2010年11月29日月曜日

カワラヒワはシロだ

柿の実を食べたのは誰だ
 「柿の実は全部採ったらあかん。二つは旅人のために、一つはカラスのために残さなあかん。」とはこの地の古老の言い伝えで、・・・・秋空に輝いている数個の“木守柿”は心地よいものです。

 と、言えるのもそこそこの実がなっておればこそで、昨年、豊作に油断してたくさんの実が熟すまで放っておいたのが祟ってか今年は大不作。そして、その中の一つが見事に齧られてしまいました。
  
カワラヒワはシロだ

 目の前の電線にカワラヒワが集団でヒリヒリヒリヒリ・・と鳴いていて、以前、コゲラ(キツツキ)が柿の実を食べているのを見て“事実は教科書よりも奇なり”と感じたことを思い出し、一瞬疑いましたが、横からバサバサとやってきて突いたのはヒヨドリでした。納得。

 
 疑いの晴れたカワラヒワは、ヒリヒリヒリヒリ ビユ~~ンと鳴いた後、綺麗な羽の模様を見せながら飛び去りました。
 
 晩秋の山城はのどかです。

  なお、ヒヨドリ一派にはメジロも属しています。
 


2010年11月27日土曜日

チムニーはお父さんの玩具

 子供たちが帰ってくるときには魚介類やラム肉だけを買ってきてBBQにすれば準備が簡単だというのが近頃の我が夫婦の思考のパターンです。 
 でも、この手が使えるのは冬に限り、正確にいえば晩秋からGWまでに限ります。なぜなら、この外の季節の我が家は蚊があまりにうるさくて、BBQどころでないからです。
 しかし、冬のBBQの最大の難敵が寒さであるのは当然で、詰まるところしっかりと厚着する以外にないのですが、もうチョッと心持暖かくならないかと用意しているのが写真のメキシカンチムニーで、要するに屋外用の薪や炭使用の暖炉です。正直、目で暖をとる類のものですが、小春日和の庭先で晴耕雨読にふけるにはお気に入りの玩具です。妻は「お父さんの玩具」と鼻で笑っています・・・・・。
 この時期は、一晩で50㍑ゴミ袋×10袋は下らない欅の落葉を焚き火よろしく燃やしたい衝動に駆られますが、ご近所のクレームが怖くて我慢しています。
 もっと寒くなれば、本格的に薪をくべたいと思っています。本当の薪の匂いって何んともいえずいいものですから、これなら文句は来ないでしょう。
 下の写真は豆炭です。豆炭なんて、もう都会では購入さえできないでしょうが・・・・
 
 

 

2010年11月23日火曜日

神農さんの張子の虎

  大阪のお祭りは「えべっさん」に始まって「しんのうさん」に終わるといわれます。
  大阪市内のど真ん中、船場、道修町(どしょうまち)の「少彦名(すくなひこな)神社」は「神農さん」として親しまれ、神農祭の今日は、正倉院展なみの順番待ちでようやく参拝できました。

  五葉の笹に付けられた張子の虎を求めると、巫女さんが「無病息災、家内安全、ご利益がありますように! ようお参りいただきました。」と個別に鈴を振ってくれましたので、通常の寺社の縁起物よりも“ありがた~い”気に・・・・。

  現代社会の病巣は、コレラ退治の張子の虎をもってしても治療しがたいほど重篤ですが、「せめて親類縁者には大難小難、大難小難」と極めて小市民的にお願いしました。

2010年11月22日月曜日

姫林檎 リンゴが教えてくれたこと

 カナディアン メイプルの脇の「姫林檎」が豊作?ですが、もちろん観賞用のため何時までも晩秋の庭を飾っています。
 
 友人のブログに「昔?は緑茶に味の素が混ぜられていた」という嫌な話がありましたが、木村秋則氏著「リンゴが教えてくれたこと」(日経プレミアシリーズ)の序章の農薬のえげつなさには震えがきます。
 そして自殺寸前までの完全無農薬・無肥料栽培に至る苦闘また苦闘には、「こりゃ相当の変人だな」と感心しつつも、毎年イラガに刺されて、柿の木を坊主にさせられる身に置き換えて、頭が下がります。
 「リンゴが教えてくれたこと」は、文章の紙背に魂がこもっているという意味で名著です。
 
 
 

2010年11月20日土曜日

紅葉の奈良でいろいろ感心した

  紅葉といえば鹿でしょうが、角を切られた牡鹿はなんとなく間抜けなもので、なんとなく己が姿とダブって見えてブルブル。
 
 昨日は春日大社の花山院(かさんのいん)宮司の「春日の信仰」という講演を拝聴しましたが、正直に言えば「地元の中小企業の親父さん向き(失礼)の内容でした。ただ、脱線した話・・・「花山院家のいろんなご先祖の逸話」や「お能と春日大社の関連」等面白い話も少なくなく総じて満足しました。

 今日は、松本清張の『火の路』を巡る講義・・・・飛鳥の拝火教・・・を国文学の立場から・・を受講し、これも知的刺激の大きなものでした。
 私は近頃、故福永光司氏の著された日本文化の中の道教に興味があり、拝火教(祆教・ゾロアスター教)が直接ペルシャ人によって伝えられた(松本清張はそのように考えていた?)というよりも、一般的な仏教や陰陽道(これ自体道教)の中に包み込まれて渡来してきて日本の深層文化の一翼を担っているとの感想を抱いていますが、この勉強は先が長そうです。
 
 「道教が日本文化の深層を構成している」との論は、天皇や神道の神聖性維持の上からは許し難いとお考えの人から圧力を受けているようですが、それ故に避けて通ってはいけない問題だと思います。
 素直に見れば、日本の年中行事って、その多くが道教に由来しています。


 閑話休題
 紅葉といえば、・・・・今秋、平成中村座に行きました。大阪城の文字どおりの芝の上、その「紅葉狩」のクライマックスで、アッという大仕掛けが・・・・・・
 中村勘三郎はただ者ではないですね。
 観劇の女性陣も紅葉に負けず劣らず艶やか。それに比べて男性の総じてくすんでいること。平均寿命の圧倒的差異が納得、納得。
 やっぱり 紅葉はいいものですね。 

2010年11月19日金曜日

藤原宮、平城宮、恭仁宮

 今朝、毎日新聞ほか新聞各社が、「大嘗宮 藤原宮跡で建物跡発見は誤り 奈良文研が訂正」と・・いかにも“なにをしてんねん”というような雰囲気の記事を掲載しました。
 奈良文化財研究所が、7月に調査の中間段階で発表したものを、より検証したところ“そうではなかった”と訂正・謝罪したもので、冷静に報道すればよいだけのものだと思いますが、何か大新聞の“上から目線”が気になります。
 
 そうであれば、少し嫌みになりますが、10月23日の毎日の記事(右の写真)は何でしょう。
 「柱跡発見で、恭仁宮の大極殿院は平城宮と酷似・・・」と、、!!!
 
 あれれ、平城宮第一次大極殿院の柱跡なんて、そもそもあったのですか? 平城宮大極殿はたしか基壇跡は発掘されたが、基壇の上の柱跡は、礎石も全部移築されたため不明のはず。
 ですから、平城遷都1300年祭で有名になった“復元された大極殿”は、平城宮から移築された恭仁宮の柱跡(礎石)を基に復元されたものですよね。
 
 それを、ひっくり返して酷似と言ったり、続日本紀の「平城宮の大極殿を恭仁宮に移築した」との記事が裏付けられた・・などという記事はおかしくないですか。
 奈良文研に倣って「あの記事は誤り・・毎日新聞が訂正」という記事を掲載しないのでしょうか。
  

2010年11月15日月曜日

お茶の花が可哀相

 友人が「茶ヤマト」というブログを立ち上げたことに連想して近所の「お茶の研究所」に行ってみた。
 およそ80種類のお茶の木が植えてある。
 宇治茶、静岡茶、八女茶などを遙かに超えてアジア大陸のお茶の木々が壮観。
 中にはお茶の花が満開の種類もある。(写真)
 しかし、茶畑の宿命か満開であろうとなかろうと、綺麗な蒲鉾型に刈り揃えられている。
 花を愛でたい当方としては何か可哀相な気持ちになる。

 ・・・・・・「生産者というのはそんな甘いもんやおまへんで!」
 ハイ そのとおり ただの散歩人の感想 感想

2010年11月14日日曜日

帰ってきた雀々

わが家の雀
 刈り入れが終わると、ご無沙汰だった雀の大集団が帰ってきました。
 朝夕にわが家の前の電線に留まり「早く食事の用意をして」とせわしなく叫びます。
 そのうちにご近所から「朝早くから雀がうるさい」というクレームがないかと夫婦で心配しています。
 こんな苦労も知らず、彼ら彼女らは、ちょっとカーテンを開けただけで一斉に餌台から飛び立ち可愛いげがありません。
 ロンドンの雀は人なつっこく「ヨーロッパイエスズメは別種だ」と書いてある本もありますが、日比谷公園松本楼の雀はテーブルまでやってきますから、種類の問題ではないようです。
松本楼の雀・ネットから頂いた
 京阪奈の雀は、そりゃ、つい最近まで田圃で追い回されていたのですから仕方ないかもしれません。





2010年11月12日金曜日

自家製の葉唐辛子はクール

 収穫祭も済んだというのに、近頃の苗はよくできているので、木枯らしが吹いても夏野菜が元気です。
 しかし、いつまでも夏野菜の畑では気分が乗らないので、ようやくトマトと唐辛子を引っこ抜きました。
 
 そして、唐辛子(の実)を収穫したあとの葉っぱがあまりに綺麗なので「葉唐辛子」を作ってみたところ、これが大成功。最初は馬鹿にしていた妻から珍しく褒められました。

 レシピは、とりあえず水で洗う、火を止めた熱湯で少しだけしんなりさせる、酒・濃い口醤油・出汁の素少々・砂糖少々だけで煎るように焚き上げる・・・だけという、いたってシンプルなもの。褒められるほどの技術は不要です。

2010年11月11日木曜日

磯鴫

 「ちんちん千鳥のなく声は」(山口仲美著講談社学術文庫)という名著がありますが、駅前の大規模ショッピングセンター建設の初期、造成地が川原に思えたのか、大型車両の側で巣づくりをしていた千鳥は、ちん ちん ではなく、ピョ ピョ ピョ ピョ と鳴きながら出勤する人たちの頭の上を飛んでいました。
 
 そして、ご推察のとおりスィートホームと子供たち(卵)は、人間様の勝手で、程なく抹殺されてしまいました。

 そして、そして、ほとんどの企業戦士は、(出勤
時の)自分の頭の上の鳴き声に関心を寄せる余
裕もなく、この事実を知らないまま今日もショッピングを楽しんでいます・・・・・・

 今日、川辺を歩いていた折り、ああハクセキレイだな・・とあっさり通り過ぎるところでしたが、何か違うぞ!と感じて凝視をすると写真のとおりのイソシギでした。
 後に飛び立った様も、全くセキレイではなく、シギ・チドリのそれでした。
 シギのやってくる京阪奈の自然はエラい・・と再確認をしたところです。

 ♪ ちんちん千鳥の啼く夜さは 啼く夜さは 硝子戸しめてもまだ寒い まだ寒い

 名著は、「日本人は可憐なチドリが、大好きだった。」と結んでいます。

2010年11月9日火曜日

私は木津川市を支持する

手前が奈良市。向こうは木津川市
 この道は元々旧住都公団が造成した一本の道です。
 田舎道ではない、大規模な住宅地の中の幹線的な道路です。
 この季節はナンキンハゼが赤、黄、緑それぞれに眩しく輝いて素晴らしい「紅葉ロード」です。
 しかし、毎年その紅葉前に奈良市は必ずナンキンハゼの剪定を終えます。必ず。(写真の手前の木々)
 確かめたわけではありませんが(この推定が間違っていたらごめんなさい)、きっと、「落ち葉で道が汚れる前に行政の責任で対処してほしい」という「住民の声」に奈良市は忠実に対応しているのだと考えます。
 「わが家の前に(勝手に)市の(植えた)街路樹の落ち葉が散らかっているじゃないか」という強い意見(クレーム)の前には、「せっかくの紅葉を愛でたかったのに」というような軟弱な住民の声なき声は、木枯らしとともに吹き飛ばされたのでしょう。
 市役所も、「紅葉あってのナンキンハゼでしょう!」「気になるなら、暫くの間ぐらい自分達で掃いてね!」とは口が裂けても言えないのでしょうね。きっと。
 人間の感受性は様々ですから、私などは家の前のケヤキの落ち葉がクルクル回っているのを風情だと感じますが、ご近所のお方は「たまりませんな~」と嘆かれます。本当に世の中には正解のない問題は多いのです。だから、自分と違う考えの方もおられるという観点から眺めると、どうであれ一つの答え(剪定するかしないか)を出さなければならない公務員は大変です。
 なお、私は、落ち葉のリスクを負いながらも紅葉を提供している(写真の中の向こう側の)木津川市を支持します。
 落ち葉をゴミとして潔癖な道路を維持するために紅葉前のナンキンハゼを丸坊主にする奈良市は、歴史、文化、自然を大切にする街らしくありません。
 さて、皆さんが市の責任ある役職者ならどうします?

2010年11月7日日曜日

カナディアン メイプル

 ひと月前には緑だったと思います。
 今は裾の方にかけての黄色から緑のグラデーションが見事です。
 小春日和の日には、この素晴らしいカナディアン メイプルの下で車椅子の母に日光浴を提供します。
 燦々と降りそそぐ光を浴びて「♪燦々と~って美空ひばりが唄うてたな」と言ったのは意外でした。
 へ~ そんな唄知ってたん・・・・
 
 この季節になると山口百恵の秋桜がよくラジオから流れてきます。




 

2010年11月6日土曜日

蝙蝠は貴方の側にいる

 夏の話題ですが、ABCドキハキ金曜の土屋多恵子さんが「京都市内にコウモリは飛んでない」と言っていましたが、絶対にそんなことはありません。興味を持って観察していないだけです。わが妻も昔からあれは雀か蝶ぐらいに考え「コウモリなんか余程の田舎か山にいるものと思いこんでいた」と言っていましたが、「あれはコウモリやで」と教えてからは、毎夕、同じ時刻に同じ方向に出勤する ものすごい数のコウモリを認識できるようになりました。見えていることと認識していることとは全然違うことなのですね。
 それからは、「わが家の上空を出勤するコウモリの自宅と勤務先はいったい何処やろう」と語り合っていましたが、実地調査には踏み出さないまま晩秋を迎えました。

 今日、お向かいのお家に屋根屋さんが来て瓦を剥がしているので尋ねたところ、コウモリが巣を作っていたということで、屋根屋さんが瓦を剥がすとおとなしく眠っていたとのこと。
 お向かいの、それもわが家に向いた屋根の庇にコウモリが棲んでいたことを知らなかったなんて、何という三文ナチュラリスト。土屋多恵子さんを笑うことなどできません。
 生物多様性、自然との共生。
 お向かいには悪いが、もうちょっとそのまま見守ってやってほしかった。
 わが家の換気扇の出口やテントの格納スペースに雀が巣を作ったときには「駆除」してしまいましたが・・・・・・・!!!! アッハッハ

 12月23日追記
 12月23日夕刻、我が家の上空で飛翔しているのを確認。気温10数度なら冬眠から目を覚ますのだろうか。それとも地球温暖化?

2010年11月3日水曜日

ネクタイきりりの四十雀

 ジョウビタキにコメントを頂いた「ひげ親父」さん。野鳥が来るか来ないかは、庭木ではなく、近くに林があるかどうかだと思います。
 ベランダでも、傷んだ果物などを吊しておくと結構来るものです。
 写真は本日訪問してくれたシジュウカラ。ネクタイきりりと美形ですが、これもあまりに日常的すぎて日頃は無視されてかわいそうなものです。
 時々「カラの混群」としてやってくるときがあります。
 「カラの混群」は、エナガ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、コゲラ等が群になってやってくるもので、その賑やかさに心が楽しくなります。
 「カラの混群」の時は、「がんばれ! 雀の小便たんご=イラガ(強烈な毛虫)の繭)をやっつけろ」と応援しています。

呆れ果てられたオキザリス

 夏眠していたオキザリスが満開です。
 何年か前、農家の叔母に「うちらが目の敵にして除草している雑草を庭に植えてるの?」と呆れ果てられた。
 確かに丈夫が取り得のカタバミに違いない。
 あまりに丈夫すぎて可愛いげがなくなったが、夏の草花と交替して庭をカバーしてくれるので除草する気になれない。
 しかし、妻は度々こっそりと引っこ抜いて捨てている。
 

2010年11月2日火曜日

ジョウビタキ今秋初到来

写真はネットから頂いた
 天気図は北風を描いている。
 今朝、庭先でカチカチカチという声?がした。
 ジョウビタキの今秋初めてのご訪問である。
 昨シーズンからのお馴染みの個体だろうか。

 白髪に紋付きを着ているから『尉』、カチカチカチと火打ち石を打つから『火焚』・・でジョウビタキ。よくできた命名なのに近頃の鳥の名はカタカナ表記でかえって特徴が解りにくくなっている。

 ジョウビタキは、毎日同じ時刻に同じ場所にやってくるから、これからの楽しみである。
 ジョウビタキは人家にまでやってくるので見過ごされやすいが、なかなか美しい鳥である。