2018年6月24日日曜日

鬼灯

   古事記によると、須佐之男命が大蛇について尋ねたところ「彼目如赤加賀智而、身一有八頭八尾」と老夫は答えている。

 この「赤カガチ」は古語辞典に「ホオズキの古名」とあるから、古代からホオズキの赤は印象的だったようだ。オロチの目はホオズキのように赤かった。

 そういう共通の印象がベースにあったからだろうか、いつの時代かの古人が鬼灯という漢字を当てたことにも違和感が生まれない。
 
 ほおずき市というと東京・浅草寺のそれが有名だが、同じ「四万六千日・観音さんの縁日」といっても関西で(私は)ほおずき市について馴染みがない。
 私が小さい頃は、堺市宿院町西に今もある東光寺の植木市が盛大で楽しかったが、どういう訳かほおずき市や朝顔市は圧倒的に江戸の文化のようである。

 さて鬼灯はこれまでも植えたことがあるが、畑で熟れても見栄えはしない。やはり植木鉢で育ててそれらしい場所で鑑賞するのが良いだろう。
 それで今年は食用ホオズキを植えてみた。なお普通のホオズキは旨くもないし毒もある。
 今年、一つだけ早々に黄色くなったのを食べると非常に美味しかった。ストロベリートマトという名前にも異論はない。ヨーロッパではフルーツとして認知されていると読んだこともある。
 写真のとおり緑色の実がたくさん付いている。色づくのは少し先だろう。夏休みに孫の夏ちゃんが来たら喜ぶに違いない。

 小さい頃、祭りの夜店でほおずきが売られていた。
 口の中で鳴らすものでここに書いたホオズキではなく「海ホオズキ」だった気がするが、本には草のホオズキでも「ホオズキ笛」を作って鳴らすことができるとある。
 私は「不衛生だから買うたらあかん」といわれていたので、結局知らないままできた。
 ホオズキを鳴らして遊んだ経験のある方は教えてほしい。

2 件のコメント:

  1.  ほおずき市行ってもないのに懐かしい

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  2.  この漢字、もちろん鬼の提灯だと思います。そして西欧では、Chinese lantern(チャイニーズランタン)。面白い。

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