2018年9月9日日曜日

拝金教

 8日(土)、第3回目の『奈良公園の環境を考えるシンポジウム』があった。
 会場の奈良文化会館小ホールは「要:事前申込み」であったのに、立見が出るほどの盛況だった。
 司会:河島あみる、主催者あいさつ:辰野勇、講演1:夢枕獏、講演2:椎名誠、パネルディスカッションモデレーター:辰野勇、パネリスト1:林太郎・谷幸三・辻村千尋、パネリスト2:高畑町住民・中島晃・寮美千子、法的問題について:兒玉修一、まとめ:田中幹夫という豪華なラインアップで、非常に充実した内容だった。

   その中で、夢枕獏氏の演題は『縄文の歴史と自然』で、ここ半年ほど縄文にハマっている私としては節々で”我が意を得たり”という気持ちになった。
 氏曰く、縄文の宗教はありとあらゆるものに神の存在を見ていて(多神教)、その後の日本民族の宗教意識によい意味で引き継がれていった。ところが、近頃拝金主義という一神教に席巻され、世の中が狂い始めている・・・と。

 奈良県が内外に大嘘をついて浮見堂南の旧裁判官官舎跡に高級リゾートホテルを建設しようとしていることなどはその拝金主義の骨頂だろう。

 元々歴史的風土特別保存地区という非常に厳しい規制のかかった同地区は平成17年に奈良公園に編入されたが、常識的には奈良公園そのものになったのでさらに厳しい規制がかかると思われるところ、「公園の便益施設である」などという大嘘をついて、大手開発業者に二束三文で貸すという。

 ああこれは、規制緩和でお友達に利益を施す森友・加計と同じ構図だと私は感じた。
 椎名誠氏は数々の自然保護運動に関わってきた思い出を語り、地元以外の人々の関心の薄さを指摘されていたが、この問題も、奈良公園周辺の住民の問題に終わらせてはならないと大いに反省した。

 ※ 拝火教をもじって拝金教と書いてみた。
 

4 件のコメント:

  1.  椎名誠氏が心なしか元気がなかった。冒険の途中で痔に悩んだとどこかで読んだが、軽い症状ならいいのだが・・・。

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  2.  このシンポジウムの前に大仏殿に寄ってきた。『東大寺音舞台』の直前だったので、無茶苦茶長身で顔が小さい青年とすれ違った。帰ってから妻に「城田優や」と教えてもらった。ああいうスタイルの人がスターなんだなと感心した。

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  3. 昭和初期ですか、大正ですか「添田唖蝉坊作詞作曲」の金金節を小沢昭一が歌ってました。一番「金だ金々 金々金だ 金だ金々 この世は金だ 金だ金だよ 誰が何と言おうと 金だ金だよ 黄金万能」・・七番「学者・議員も 政治も金だ・・」・・十九番「めったやたらに 輪転機が廻る 金だ金だと うなって廻る 「時事」に「朝日」に「万朝」「二六」「都」「読売」「夕刊報知」・・二十一番まで・・金金尽くしです。

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  4.  演歌ですね。それも大正モダニズムまででしょうか。戦時体制は金金節的なものも許さなくなっていきました。
     そのことを横に置いておいても、庶民レベルでは、9月6日の記事「折々のことば」のようなモラルがダブルスタンダードのようにあった気がします。
     拝金教は闇市の弱肉強食、そして戦後の高度成長期にこの国を席巻したのではないでしょうか。

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