2018年10月25日木曜日

秋深し

   ポピュラーな中でもポピュラーな閻魔蟋蟀(エンマコオロギ)は、夜だけでなく昼間から歩道の左右で鳴いている。
 写真のは長い産卵管があるから♀であるが、拡大して見てみるとゴキブリにも似ているのはちょっとかわいそう。

   鳴き声は「コロリー コロコロリー」などと書かれたりする。語尾?が下がっていくので如何にも秋の虫という寂しさを漂わせている。
   目(複眼)の上の眉に当たるところに黄色い帯があり、それが閻魔様の憤怒面を連想させたわけ。

 町内清掃の折り、近所の子どもにあげようとしたら怖がったのには驚いた。
 そんなものだろうか。
 鳴く虫を聴く文化は世界中にあるが、中でも、ラフカディオ・ハーンは古代ギリシャ人と現代(当時)の日本人の感性が優れていると書いたのは「歴史」の彼方に過ぎ去ったようである。

 蟋蟀を虫籠に入れて寝室に置き、ヒーリングミュージック代わりにした話は多いが、片や訴訟社会のアメリカでは隣家の庭のコオロギがうるさいと法廷で争われ、裁判官は「彼等(コオロギ)は抜群の音楽家である」と原告の主張を退けたということを本で読んだ。

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