2018年11月19日月曜日

カジノ万博の末路

 大阪市がいわゆる都構想の経済効果の試算を外部に委託しようとしたところ、世間で知られているまともなシンクタンクは「無理だ」と入札には応じず、嘉悦学園が受注し、結果として経済効果ではなく「歳出削減効果」でお茶を濁した報告書を提出した。
 それを松井知事らが「10年間で最大1兆1千億円」と宣伝するので府・市議会野党が質問するとまともに答えられず、「専門家に聞いてくれ」という馬鹿なことをいうので、そんな非公式でええ加減な場にはいかないと野党は欠席した。

 だいたい政令指定都市(という権限)を失くして新しい産業が興ったり消費や雇用が増えるはずがない。
 吉村市長は「行政をより身近に」というが、嘉悦学園報告書は「行政サービスを削って歳出削減効果を出す」という。

   維新府市政の嘘と誇大広告は今に始まったことではないが、そういう手法が今でも一定通用しているのはメディアがきっちり総括しないことと、それに誘導された世論の弱さにある。

 もし、「そんなことはない」とおっしゃる向きは、2012年1月に府・市の特別顧問を務める堺屋太一氏が「4年以内に10大名物をつくる」といい、新聞テレビやマスコミで維新が鼻高々に語った『構想』を覚えておられるか?

(1)道頓堀に全長2キロのプールを作り、世界遠泳大会を開催。
(2)2015年に「大阪都発都記念博覧会」を開催し、巨大歩道橋を建設。
(3)御堂筋を美術デザインストリートに。
(4)大阪市か堺市に1万平方メートルの超大型ビジョンを作る。
(5)建設中の近鉄あべのタワーに「驚愕展望台」を設置。
(6)JR大阪駅大屋根下に「空中カフェ」を作る。
(7)うめきた2期地域に高層マンションと空中緑地。
(8)うめきた1期の「ナレッジ・キャピタル」を世界的名物に改善。
(9)南港に「エレクトロ・ゲームセンター」を設置。
(10)関西空港と舞洲を一体にして国際特区に。

 何がしたいのか訳の分からないものが多く、とにかく高度成長期の1960年代型大型開発でハコモノを作って客を呼び込もうという前時代的な発想であることは間違いがない。
 こういう頭で推進する「カジノ万博」で大阪府・市民が幸せになることは絶対ない。
 維新を支持するなら、この「10大名物」構想大失敗の総括を語ってから話を始めるべきだろう。

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