2018年7月2日月曜日

蚊遣火

 7月1日、日曜日の朝のNHK俳句の季題は『蚊遣火(かやりび)』だった。
   蚊取り線香は見た目には風情があるが、現代の大方の蚊取り線香の効能は化学薬品(要するに殺虫剤)に因っている。そんなものだから、体の弱い孫が来る日などには使用しないでいる。

 しかし、俳句を聴いているうちに懐かしくなり、今日はその孫も来ない日だし、早朝で蚊など一匹も見当たらないけれど蚊遣りを使いたくなった。
 で、いくつかの蚊遣りの中から青蛙の蚊遣りを引っ張り出してきた。
 香道などには程遠いが「これぞ夏!」という季節を味わった。
 7月1日という良い区切りがついた。

 さて、天気によって気分が晴れたり鬱になったりするのは病気ではなくごく普通のことである。専門書にも書かれているが、そんなことはわざわざ教えていただかなくっても知っている。

 「梅雨明け十日」は晴天の確率が高く、若い頃はこの頃によく山に登った。気分がよかった。
 見込み違いで梅雨の最終コースになった年は豪雨に悩まされた。

 7月1日の日曜日はそういう「梅雨明け十日」を思わせる朝だった。
 そのせいか、義母の老人ホームに行くと、どういう訳か義母も部屋の多くの方々も妙にハイだった。
 義母も食欲があり、いろんな質問を投げかけてきた。
 「学校には行かんでもええのか」と聞くから、頭の中の義母は小学生だろうか。
 そういうことを娘婿と話していて矛盾が生じないのが超高齢者の特権かも知れない。

 それで思い出したが、「座敷童(ざしきわらし)の出る家は幸福だ」と聞いたことがある。
 座敷童が見えるぐらいの長寿だということらしい。(座敷童の見えるのは、ある種の認知症の一症状らしい)
 こんな気候がいつまでも続いてくれればいいのだが。

 「われわれはこれから学校やから」とシュールに言って老人ホームを後にした。

2 件のコメント:

  1.  入院して約半年、病床の義父は覚醒している時はかなりの受け答えが出来るようですが見舞いに行かない日常はどのように過ごしているのか看護師さんからの報告はそう多くはありません。家に帰りたいとか無理を言う事もなく、入院という現状認識がないのか、それが反対に心配でもあります。

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  2.  食事はベッドの上でしょうか。おやつなどは食べられるのでしょうか。昔のなつかしい写真等で会話ができるのでしょうか。せめてそういうことができればいいですね。

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