2018年7月8日日曜日

自然災害に思う

   先日の大阪北部地震といい今般の歴史的豪雨といい、自然の力は想像を絶する。被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

 そういう現実を見ていて私は先日の、首都大学東京(東京都立大学)堀信行名誉教授(地理学)の講義を思い出した。

 タイムスパンは相当長いが、先生曰く「日本列島というのはロッキー山脈やアンデス山脈の頂上付近と変わらないんだ」と。
 要するにプレートの衝突で盛り上がった山脈の頂上付近なので、日本列島はたまたま下層が海の中で見えないだけだと。

 だから、こういう山脈に沿っては無数の活断層があり、平野というのも、地震や洪水で山から落ちてきた土砂が谷などに埋まっているのが平野なんだと。(河内平野や奈良盆地を例にして)

 そして、わが家の近くの木津川の話になり「なぜ木津川は木津川市で異常に北上しているか」と続けられた。
 土壌の調査では、木津川は元々奈良盆地へ流れていた。しかし、太平洋プレートの圧力で紀伊半島全体が押し上げられて、紀伊半島全体がシーソーのように南方が隆起したときに木津川は北上したのだと・・・。
 桁違いに恐ろしい力(パワー)の話である。

 先祖が日本列島に住み着いた宿命かも知れないが、とはいえ日本国は既にこれだけの「先進国」ではないか。
 迎撃ミサイルだカジノだなどと言わずに政治は生活基盤を充実させるのが肝要だろう。
 そして、誠実な学問の目で見直すならば、こんな火山列島に原発を造るなどというのは狂気の沙汰ではないだろうか。
 「あらゆる災害が想定内だ」というなら、この現実をなんと見る。

2 件のコメント:

  1.  紀伊半島全体がシーソーのように南側が上昇し、それまで南進していた木津川が北進したという話は面白くないですか。
     堀信行先生はとてつもなくスケールの大きな先生です。この話だけで一講座聞きたいなあ。

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  2.  被災者救済や政治の話でないのを許していただくとして、自動車が埋まってまっ平らになった洪水跡を見ると、こういう風に平野というものが形成されていったのだなという自然科学的驚嘆を覚えます。
     水田農耕民族は自然災害危険地帯をメダルの裏表のようにして生きてきたのでしょう。
     ただ近現代の都市住民は、そういう基本的危険性、自然の脅威をあまりに忘れすぎてきたのかも・・・。

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