2018年5月16日水曜日

イェルサレムのこと

   アメリカ・トランプ政権がイェルサレムに大使館を移転したことに抗議するパレスチナのデモ隊にイスラエル軍が実弾等を発射して58人が死亡したと報じられている。
 アラブ過激派のテロで数人が死亡したという報道に比べて、日本におけるこの報道の低調さは何だろう。

 いうまでもないがイスラエルはユダヤ人の国である。
 ユダヤ人とは、早い話がヨーロッパのキリスト教社会で戦前まで理不尽な迫害を受けてきた人々でないか。
 イスラエルはその経験から弱者の連帯を導き出したのでなく、ある種の報復を合理化したのだろうか。そうでないなら事実をあげて論理的に批判してもらいたい。少なくとも私にはそう見える。

 齢を重ねると、ある時期、部落解放同盟があらゆる批判を差別発言だと拒否して、暴力的な糾弾と「下駄を履かせる」物取りに突入した歪んだ歴史と重なって見える。

 ハンナ・アーレントはアイヒマン裁判の傍聴記の中で「ユダヤ評議会のナチ協力」・・「移送ユダヤ人のリスト作成」に触れたため激しい非難と攻撃を浴びた(矢野久美子著「ハンナ・アーレント」)。
 世の中は弱者の主張が必ずしも正しいとは言えないことを教えている。

 そしてこの問題の底流に宗教問題があるのは否定し難い。
 となると、宗教とは一体何なんだ!という疑問も沸く。
 この現実を前にして、日本の宗教者よ声を上げよ。

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