一点だけでも私は生を終えるときに満足できる。

 「祓」の団扇も用意した。ミニメガホンも用意した。折鶴バッジも、コールの原稿も・・・。
 今日はできるだけ歩くことにしたいが、しかし、途中までになるかも知れないのは勘弁してもらおう。
 連日、熱中症厳重警戒~危険警報が発令されている。

2018年7月3日火曜日

空飛ぶタイヤ

 日本共産党は政党助成金を全く受領せず、赤旗の新聞広告でも大企業の広告を一切受けていない。
 選挙の供託金は世界でも例がないほど高額だし、喉から手が出るほど資金が欲しいから、貰えるものは貰っておいて言いたいことは言えばいいではないかとの意見もある。
 しかし、痩せ我慢というか、武士は食わねど高楊枝というか、そこは愚直に操を守っている。
 一方、庶民の味方を歌い文句にしているある党の最大支持層である某宗教団体の機関紙には大企業の広告がずらりと並んでいる。
 その限りでは毎日、朝日、讀賣、産経も同じである。
 その差がはっきりしている出来事が映画になった。
 「空飛ぶタイヤ」である。
 赤旗のコラムを一読していただきたい。
 共産党と赤旗の奮闘が無ければこの映画の原作はなかった。


2018年7月2日月曜日

蚊遣火

 7月1日、日曜日の朝のNHK俳句の季題は『蚊遣火(かやりび)』だった。
   蚊取り線香は見た目には風情があるが、現代の大方の蚊取り線香の効能は化学薬品(要するに殺虫剤)に因っている。そんなものだから、体の弱い孫が来る日などには使用しないでいる。

 しかし、俳句を聴いているうちに懐かしくなり、今日はその孫も来ない日だし、早朝で蚊など一匹も見当たらないけれど蚊遣りを使いたくなった。
 で、いくつかの蚊遣りの中から青蛙の蚊遣りを引っ張り出してきた。
 香道などには程遠いが「これぞ夏!」という季節を味わった。
 7月1日という良い区切りがついた。

 さて、天気によって気分が晴れたり鬱になったりするのは病気ではなくごく普通のことである。専門書にも書かれているが、そんなことはわざわざ教えていただかなくっても知っている。

 「梅雨明け十日」は晴天の確率が高く、若い頃はこの頃によく山に登った。気分がよかった。
 見込み違いで梅雨の最終コースになった年は豪雨に悩まされた。

 7月1日の日曜日はそういう「梅雨明け十日」を思わせる朝だった。
 そのせいか、義母の老人ホームに行くと、どういう訳か義母も部屋の多くの方々も妙にハイだった。
 義母も食欲があり、いろんな質問を投げかけてきた。
 「学校には行かんでもええのか」と聞くから、頭の中の義母は小学生だろうか。
 そういうことを娘婿と話していて矛盾が生じないのが超高齢者の特権かも知れない。

 それで思い出したが、「座敷童(ざしきわらし)の出る家は幸福だ」と聞いたことがある。
 座敷童が見えるぐらいの長寿だということらしい。(座敷童の見えるのは、ある種の認知症の一症状らしい)
 こんな気候がいつまでも続いてくれればいいのだが。

 「われわれはこれから学校やから」とシュールに言って老人ホームを後にした。

2018年7月1日日曜日

改憲論議・半分青い

 5月に続いて木村草太氏の講演第2弾を受講した。
 実証的で論理的なその内容を一言でいうのは憚られるが、あえてピックアップすれば次のようなことが心に染みた。

1 国会法68条の3は「憲法改正原案の発議に当たっては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとする」とあるから、「合区」だとか「教育費」だとか抱き合わせて騙そうとしてもそうはならない。

2 自民党が提案する9条と自衛隊明記は次の3案のいずれかになる。
 ① 国際法上許される全ての武力行使を認め国防軍を創設する。
   この案の支持者は少なく、可決は絶望的だろう。
 ② 個別的自衛権+集団的自衛権を容認する。
   これは事実上強行した安保法制を国民投票にかけることになる。
 ③ 従来の「専守防衛」の個別的自衛権の自衛隊とする。
   この案だと安保法制の違憲が明確になる。

 以上のとおり、どの案も難題山積で、結局、自衛隊の任務を曖昧にして発議して、可決後に「集団的自衛権も認められた」と国民を騙す、卑怯な手を使うだろう。

 よってリベラルというか良識を大事にしたい国民は、漠然とした話の土俵に乗るのでなく、自民党の提案内容を徹底して明らかにすることが必要だ。
 そうすれば自ずと9条改憲の矛盾は国民によって否決されるだろう。

   話はこんな簡単なものでなかったが、ブログの字数に圧縮したらこういうあたりが頭に残った。
 虚構の安倍一強で悪法が成立していく中で気落ちしないと言えば嘘になるが、「国民投票するならやってみろ」という元気が出てきた講演だった。

 いうならば、悪法成立で一旦は体中がグレイになったが、勉強したら私も頭の方から緑色になりつつある。
 例の吉城園でそういう体色変化途中のモリアオガエルを見つけた。
 朝ドラの「半分青い」というタイトルが頭をよぎった。