2018年9月21日金曜日

灯火親しむ

 先日ジャカルタでのアジア大会の女子マラソンをテレビ中継で見た。
 そのとき私はスポーツ及びスポーツ選手を讃えると同時に、やはりニッポンがんばれ!と声援していた。
 それは多くの庶民の感情でもあったと思う。
 しかし、そこに止まっていたのではいけないこともある。

 例えば、オリンピック憲章57条はIOC OCOG は国ごとの世界ランキングを作成してはならない。・・」とまで定めてオリンピックを政治利用することを禁じているが、日本政府やJOCやマスコミは素知らぬ顔で「目標は金30」などと喧伝し、NHKは「オリンピックの目的は国威発揚」などと堂々と述べている。
 ナチスヒットラーの歴史を述べるまでもなく、こういう「危険性」を常に意識しておくことが大切ではないだろうか。


   で本題の「クールジャパン」のことである。
 近頃のテレビ番組がやたらに「日本スゴイ」「日本人スゴイ」のオンパレードであることに違和感はないだろうか。
 「そりゃあほんとにスゴイのだから違和感などない」と言う前に先のオリンピックの諸事実を振り返る必要がある。

 テレビや雑誌が「自主的に」発信したらたまたまそうなった!と考えるのは余りに世間知らずだろう。
 内閣府が「クールジャパン戦略のねらい」を作成し、表向きは日本製品の売込みや外国人観光客の招来と言いつつも、強力にアベ政治の失策の数々を覆い隠し、大いなる情報操作、世論の誘導を行っていると見るのは考え過ぎだろうか。

 そんな日頃の問題意識があったので、この本を躊躇なく購入した。
 著者の谷本真由美氏は現在はロンドン在住で、国連専門機関や外資系金融会社や日本、イギリス、アメリカ、イタリアなどで就労経験があるらしい。
 本の内容は表紙ほどは過激でなく、日本のよいところも誉め、外国の痛いところも笑い飛ばし、日本のメディア等を覆っているフィルターを外せばこうなのだろうと説得力のあるものだ。
 内容はここには書かないが、楽しくてためになる。
 谷本真由美著 ワニブックス PLUS新書『世界でバカにされる日本人』
 秋の夜長にお勧めする。

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