2018年6月13日水曜日

鳥の霊性 6

   写真1の2枚は古墳時代後期の装飾古墳、福岡珍敷塚古墳の壁画で、左下に鳥を止まらせた船がある。
 被葬者の生前の活躍ぶり=航海を表したともとれるが、右側のヒキガエルと月(小型の円)から推測すると左の大きな円は太陽で鳥はカラスかもしれない。

   となると、被葬者を乗せた船がカラスに導かれて神仙界に向かっている図(昇仙図)といえよう。そのように考える方が自然である。

   写真2は古墳時代初期の奈良県天理市の東殿塚古墳出土の円筒埴輪に線刻された船である。
 これも瀬戸内海を航海してきた吉備や九州の豪族の「思い出のアルバム」では?というほど単純ではないと思う。

 だいたいがヤマトの国中(くんなか)にはこんなたくさんの櫂を持った大型船が航行できる川はない。

 そしてこの鳥はトサカからして鶏だろうから、渡り鳥がマストに止まって休憩している長閑な絵でもない。

 オンドリは脚の中ほどに後ろ向きにケヅメを持っていて、顔に似ず?気は荒い。
 オンドリは侵入者が近づくと高らかに声をあげ、かつ戦う。
 絵にはトサカもケヅメも描かれている。
 やはり神仙界に向かって被葬者を乗せた船に悪霊の侵入するのを避ける僻邪の鶏であろう。

   今城塚古墳の水鳥や鶏の埴輪を見てからいろいろ考えてきた。
 うんちくに富む説や史料もたくさんあったが分量オーバーで割愛したものも非常に多い。
 ブログに書いた文字の数百倍は読んだ。
 南方熊楠著『十二支考』の『鶏』などは大論文で、それを読むだけでくたびれた。
 続きは別の機会として、今回のシリーズについてはこれで筆をおく。
 南都の行事で度々奉納される伎楽〔迦楼羅〕の写真を見直しながら。読んでいただいた皆様に悪霊が憑かないことをお祈りしつつ。


   古(いにしえ)と結びガルーダ飛翔せよ

 迦楼羅はインド神話から仏教の守護神となった。インドネシア航空やタイ航空のシンボルにもなっている。

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